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識学は読み書きや計算と同様に、 社会で必要な考え方が詰まっている「理論」|オールコネクト 代表取締役社長 岩井 宏太 氏

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概要

Webにおける市場調査・広告管理から、商品・サービスを利用者に届けるためのWebサイト制作・システム構築、商品の購入・サービスの成約までをワンストップで手がけ、営業販売ビジネスサービスを顧客に提供している企業。それが、オールコネクトだ。

「世界最高の販売ソリューションを提供する」。これが、同社の掲げているビジョンである。ハイスピードなWebというフィールドで、これからも進化し、お客様に価値を提供し続けていくことを目指している同社の代表取締役社長である岩井宏太氏は、識学に出会うまで2つの組織課題を抱えていたという。

その課題とは何だったのか。そして、いかに解決へと導いていったのか。詳しく話を伺ってみた。

現有社員にとって働きやすい環境づくりが、
裏目に出てしまった。

識学を受け始めた頃の貴社のご状況についてお聞かせください。

 当時は組織内に2つの課題を抱えていました。1つ目の課題は、社員の離職に対して大きな恐れを抱いていたことによる弊害です。当社は福井県に本社を構えており、約200名の社員が本社で働いています。土地柄的に人材の確保が難しいため、現有社員の離職は組織にとって一大事。

 そのため、離職を防ぐために会社側が社員の働き方に合わせて社内の仕組みを変えたり、ルールを緩めたり、ということを繰り返していたのです。すると、中には「働き方や環境は自分で決められる、変えられる」と勘違いをしてしまう社員も現れるようになってしまって……。

 例えば、今までは「上司が嫌だ」という不満が起きた時、社員は人事部に相談をしていました。人事部はその相談を「離職のサイン」だと捉えますから、私に話を届けます。そして私が上司に対して「もうちょっと○○さんに対する接し方を変えたらどうか」と指導する。すると、指導を受けた上司はやり方を変えなければならなくなり、「部下に気に入られなければならない」ということを気にするようになります。

 一方、部下は、「気に入らなければ何でも言える」と錯覚し、上司を評価できる立場なのだと勘違いしてしまう。結果、部下の離職したいという思いは落ち着きますが、今度は上司が続かなくなってしまう……というように、組織における位置関係が崩壊しかけていました。

もう1つの課題は何だったのでしょうか?

目標達成への認識のズレにより、プロジェクトの収支管理ができず、売上は上がっているのに利益が出ないという状況が続いていました。「目標が達成できなくても頑張っていればOK」という風土が根付いてしまっていたことが原因です。

 その結果、社員の間で「頑張っていることを認めてもらうこと」が重要視されて、上司がいる日は遅くまで働いて、上司がいない日は早く帰る、というおかしな現象も起こっていました。今思えば最悪の状況でしたね……(笑)。

ルールを守れない人が組織に居られないのは当たり前

課題を取り除くために、識学の理論・考え方をどのように取り入れ、組織を変革されたのでしょうか?

まず始めに着手した具体的な施策は、「禁止するコミュニケーション」の明言化です。「直属の上司に対するセクハラやパワハラ以外の意見を人事部は受け付けません。直接上司に言いましょう」「副社長や私より年上の社員も、これからは私のことを岩井くんと呼ぶのは禁止。岩井社長か岩井さんと呼んでください」といった細かなルールを設けることで、組織のピラミッドにおける位置関係を正しい状態に戻していきました。

また、大きな不正やトラブルを未然に防ぐために、小さな不正を正すルールを徹底するようになりました。「遅刻が多くても目標が達成できていれば評価は下がらない」といった従来の考えを排除し、成果によって不正は相殺されないのだということを強調。評価シートにも不正履歴を明記するようにしました。結果、組織内に秩序が生まれ、ルールを守った人が正当な評価される仕組みを整えることができました。

 中には新しい手法を「軍隊的だ」と受け取る社員もいて、反発の声が上がったり、さらには離職も発生しました。しかし、これは当社の「ぬるま湯期間」が長すぎたから起きたことだと感じています。今まではルールに従わなくてもこの組織に居られた。

 しかし、本来組織というものは、ルールに従わないと居られないもの。極端な例を挙げれば、何か犯罪を犯したら捕まって牢屋に入れられ、社会から追い出されるのと同じです。会社だって、ルールを守れない人は外にでなければならないはずなのに、あえて残してしまっていた。方針を切り替えたことで抜けていったのはそういった社員です。その結果、抜けた分の社員を新たに採用しなければならなくなりましたが、その点に関しては採用力を強化することで対策していければ良いと割り切って考えられるようになりました。

売上目標達成のために、
どのようなことに取り組まれたのでしょうか。

売上目標達成のためにはどのようなことに取り組まれたのでしょうか。

 全部署を一気に変革するのではなく、まずは当時不振にあえいでいた部署で識学の理論を取り入れた「上司と部下の間であらかじめルールを決め、結果を管理するマネジメント手法」を導入してみたところ、飛躍的に業績を伸ばすことができました。元々その部署のトップを担っていた社員は、今まで社内に生じていた組織の違和感を一番感じ取っていた人物。識学の理論に近い考えのもとでマネジメントをしてくれていました。

 しかし、人によっては彼女を冷徹な上司だと考える部下もいて、反発されることも多く、以前は「マネジメントに向いていないので降格させてください」と私に訴えるほど悩んでいました。そこで、この部署へ定期的に講師の方に入ってもらい、メンバーに識学の理論を身につけてもらったところ、数ヶ月で業績が急上昇。半年後には全部署で同じマネジメント手法を導入することに決め、現在はどの部署も以前のような曖昧な目標設定や「頑張っているパフォーマンス」をしなくなりました。ちなみに、その部署のトップを担っていた社員は今取締役に昇格し、現在も活躍してくれています。

岩井社長にとって、識学とはどういった存在なのでしょうか?

 基本概念があるということは、基本に立ち戻れるということ。「ここに沿って考えてみよう」という基盤を作ることができたのは、当社にとって非常に大きな価値です。現在では社内に識学研修チームが存在したり、新入社員研修にも識学のエッセンスを取り入れているため、当社の全社員が何かしら識学の理論に触れています。

最後に、今後識学を検討される経営者様に対して、識学を効果的に自分のものにする上で重要なポイントがあればお聞かせください。

識学を学んでいくうちに、会社が直面している課題に対して「誰が悪いのか」「何が悪いのか」を突き詰めていくと、最終的には「自分」が原因だったという結論に行き着くんです。そこに気づいた時、今までの自分を正当化しようしたり抗ったりせず、事実を受け入れることができるかどうか。それが一番重要だと思います。受け入れることができれば、識学は経営者にとって抜群の威力を発揮します。

「組織を変えたい」ではなく「経営をする自分自身を変えたい」と思う経営者であれば、業界を問わず絶大な効果が期待できると確信しています。

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