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錯覚したモチベーションは上司も部下も不幸にする

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モチベーションとは組織パフォーマンスを高める源泉でもあり、どの組織にとっても必要なものであることは事実です。
しかし、このモチベーションの捉え方を間違えると、逆に組織パフォーマンスを下げてしまう大きな要因となってしまいます。

昨今このモチベーションを巡り様々な意見が交わされていますが、そもそもなぜモチベーションを大事にするのでしょうか?
表現の仕方は様々あるかと思いますが、おそらくこのような表現に集約されるかと思います。
「働く個人がやる気を出すことでパフォーマンスが向上し成長する。その個人のパフォーマンスの向上そして成長によって組織パフォーマンスも上がる。」といった個人と組織の両方に利があるからという答えに辿り着くでしょう。

しかし本当にこの答えに辿り着くモチベーションとして捉えられているでしょうか?

今回は、この答えに辿り着く為の正しいモチベーションの捉え方についてご説明します。

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気持ちよく働くことでは成長しない

モチベーションは「やる気」という意味で使われることもよくあります。

このやる気を出す為には例えば、「みんなで仲よく仕事をすることでやる気が湧いてくる」というようなケースはよく挙がりますよね。
つまりこのケースは「気持ちよく仕事ができる=ストレスがなく働くことができる」ということを表しています。
「いやいや、それの何が悪いの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、もしそう思われたのならそこが盲点になっているのです。
実は「ストレスがない」ということは「成長しない」ということ、つまり成長には適度なストレスが必要なのです。

例えば、部下が初めてとなるタスクにチャレンジすれば、そこには大なり小なり失敗や挫折が付きまとうこととなり、うまくいかないストレスを感じるでしょう。
しかしこれに負けず努力を重ね、乗り越えていくことで部下は成長しますよね。
この「やらねば、でも上手くいかない」といったストレスは成長の材料として必須項目なのです。もちろん無駄なストレスもあります。

例えば意見や考え方の相違、誤解、錯覚といった人間関係のストレスです。
これはもちろん不要ですが、全く何もストレスがないことはやる気が湧いたとしてもその先に成長はなく、結果的に個人も組織もパフォーマンスは上がりません。

よって上司がやるべきことは、ストレスフリーの環境づくりではなく、部下に必要なストレスをかけ続けることで、やる気を引き出し、成長へと導くことなのです。

良い上司の定義を錯覚してはいけません

部下にとって「良い上司」とはどんな上司でしょうか?

「相談に親身になって乗ってくれる」とか「頑張っている姿をいつも見ていてくれる」といった部下にとってモチベーションが下がらない、やる気が湧いてくる上司が「良い上司」だといった声が多く、それにつられて上司側も「良い上司」でありたいと思う為に、例えば遅くまで残って頑張っている姿を褒めるなどして部下のやる気を上げようとします。
しかし、ここに大きな錯覚が生じているのです。

そもそも遅くまで頑張っている姿を褒めることで果たして部下は成長するでしょうか?
おそらく多くの部下は結果よりも経過アピールに走るでしょう。
そしてその経過である頑張りアピールに偏るあまり、当然成長からは遠のいてしまいます。

良い上司とは部下が気持ちの良い状態を保てるようにすることではなく、部下が結果を達成できるよう厳しく管理することなのです。
その結果に辿り着くことに対して部下は自らモチベーションを発揮し、成長していくのです。

まとめ

今回は、個人と組織のパフォーマンスを上げる源泉となるモチベーションの捉え方についていくつかご説明をしました。

  • ストレスフリーの環境に成長はない。必要なストレスがあって初めて正しいモチベーションは発揮される
  • 良い上司の定義を誤り、今の部下にとって良い上司であろうとすることは、部下の成長には繋がらない。厳しくとも部下を成長させることを最優先に管理をしていくことが、個人と組織のパフォーマンスを上げるモチベーション発生の条件となる。

そもそもなぜモチベーションを求めるのか、その意義を正しく理解をした上で、マネジメントに取り組んでいきましょう。

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