管理職のマネジメントとは?事業成功のための考え方
目次
リーダーシップとマネジメントの違い
まず、リーダーシップとマネジメントの違いをはっきりさせましょう。 コヴィー博士はこの違いについて以下のような説明をしています(p.123)。<リーダーシップとマネジメントの違い>
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<リーダーシップとマネジメントの仕事>
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これまでのタイムマネジメント
タイムマネジメントの本質は「優先順位をつけ、それを実行することだ」とコヴィー博士はいいます。 それは、タイムマネジメントのこれまでの流れからも見えてきます(pp.197-199)。 タイムマネジメントには、現在までに3つの世代がありました。 そのうち、第一世代と第二世代の特徴は以下のようなものです。 第一世代:メモやチェックリストでやるべきことを確認し、忘れないようにする 第二世代:予定表やカレンダーで、先を見据え、将来の出来事や活動の予定を立てる 現在、中心的に用いられている第三世代は、上の2つの世代の特徴に、新たな3つの特徴が加わったものです。 それは、「価値観の明確化」と「優先順位づけ」、それに「目標設定」です。 まず、自分の価値観を明確にし、それに沿って活動の重要度を測り、優先順位をつけます。 また、長期、中期、短期の目標を具体的に立て、その中で最重要と判断した目標や仕事を達成するために、毎日の具体的なスケジュールを立てるのもこの世代の特徴です。 そして、そうやって定めた目標の達成やスケジュールの消化に時間と労力をかけます。 こうした第三世代はタイムマネジメントの分野を飛躍的に進歩させました。 しかし、皮肉なことに、効率性を追及するこの方法を用いているうちに、この方法の非生産的な側面が露わになってきました。 効率性だけを追及して分刻みのスケジュールに縛られるようなタイムマネジメントでは、豊かな人間関係を構築したり、自分の自然なニーズを満たしたりする余裕がないからです。 そして、現在、第三世代までとは根本的に異なる第四世代が生まれています。 <<あわせて読みたい>>262の法則は間違い?働きアリに学ぶマネジメント
第四世代のタイムマネジメント
第四世代がこれまでの世代と決定的に違うのは、「時間を管理する」という考え方がそもそも間違っていると考えるところです。 では、時間ではなく、何を管理しようというのでしょうか。 それは自分自身です。 第四世代はモノや時間には重点をおきません。この世代が目指すのは、人間関係を維持し強化しながら、結果を出すことです。 最も重要視するのは人間関係と結果であり、時間はあくまで2番目です(pp.198-199)。 人間関係と結果にコミットするために必要なのは、自分自身を管理することです。 コヴィー博士は、第四世代のタイムマネジメントの中心的な考え方を以下のようなマトリックスで表しています(p.200)。【 第四世代タイムマネジメントのマトリックス 】
出所(図1とも):スティーブン・R・コヴィー著、フランクリン・コヴィー・ジャパン訳(2015)『完訳 7つの習慣』キングベアー出版 を基に筆者作成 (当マトリックス:p.200、図1:p.232) 私たちは基本的に上のマトリックスの4つの領域のどれかに時間を使っています(p.199) 活動を決定する要因は、「重要度」と「緊急度」です。 <<あわせて読みたい>>ディズニーの接客とは?マニュアルなしで「3日で自立させる」人材育成術
リーダーが優先すべき領域
あなたは上のマトリックスのどの領域に一番、時間をかけていますか。 また、どの領域が一番、重要だと考えますか。 コヴィー博士は、最も重要な領域は第2領域だと説いています(pp.201-204)。 なぜなら、この領域が一番いい結果をもたらすからです。 第1領域は、「危機」、「問題」の領域です。 緊急度が高く、重要度も高いため、多くの人がこの領域を強く意識し、多くの時間をこの領域のために費やします。 でも、この領域ばかりに目を向けていると、毎日、次から次へと生じる問題に対応するだけで1日が終わり、やがてこの領域に支配されるようになります。 第3領域を第1領域だと勘違いして、そこに多くの時間を費やす人もいます。 緊急ではあっても重要ではないのに、緊急だから重要なのだと思い込んで、緊急の用事のすべてに対応し、そのためにほとんどの時間を使ってしまうのです。 第3領域と第4領域だけに時間を使っている人は、無責任な生き方をしている人だとコヴィー博士はいいます。 反対に、仕事に成果をもたらす人々はこれらの領域を避けようとします。 緊急であろうがなかろうが、重要ではないからです。 マネジメントの鍵を握るのは、残る第2領域です。 この領域に時間をかけられれば、ビジョンや有益な視点が備わり、チャンスをつかむ態勢が整い、計画に基づいて重要事項を実行するための準備もできます。 また、緊急事態が発生しないように予防するため、第1領域に費やす時間が減り、さらにこの領域のための時間が確保できるようになるという好循環も生まれます。 ここで、先ほどみたリーダーシップとマネジメントの仕事を再確認してみましょう。<リーダーシップとマネジメントの仕事>
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デリゲーションの原理はマネジメントそのもの
リーダーがリーダーシップを存分に発揮できるようにするためには、先にみたマトリックスの第3領域と第4領域の仕事をリーダーがしなくてすむように、そして、第1領域の仕事もできるだけ少なくてすむようにマネジメントすることが必要です。 そのために欠かせないないのが、デリゲーションです。 デリゲーションとは、仕事を人に任せることです。 「デリゲーションできる能力の有無が、マネージャーとして働くか、もしくは一スタッフとして働くかを 区別する決定的な違い」だとコヴィー博士はいいます(p.232)。 うまくデリゲーションできれば、同じ労力で、一スタッフの生産量とは比べ物にならないくらいの成果をもたらすことが可能です(図1)。図1 デリゲーションの支点
デリゲーションとは図1のように、テコの支点をずらすことです。 マネージメントとは基本的に、このようにテコの支点をずらすことなのです。 <<あわせて読みたい>>カーネギーの「人を動かす」を12分で要約!現代ビジネスに応用できるポイントまとめ
デリゲーションの極意とは
コヴィー博士が指南するデリゲーションの極意を紹介しましょう。 それは、以下の4点を守ることに集約されます。 それは、心構え、デリゲーションのスタイル、コンセンサス、任せる相手に合わせた調整です。 まず、心構えから(p.231・p.243・p.245)。<デリゲーションの心構え>
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<デリゲーションのスタイル>
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<コンセンサスが必要な事項5点>
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<任せる人に合わせた調整法>
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