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モチベーションは働く上で必要不可欠なものではない?

現在は「働くことにも楽しさを求める時代」と言ってもいいくらいの環境に変わっており、そのような環境下で部下を持つリーダーやマネージャーは、「どうすればメンバーがやる気を出してくれるのか」、「以前はやる気が見られたのに、ここ最近モチベーションが下がっているメンバーがいて大変だ」といった「やる気」に関する悩みを持つことが多いです。しかしそんな悩みを持つリーダーやマネージャーは、実はあることに気付いていないから悩んでいるのです。

それは「モチベーションは働く上で必要最低条件ではない」という事実です。言い換えるなら「モチベーションは上司が与えるものではなく、部下自身が自己設定しなければいけないもの」ということです。

そもそも与えることがマストという前提になっているからいつまで経っても解決しないのです。もちろんモチベーション自体を否定しているわけでは決してありません。部下を成長させるマネジメントを目指すのであれば間違っているということです。

今回はその正しいモチベーションの定義についてご説明致します。

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動機づけの勘違い

モチベーションとは「動機付け」であり、何のために行動するのかという理由を与えることを指します。

例えば、「あの会社の担当者はかなり手強くて、いつも営業行くが断られる。あそこの契約を取ったら、社内からすごい目で見られるぞ、だから頑張れ」と上司が言葉をかけることで、部下が「よし、社内の評判を勝ち取る為に頑張るぞ」と思うことです。

え?それのどこが悪いの?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、よく考えてみて下さい。上記は「動機付け」の定義として挙げましたが、このやり方をしてしまった場合、部下からすると「別に社内の評判なんて欲しくないから、頑張りたくありません。」ということが成立してしまいますよね。

そうなると上司は頑張ってもらう為に別の「動機付け」を探さなくてはいけなくなります。つまり、頑張るか頑張らないかは部下が決めるといった何とも奇妙な感じになります。こうなると、部下の意識上は「自分のモチベーションを上げるものをくれたら、顧客に良いサービスを提供できるよう働きます」となります。

組織は存続・成長していく為に、本来まずは顧客にどれだけ価値を見出してもらえるサービスを提供するかというところからスタートしなければならないのに、何故か顧客よりも先に部下に良いサービス=モチベーションを提供するといった不自然な状況に陥ります。

このように組織が存続する為の条件を乱す要因となるものを上司がコントロールしていることがそもそもの間違いです。
本来モチベーションは目標を達成するために部下自身が上げていくべきものなのです。

真のモチベーションとは

では、「正しいモチベーションの在り方とは何ですか?」という問いにお答えしたいと思います。

まず、人は大小問わず何か目標をクリアすると、「達成感」・「自己決定感」・「有能感」といった感覚を覚え、また同じ感覚を味わいたいと望むようになります。これを「内質的動機」と呼びます。
また正しい評価制度の下では、目標をクリアすると「給与・賞与」や「地位」が上がります。これもまた人は次も得たいという気持ちになり、これを「物質的動機」と呼びます。

この「内質的動機」と「物質的動機」の2つを合わせて『内発的動機』と呼び、これが真のモチベーションになります。つまり、自分自身の中から湧き出てくるものであり、自己設定しているものです。

このモチベーション下であれば言うまでもなく、部下は自発的に成長路線に向かいますし、持続可能な状態となります。

まとめ

今回は本来あるべきモチベーションの定義について説明しました。

  • 動機付けであるモチベーションは、与えるやり方をすると、部下がモチベーションありきの錯覚に陥り、給与プラスαとしてモチベーションを働く必須条件と捉えるので、モチベーションを感じるかどうかで仕事を選び出します。
  • モチベーションは働く理由の必須条件ではなく、成長を促進させるプラスαの要素に過ぎない。
  • 真のモチベーションとは内発的動機とも呼び、自分から欲するようになり、自己設定するものである。

まずはこの正しいモチベーションの定義を知ることで、「モチベーションが無いと働けません」といった錯覚を部下に起こさせないマネジメントをしていきましょう。

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