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「アイデア出し」ができる部下の作り方

部下がどうにもアイデア出しが苦手で放っておけず、ついつい一緒に考えて手伝ってしまう。

しかし一人前になるためにも発想力を磨いて自分でアイデア出しができる人材になってほしい。

こんな悩みを抱えつつも、どうしたらいいのかわからないと途方に暮れている人も多いのではないでしょうか。

ここでは部下を育てるための3つの考え方を紹介し、そこからどうすればアイデア出しができる部下になってもらえるかを考えます。

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「アイデア出し」のハウツーをきちんと教育する

教育コンサルタントのロバート・K・グリーンリーフは1977年に著書の中で「サーバントリーダーシップ」という理論を提唱しています。この理論は「リーダーとは、まず相手に奉仕し、その後に相手を導いていくものである」という哲学のひとつで、支援型リーダーシップとも呼ばれます。

リーダーはサーバント(=召使い)となって、チームの環境整備や問題解決を推進する立場にあり、部下に寄り添いコミュニケーションをとりつつ、目標達成のための教育支援を行う役割があると考えます。この役割を全うすることで、周囲から信頼を勝ち取り、主体的な協力を得られる状況を目指します。

この理論に基づいて部下にアイデア出しができるようになってもらうには、リーダー自身のアイデア出しのノウハウを整理し、それを時間をかけて部下に教え込むところから始める必要があります。そうすれば部下は「いろいろ教えてもらってありがたい。この人の役に立ちたい」と考えて、アイデア出し以外の場面でもリーダーをサポートしてくれるようになるでしょう。

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「アイデア出し=部下本人の責任」と認識させる

「識学」というマネジメント理論では「アイデア出し=部下本人の責任」と考え、「プロセス」は一切評価せず、とにかく「結果」を設定し、評価することを求めます。

部下に対して任せた仕事でアイデア出しが必要なのであれば、そのアイデア出しの責任は部下本人にあります。この部分を曖昧にして「仕方ないな、一緒に考えよう」と手伝っていては、「困ったら上司がアイデアを出してくれる」という経験を積んでしまい、どこかで「別に自分で考えなくてもいいだろう」と錯覚してしまいます。これではいつまで経っても自分でアイデア出しができるようにはなりません。

リーダーがやるべき行動は「いつまでにどんなアイデアを何個出す」という目標を明示し、提出されたアイデアに対して評価を下すだけです。途中の経過=やり方に口を出してしまうと、一向に自分で考える能力が養われないうえ、「あの人の方法でやったけど上手くいかなかった。自分のやり方じゃなかったし、自分は悪くない」と考える危険があります。

アイデア出しのための事前情報があまりにも足りていない場合は情報提供も必要ですが、その場合も「あの人がくれた情報でやったけど……」と考えないよう、細心の注意を払って情報を与えなくてはなりません。

ことアイデア出しの話題になると「協働」「協創」といった言葉を使いがちですが、これらの言葉には責任の所在を曖昧にし、言い訳になってしまう側面もあるのです。「協働」「協創」は諸刃の剣と心得て、部下本人の責任を明確にする必要があります。

参考リンク:『伸びる会社は「これ」をやらない! 』

タネをまいたうえで、自分で考えさせる

デール・カーネギーの名著『人を動かす』の中には、「人を変える9原則」という章が設けられています。この9原則とは以下の通りです。

原則 部下への声かけ例
まずほめる 「最近頑張ってるじゃないか。この間の商談も……」
遠回しに注意を与える 「でもな、アイデア出しは俺が手伝ったろう?次は自分でやらなきゃいかんぞ」
自分のあやまちを話す 「俺も若い頃先輩に頼りきりで、その先輩が異動になった途端、痛い目にあったんだ」
命令をしない 「一度全部、自分でやってみるのも面白いかもな」
顔をつぶさない (自分で部下にアイデア出しをさせた結果)「ちゃんと自分でできたな」
わずかなことでもほめる 「お!この発想は俺にはなかったな。やるじゃないか」
期待をかける 「お前のこういうところに期待してるんだ。よろしく頼むぞ」
激励する 「何度もやっていれば、コツもつかめてくるはずだ。頑張ろう」
喜んで協力させる 「ちょうどこんな案件があるんだが、やってみるか」

同書の中でカーネギーは、経済的成功に必要なのは「少しの専門的知識」「考えを表現するための能力」「リーダーシップを発揮するための必要な能力」「人々の熱意を引き出すための能力」であると主張しています。この「人を変える9原則」はこの主張に基づいて、どうすれば人が変わっていくのかのポイントをまとめたものです。

この9原則によれば、人を変えるためには「まずほめる」などのアクションでタネをまき、徐々に育てていったうえで、自分の意思で行動できるように促してやらなければなりません。したがって単に「仕方ないな、一緒に考えよう」と手伝うのではなく、部下をどこへ導きたいのかをよく考えて行動する必要があるでしょう。

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