ストレス社会と言われる現代において、自分をどのようにコントロールして仕事に取り組めばよいのでしょうか。本記事でそのヒントをお伝えしたいと思います。
労働をしたから対価を得られる
私たち識学社は、よく原始時代の狩りを例にして、労働とその対価の関係を皆さんにお話ししています。
マンモスを狩って食べる時代は、「狩るからその肉を食べることができる」と人々は認識しているはずです。「食べさせてもらえないと狩らない」は通用しませんよね。つまり、労働をしたから対価が得られるわけであって、その逆ではないわけです。実に当たり前の話です。
しかしながら、現代はこれが通用すると勘違いしている人がいます。すなわち、「給料をもらったら働く」ということです。つまるところ、これは「労働する前に報酬をくれ」という意味にほかなりません。
こうした誤った考えをなぜ抱いてしまうのでしょうか。それは、今まで育ってきた環境に原因があります。そういう人は、人生のなかで以下のような言葉を幾度となく口にしてきたはずです。
お母さんが言ってくれなかったからできなかった
先生が教えてくれないから分からなかった
上司の指示がなかったからしなかった
新卒採用時に、大勢の学生が「研修制度はありますか」と尋ねるようになっていることも、そのような環境が当たり前になっているからでしょう。実は、これが、ストレスを溜める要因をつくっています。
自分に報酬を与えてくれるのは他人です。それは、市場であり、お客さまであり、上司(会社)です。いずれにせよ、報酬は他者が決めます。人は、自分でない他者が決めることに、「なぜなのだろうか」を考えることに、一番ストレスを感じてしまうのです。
ストレスと向き合うために必要なこと
ストレスの発生要因の多くは、コミュニケーション不足と言われています。
コミュニケーションを取らないと不安になるのはなぜでしょうか。現代では、多くの人が他者からどう思われているかを気にしていて、対人間関係に関する本が数多く出ています。
根本的な問題は、他者をコントロールできると考えてしまうこと。他者は変えられない、変えることができるのは自分のみと知ることが重要です。
仕事をする上で、自分の思う通りにならないことは数多くあります。その要因を他者や環境に見出そうとするのではなく、自分にあると考えましょう。
そのための第一歩は、自分の状況や状態をそのまま受け入れることから始まります。自分が欲するものをもらえないのであれば、もらうために、どう動けばいいかを考えるということです。
例えば、営業で受注を取れなかったとしましょう。何が足りなくて、何があれば発注してくれたのか。自分がコントロールできることに視点を置いて、未来に向けて取り組むことが大切です。