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病院の人事考課を効果的に運用するポイントとは?導入の目的や背景を解説

病院の人事考課

一般企業において広く導入されている人事考課制度ですが、近年は病院でも導入されるケースが増えているようです。

本記事では、病院の人事考課における必要なポイントや、効果的な運営のポイントなどを解説していきます。

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病院が導入する人事考課制度とは

そもそも人事考課制度とは、経営者や人事部などが、従業員の貢献度や業績を査定する人事制度のことです。

その結果は、昇格や昇進など処遇に反映されます。

また、株式会社産労総合研究所が2014年6月に行った調査によると、人事考課制度を導入している病院は76.1%だったことがわかっています。

(参考:病院における人事考課制度導入に関する実態調査丨産労総合研究所

人事考課制度の効果

ある病院では人事考課制度を適切に運用したことで、14~20%だった離職率を5~9%に下げることに成功した事例があります。

この事例では、人事考課制度の評価項目をおよそ45個に細分化。

従来では1つの項目に対して上司が5段階評価を行っていましたが、内容を具体的に定義し、考課のブレを抑えるようにしたようです。

これにより、より精度の高い評価を可能にしました。

(参考:離職率が半減! 中小病院の人事考課の工夫とは丨日経メディカル

病院が人事考課制度を導入する背景

7割以上の病院で導入されている人事考課制度ですが、なぜ多くの病院が導入するのでしょうか? その背景を見ていきましょう。

人手不足

まず、医療従事者の不足が挙げられます。

少子高齢化が進む日本においては、一般企業だけでなく、病院においても人手不足が慢性化しています。

さらに近年は、新型コロナウイルスの拡大によって医療従事者の不足が深刻な問題となり、離職率を少しでも下げることが求められました。

給与体系の見直し

従来、一般企業と同じように病院でも年功序列制度が導入されており、勤続年数や年齢によって給与額が決まっていました。

しかし年功序列の場合、優れた若手のモチベーションが下がるだけではなく、経営状態を問わず上がり続ける賃金を支払う必要があります。

そこで新たな人事考課制度を導入して給与体系を見直すとともに、職員のパフォーマンスを最大化する必要があるのです。

関連記事:病院の63.6%が赤字経営。赤字に陥る原因や黒字化に必要なことを解説

病院の人事考課の基準に求められるものとは

病院における人事考課制度の基準に求められるものは、適切なシステムの導入と運用です。

それではどのようなものか、解説していきます。

評価制度

病院の評価制度では、ネガティブな評価によって減点することではなく、ポジティブな評価によって加点して人材を育てていくことが重要です。

また、評価制度は下記の3つに分けることができます。

評価 内容
行動評価 日常的な業務態度や規則の遵守ができているか。

責任感、協調性、積極性など。

役割評価 病院が職員に期待する役割をこなしているか。

指示された仕事の達成率や完成率、後輩や部下の指導など。

能力評価 目標を達成できているか、柔軟な対応ができているか。

知識や技能、判断力、企画力、指導力など。

等級・役職制度

職員の能力や職務などに基づいて区分・序列化し、業務遂行の権限や責任、処遇などの根拠となる制度です。

職員は等級制度をもとに「病院側がどのような人材を求めているのか」を把握することができます。

賃金制度

賃金制度は、経歴や資格、人事考課の結果に基づいて給与や昇給を決める制度です。

賃金制度を導入することによって優れた人材の定着を促し、意欲の向上にもつながるでしょう。

年功序列から切り替えたい場合はこの制度を用いて、職員のモチベーションアップを図ることができます。

病院の人事考課に必要な項目とは

人事考課は主に下記の3つの基準で評価することが一般的です。

業績評価

病院における業績評価では、

  • 病院全体
  • 科目別
  • 個人業績

を対象に考課します。

目標の具体例としては入院数や外来数、検査数、手術数などが挙げられます。

能力評価

看護師の能力は、下記のような項目で評価されます。

項目 内容
臨床 患者の情報収集や看護計画、看護問題の明確化など
教育 自己研鑽、教育プログラムや業務体験の共有など
研究 研究への関心、発表会への参加など
管理 業務や物品の管理や、危機管理など

情意評価

情意評価では、職員の業務への取り組み方や姿勢などを評価します。

評価項目は主に下記の4つです。

項目 内容
規律性 ルールや約束、規律を守りつつ状況に応じて柔軟に対処している
責任性 役割を最後まで全うしている
協調性 同僚やチームと協力して業務を行っている
積極性 技術や知識の獲得、業務などに積極的に取り組んでいる

関連記事:社員への人事評価制度の問題点は?導入・見直し方法を解説!

病院の人事考課のコメントについて

病院の人事考課では、公平性や客観性を裏付けるコメントが重要です。

職員が評価に不満を持つことや納得いかないといったことが起きないように、評価者には適切なコメントが求められます。

一方で被評価者はコメントで自己アピールをすることができます。

被評価者が書く際に注意するべきこと

被評価者がコメントを書く際は、個人目標や課題などを記載します。

目標を設定するときに重要なのは、具体的で明確にすることです。

例えば「○○を頑張る」や「○○に注意する」といった目標では、評価する際にそれが達成できたかわからないため、注意しましょう。

まとめ

医療・福祉業界でも、評価項目を明確にし、人事考課を検討する必要性は高まっています。弊社識学は、マネジメントコンサルティングの会社です。

弊社は、病院に限らず、今までさまざまな業界の人事考課の制度構築に携わってきました。

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