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組織のルールは柔軟な方がいい?そこに潜む落とし穴とは?

社員に新しいアイデアや自由な発想をして欲しいと考える会社は少なくないでしょう。そのためには「ルールで締め付けてしまっては、社員の自由な発想を阻害してしまう」と考える人もいるかと思います。しかし、本当にルールをなくすことで自由な発想を導くことができるのでしょうか。

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個人の環境によって「ルール」は異なる

「組織のルールを極力なくすことで、社員それぞれが自由な発想と行動によって企業に利益をもたらし、また社員はこれらの行動を通して成長していく」ということを実現できたとしたら、理想的なことでしょう。

しかし、組織にとって前提条件や基準といった決まりごと(ルール)がない状況になってしまえば、行動どころか社員同士のコミュニケーション自体が取れず、組織として正常に機能していきません。

そもそも、年齢や家庭環境、これまでの人間関係や所属した会社や業界、経験など、人それぞれの背景によって独自の「ルール」があります。

そのため、同じ組織の中は異なるルールを持ち合わせているもの同士であり、組織としてのルールがなければそれぞれの独自のルールで解釈し、バラバラな価値基準と行動をとってしまい組織として成り立たない状態になります。

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ルールの違いによって発生するロスタイム

組織を運営していくにはコミュニケーションは大変重要な要素です。しかし、共通ルールがないままでは、コミュニケーションの際に自分のルールで解釈するためズレが生じます。そして、それを補正するには時間がかかるため、莫大なロスタイムが発生してしまいます。

ルールという前提条件があって初めて解釈が一致し、コミュニケーションがスムーズに取れるのです。それがなければお互いの前提がどう違うのか擦り合わせをしなくてはならず、互いのルールの答え合わせに多くの時間を費やすことになります。

このような認識の違いは組織に限った話ではありません。

たとえば、A君がB君に「甲子園に行ったことはある?」と聞いた場合、A君は「甲子園球場に観戦に行ったことがある?」と聞いたつもりが、B君は「甲子園に出場したことある?」という問いと認識してしまうケースです。

この場合、当然ながらB君は「ない」と回答してしまいます。この後、A君が「野球好きなのに、甲子園に試合を見に行ったことがないなんて意外だね」とでも話せば、B君は「試合を見に行ったことはあるよ」と返答し、お互いの認識が違うことに気がつきます。そこでやっと、双方の話の前提がどう違うのかすり合わせることができ、コミュニケーションが成立します。

また、お互いの認識にズレがあることに気がつかないまま会話が続き、誤解したまま会話が終了することもあり得ます。その場合、A君が甲子園での観戦の様子を聞きたかったとしたら、回答を得るために他の甲子園観戦の経験者を探さなくてはならず、A君が「B君は甲子園に野球観戦に行ったことがある」と他者から聞いた場合、B君に不信感を抱いてしまいます。

共通ルールがあればこのような時間は発生することがありません。

ルールが曖昧なために認識が合うまでの時間と、認識のズレから生じる不必要な時間、誤解から生まれる不信感を解消するなどのロスタイム(無駄な時間)ができてしまうのです。

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ルールなき組織ではリーダーの評価に不満が噴出する

ルールがない組織ではリーダーの評価に部下の不満が噴出する可能性があります。

ルールがないということは、組織内で共通認識している基準や方向性がなく、個々の基準で良し悪しを判断することになるためです。例えば、部下が売上目標を達成するために考えた方法を上司の独自基準で善くないと判断をするようなケースです。もちろん部下は、”良い”と思って考えたわけですから、これでは不満や不安だけが蓄積します。

アイデアを出すことを望むなら、アイデアを評価することも必要であり、それには「誰がどのような基準によってアイデアを評価するのか」というルールが必要です。

以上のように、アイデアや自由な発想とルールは相反するものではなく、むしろ必要なものです。自由な発想を求めるため、ルールをなくしてしまえばロスタイムや不平不満だらけになり、組織が機能しなくなってしまいます。

むしろルールを明確にし、そのなかで目標達成のアイデアを求めることが重要なのです。

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