働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症の影響によって、テレワークは以前よりも身近な働き方になりつつあります。
一方で、従業員の働く姿が見えにくくなるため、勤怠管理や従業員の評価、コミュニケーションに関連する課題が浮かび上がっているのも実情です。
今回はテレワーク下におけるマネジメントの問題点を挙げた上で、その解決策をご紹介します。
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目次
従業員は結果で管理しよう
オフィス勤務であれば、従業員が進める仕事の進捗状況を簡単に把握できますが、テレワークではそうもいきません。
それゆえ、意識的に確認を取る必要があります。
メールや電話で勤務時間を把握したり、チャットアプリのアクティビティログを利用したりする方法もありますが、こうしたやり方だとマネジメントコストが膨大になってしまいます。
マネジメントする側も業務に集中できないのではないでしょうか。
そもそも、これは管理というより監視に近いイメージであり、上司だけでなく部下も気が詰まってストレスがかかります。
では、どのように管理すればよいのかというと、働いているかどうかではなく、1日の結果がどうだったかだけを見るようにしてください。
まず、月の目標を週次や日次に落とし込みます。上司は、部下が何を達成すべきかを毎日明確に設定してください。
1日が終わり、目標の達成可否を確認します。
達成できなかったならば、次の日は何をしてその不足を埋めるのかを部下に考えさせるのです。
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期限と状態を明確にしたゴールを設定しよう
結果を管理するという考えにシフトすればお互い楽でしょう。
注意点は、目標設定において上司と部下の認識がずれないようにすることです。
そのために、テレワーク下に限らず、上司から部下に対しての指示は常に結果を求めるようにしましょう。
その際、期限と状態もセットにします。
例えば、テレワークでテレアポをしている業種なら、「17時までに3件のアポを取ってください。」のようなイメージです。
そして、17時になったとき、アポイントが3件取れたかどうかだけを見て、一生懸命テレアポしていたかどうかは考慮しません。
そんなことは誰にも分からないからです。テレアポは件数が大事だという人もいるでしょう。
最近はツールで架電件数が記録できるものもあります。
もちろん、何回電話をかけたかは非常に大事な指標ではありますから、そこはデータとして取っておき、従業員育成用の目安として使用してください。
ここでは、「17時までに3件のアポを取る」を重要指標とすることで、そのためには何を工夫すればよいかを従業員自ら考えさせることが必要です。
なぜなら、テレワークにおいての課題の二つ目がそこにも直結するからです。
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できること・できないことをはっきりさせよう
「出社が少なくなるのでコミュニケーションが取りづらく、どんな人なのかわかりにくい。」
「どう変化したのかよくわからない」
そんな声をよく聞きます。
そもそも、成長とはどういうことでしょうか。
この質問をしたとき、「変化したどうか」と答える方が多いです。
しかし、ただの変化では意味がありません。
正確に言うならば、成長とは「できなかったことができるようになること」です。
ここで重要になるのは、何ができで何ができていないのかを事前にはっきりさせること。
この認識が上司と部下の間でずれていたら意味がありません。
そのためにも、結果での評価が役立つのです。1週間で3件のアポを獲得していた社員が、次の週に5件、さらに次の週に8件のアポを獲得したら、誰が見ても成長したと分かりますよね。
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評価制度を構築しよう
この管理を確立するためにもう一つ重要な要素が評価制度です。
評価制度の詳細について今回は触れませんが、一点だけ述べておきます。
評価項目をどう設定するかは非常に重要です。
例えば、「業務にまじめに取り組んでいるか」「率先して仕事に取り組んでいるか」というような項目では、その中身を測りようがありません。定量的な項目にするべきです。
定量的な項目であれば、上司部下ともに解釈にずれが発生しませんし、コミュニケーションが少なくて成長が見えづらいということもなくなります。