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IFRS(国際会計基準)とは?特徴や背景、動向、メリット・デメリットを解説

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最近、「IFRS(イファース、アイファース)」という言葉を見聞きする機会が増えましたが、一体どのようなものなのでしょうか?

世界には自国独自の会計基準を持つ国も存在しますが、近年になってこの「IFRS」と呼ばれる国際財務報告基準が普及してきています。

このようななか、日本はどのような対応を取るべきなのでしょうか?

そこで本記事ではIFRSについて、

  • 概要
  • 特徴
  • 普及の背景
  • 今後の動向
  • メリット・デメリット

を解説していきます。

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会計基準とは

IFRSについて解説する前に、まずは「会計基準」を正しく理解しておきましょう。

会計基準とは、財務諸表を作成する際に定められている決まりで、現時点で世界で共通する会計基準はありません。

日本企業においては、日本で認められている会計基準から自社に最適なものを選択できます。

日本における会計基準

日本では下記の会計基準から自社に合ったものを選ぶことが認められています。

  • 日本会計基準:企業会計原則に基づいて作成されたもの
  • 米国会計基準:米国財務会計基準審議会が発行したもの
  • 国際会計基準:世界共通の会計基準を目指して作成されたもの
  • 修正国際基準:国際会計基準の日本版

IFRSとは

IFRSとは「International Financial Reporting Standards」の頭文字をとった言葉であり、日本語では「国際財務報告基準」や「国際会計基準」と呼ばれています。

現在、IFRSは世界的な共通の基準になっている会計基準です。

ロンドンを拠点とする国際会計基準審議会(IASB/International Accounting Standards Board)によって設定されています。

IFRSが普及した背景

従来、会計制度は国によって独自で設定されることが当たり前とされてきました。

しかし、経済のグローバル化が進んだことによって、どの国の企業でも実態を把握できる世界共通の尺度が求められるようになったのです。

これにより、2005年にEU(欧州連合)域内の上場企業にIFRSが義務付けられてから、世界各国で異なっていた会計基準を統一化させる動きが加速しています。

日本におけるIFRSの動向

日本では2010年の年度財務諸表から、任意適用でIFRS採用が認められており、上場企業を中心に2020年時点で212社が採用しています。

2010年には日本企業に強制適用される予定でしたが、東日本大震災などの事情により、現在まで強制適用はされていません。

しかし、少しずつ適用企業を増やすことで普及促進を目指しており、いずれは強制適用となるでしょう。

したがって、今後は日本でもIFRSの知識がスタンダードとなることが予想されています。

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IFRSの特徴とは

IFRSには下記のような特徴があります。

原則主義

原則主義とは、原則のみを提示して細かいルールは示されない会計主義のことです。

自由度が高いメリットがありますが、原則に則っていることを証明する必要があります。

IFRSでは考え方の核となる原理原則だけを提示して、具体的な数値基準や判断基準を定めないという原則主義(プリンシプル・ベース)を採用しています。

貸借対照表(BS)重視

IFRSは貸借対照表を重視する考え方で、資産と負債の差を「利益」と捉えます。

つまり、企業のすべての財産をまとめてから、マイナスの要素を差し引いた純資産(=企業価値)を利益とするのです。

一方で、日本では損益計算書を重視しており、1年間の収益と費用の差(=当期純利益)を利益と考えています。

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グローバル基準

IFRSはグローバル基準であるため、各国で独自に設定された基準や特有の都合を考慮せず、議論や定義も英語で行い、言語差異を防ぐ工夫がなされています。

IFRS導入のメリットとは

ここでは、IFRS導入のメリットを見ていきましょう。

経営管理のコストカット

1つ目のメリットは、海外の子会社が多い企業にとっては、経営管理のコスト削減につながることが挙げられます。

具体的には、すべての子会社にIFRSを適用することで、企業間の指標が統一されます。

また、業績の指標が統一されることで、子会社の業績をこれまで以上に正しく評価することが可能です。

海外投資家の適切な投資判断を促せる

従来、海外投資家に対しては日本の会計基準とIFRSの違いを説明しなければなりませんでした。

しかし、IFRSを採用することで、説明の手間が省けるだけではなく、海外投資家に平等な会計基準による投資判断を促すことができます。

IFRS導入のデメリットとは

ここでは、IFRS導入のデメリットは、事務負担が増えることです。

なぜなら、

  • 会社法では日本基準の開示が必要であり、IFRSと合わせて2つの帳簿を完備しなければならない
  • 会計基準の変更によりシステムを変えなければならない
  • 運用までに担当者の教育が必要

などの理由があるためです。

まとめ

現在では任意適用となっているIFRS。

現時点では任意ですが、会計基準を統一させる動きは進んでいます。

特に上場企業はIFRSについて注視しておくとよさそうです。

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