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~中途採用に関する調査 転職者編~ 転職後「こんなはずじゃなかった」と感じたことがある人 約7割

「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2022年1月19日(水)~1月20日(木)「中途採用に関する調査」を行いました。
その結果、転職後に「こんなはずではなかった」と感じている人が約7割いることがわかりました。また、転職において後悔・失敗を防ぐため、選考段階では「実際の給与額」「職務内容」「経営状態」を事前に確認した方が良いということがわかりました。

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■調査背景

2~3月は1年で最も求人数が多く、採用・転職活動が活発化する時期です。企業も転職者もいい人材を採用したい、条件や待遇の良い企業に転職したいという思いから互いに自身をよく見せようとすることも多いでしょう。こうした事から、入社後に「こんなはずじゃなかった」とならないために、転職活動においてどういった点に気をつければいいのかを知るために、直近3年以内に転職した方を対象に調査をしました。報道の一資料として、是非ご活用ください。

■調査概要

調査対象:全国の従業員数5人以上300人未満の企業に勤める20歳~59歳の男女で、直近3年以内に転職をしたことがある方
有効回答数:300サンプル(男性222人・女性78人、管理職(候補)として採用された方 100人、
一般社員として採用された方 200人)
調査期間:2022年1月19日(水)~1月20日(木)
調査方法:インターネット調査

■調査結果トピックス

・転職後「こんなはずではなかった」と感じたことがある人 約7割
・「怪しいかもしれない」と感じた転職求人情報の言葉…「幅が広すぎる“給与額応相談”」「アットホームな会社」「ノルマなし」
・「入社後に自分に求められる結果」について、「企業側から説明を受けた」一般社員採用では29.0%、管理職(候補)採用は51.0%と差が。管理職(候補)は「求められる結果について自分から質問した」も47.0%と高い結果に。
・残業なし、休日も規定通りと聞いていたはずなのに…毎日サービス残業、休日稼働させられプライベート崩壊寸前エピソード
・選考段階で確認した方がいいと思うこと「実際の給与額」「職務内容」「経営状態」

Q1. あなたはこれまでに転職で後悔・失敗した経験がありますか。(単数回答、n=300)

直近3年以内に転職した方を対象に、これまで転職で後悔・失敗した経験があるかを聞いたところ、約6割の方が「ある」と回答していることがわかりました。

Q2. これまでに転職で入社してから後悔・失敗したと感じたことをお答えください。(複数回答、n=222)

 Q1「転職で後悔・失敗した経験がある」または「どちらともいえない」と回答した方に「入社してから後悔・失敗したと感じたこと」を聞いたところ、全体1位は「組織の風土・文化が合わない」48.2%で、特に50代は6割近くの57.1%が回答しました。社会人経験が長いことから過去に在籍していた会社の風土・文化と違うと「合わない」と感じる方が多いのかもしれません。2位は「思ったより給与が低い」46.8%となりました。求人情報や面接の段階で想定していたよりも実際の給与が低く後悔・失敗したと感じた方が半数近くいることがわかりました。3位は「上司との人間関係」35.6%でした。

Q3. あなたはこれまでに転職で「こんなはずではなかった(思っていたのと違った)」と感じたことがありますか。(単数回答、n=300)

転職で「こんなはずではなかった(思っていたのと違った)」と感じたことがあるかを聞いたところ、約7割の方が「ある」と回答しており、多くの方が「こんなはずではなかった」と感じていることが明らかになりました。

Q4.これまでに転職で「こんなはずではなかった(思っていたのと違った)」と感じた理由・エピソードをお答えください。自由回答、n=300

●ノルマはないと言われていたがノルマが過剰にあった。(30歳 女性)
●朝礼でのスピーチがマストでパワハラ気質な社風がつらかった。(36歳 男性)
●人間関係が最悪。(50歳 男性)
●職場の雰囲気が悪かった。(34歳 男性)
●会社の組織ができておらず、従業員のまとまりや責任感がない。自分勝手に業務を行うので毎日問題が発生していて、驚きの連続である。(50歳 女性)
●零細企業でコンプライアンスなんて存在しなかった(41歳 女性)
●残業もほぼなく、休日も規定通りある為プライベートも充実することが出来ると言われ入社したが 実際は毎日残業は当たり前、残業手当はなく、休日も会社からの連絡などがありほぼ休みではない。気も休まらず、プライベートも崩壊している。(30歳 女性)

「こんなはずではなかった」と感じたエピソードを聞いたところ、求人情報や選考段階の面接で企業から伝えられたことと、実際に入社し対応業務や組織体制が違うことで「こんなはずではなかった」と感じている方が多いようです。面接では、企業も転職者も互いのいいところをアピールしますが、企業の評判や口コミなどの第三者情報を確認することと、入社後に企業から求められる内容を事前に確認することでミスマッチを防げるかもしれません。

Q5. あなたが転職活動をする際、企業のことを知るために参照した情報をお答えください。(複数回答、n=300)

転職活動をする際、企業のことを知るために参照した情報について聞いたところ、全体では上位3位が「会社のホームページ」60.7%、「会社の採用WEBサイト」26.0%、「会社の評判、口コミサイト」23.7%でした。採用時の想定役職別でみると、管理職(候補)採用の方は「会社の評判、口コミサイト」30.0%、「第三者機関による企業情報・株式情報」17.0%で、一般社員採用の方と比較すると高い割合であることがわかりました。管理職(候補)は一般社員と比べて、企業が自社で発信している情報だけではなく、第三者機関を利用し、多角的に情報収集をしていることがうかがえます。

Q6. 求人情報を見て、これは「怪しいかもしれない(甘い誘い文句だ、裏がありそうだ)」と感じる言葉をお答えください。(複数回答、n=300)

求人情報を見て、これは「怪しいかもしれない(甘い誘い文句だ、裏がありそうだ)」と感じる言葉について聞いたところ、最も多かった回答が「幅が広すぎる“給与額応相談” (400万~1200万など)」40.7%でした。応募者に対し魅力的に見せようと給与額の幅を広く設定していることが、どのような人物を求めているのか不明で、むしろ不安や不信感を募らせているのかもしれません。次いで「アットホームな会社」が36.0%、「ノルマはありません」が34.3%でした。ノルマがない代わりに長時間労働などノルマ以外に課せられるものがありそう…と連想させるのかもしれません。

Q7. 転職活動の際、「入社後に自分に求められる結果」について企業側から説明を受けたことがありますか。また、「入社後に自分に求められる結果」について自分から質問をしたことがありますか。(それぞれ単数回答、n=300)

転職活動の際、「入社後に自分に求められる結果」について企業側から説明を受けたことがあるか聞いたところ、管理職(候補)採用の方では51.0%と半数以上が説明を受けたのに対し、一般社員採用では29.0%の方しか説明を受けていないことが明らかになりました。また、「入社後に自分に求められる結果」について自分から質問をしたことがあるか聞いたところ、管理職(候補)採用では47.0%と約半数が「質問した」と回答していますが、一般社員採用では29.0%にとどまっています。

Q8. 転職経験から、転職において後悔・失敗を防ぐため、もしくは「こんなはずではなかった(思っていたのと違った)」という思いをしないために、選考段階で確認した方が良いと思うことをお答えください。(複数回答、n=300)

転職で後悔・失敗や「こんなはずではなかった」という思いをしないために選考段階で確認した方が良いと思うことを聞くと、全体のTOP3は、「実際の給与額」48.7%、「職務内容」47.7%、「経営状態」44.7%の順でした。採用時の想定役職別にみると、一般社員採用では「職務内容」53.5%が1位で、2位「実際の給与額」50.5%、3位「賞与支給条件」48.5%とお金に関することが続いています。一方、管理職(候補)採用では「実際の給与額」と「経営状態」が同率1位で45.0%、次いで「自分に求められる結果」39.0%でした。Q7で、管理職(候補)として採用された方の47.0%が「入社後に自分に求められる結果」について自分から質問をしたと回答しているのは、一般社員と比べて責任あるポジションであるため、選考段階に企業から求められることを予め確認することでミスマッチを防ごうとしているからかもしれません。

Q9. 転職活動の際、採用担当者に見られるかもしれないと思い自分のSNSアカウント削除・鍵掛け・不都合な投稿削除などをしたことがありますか。(単数回答、n=300)

転職活動の際、自分のSNSアカウント削除・鍵掛け・不都合な投稿削除などをしたことがあるか聞いたところ、管理職(候補)として採用された方では23.0%が「ある」と回答し、一般社員採用の13.5%と比較して約10ポイントの差があることがわかりました。管理職(候補)採用であれば以前勤めた会社で自身が採用に携わった経験があり、応募者のSNSリサーチに関して聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そうした取り組みをしている企業が存在していることを認識して、自らの転職活動時に対策をしたのかもしれません。

Q10. 今後転職するとして、企業選びにおいて魅力的に感じる取り組みや情報をお答えください。(複数回答、n=300)

今後転職する際、企業選びにおいて魅力的に感じる取り組みや情報に関して聞いたところ、全体では1位「福利厚生の充実」42.0%、2位「明確な人事評価制度・給与制度」31.7%となりました。「明確な人事評価制度・給与制度」はこれまでの設問で転職で入社してから後悔・失敗したと感じたことで「思ったより給与が低い」46.8%と半数近くが回答したり、転職で「こんなはずではなかったという思いをしないために選考段階で確認した方が良いと思うこと」の1位が「実際の給与額」であったように、給与に関してモヤモヤすることが多い経験から、人事評価や給与の制度が明確に決められている企業が魅力的に感じるということかもしれません。同率3位は「リモートワーク制度」・「フレックス制度」30.0%、5位は「週休3日制度」28.7%と多様な働き方に関する項目が続く結果となりました。
サンプル数が少ないものの、20代の回答を見ると他の年代とは違った傾向を見せています。「週休3日制度」と「女性社員の子育てに関する休暇や支援制度」が55.0%と半数を超え、また「男性社員の子育てに関する休暇や支援制度」が半数に迫る45.0%となっています。企業側は年代別で採用アプローチ方法を変えるといいかもしれません。

【調査結果まとめ】

甘いキーワードに惑わされてはダメ!
面接では“事実”を確認しにいくことが重要。

「こんなはずではなかった」人間関係や待遇面で起きやすい
本調査において、転職後に後悔・失敗したと感じたこととして上位に入った回答は、「組織の文化・風土が合わない」、「思ったより給与が低い」、「上司との人間関係」、「思ったより残業が多い」といった人間関係や待遇に関する項目でした。特に、給与や福利厚生などの待遇面については、転職において重視される傾向がありますが、それに魅力を感じて入社した人が、期待と現実のギャップに「こんなはずではなかった」と感じるケースが多いのかもしれません。

期待と現実のギャップが発生する理由
この期待と現実のギャップはなぜ発生するのでしょうか?それは、採用者側と転職者側の間に「認識のズレ」が発生するからです。採用する企業は、自社をよく見せようと、あえて曖昧な言葉を使って求人情報を記載することがあります。実際に、本調査においても、「怪しいかもしれない(甘い誘い文句だ、裏がありそうだ)」という求人情報の言葉の上位に、「アットホームな会社」「自由な社風」「やりがいのある仕事」といった、人によって解釈の余地がある“感覚的”な言葉が複数入っていました。解釈の余地があるということは、採用者側と転職者側で認識のズレが発生する可能性があるということです。その認識のズレが「こんなはずではなかった」と感じる原因になります。

―数値事実を取りにいくことが重要
では、認識のズレを防ぐ方法は何でしょうか?ポイントは、数値や事実に基づく情報を取りにいくことです。例えば、求人情報に「結果を出せば昇給」という記載があった場合、「どの仕事でどんな結果を出せばいくら昇給するのか」や「実際にこれまでどれぐらいの人数が昇給したのか」を確認することなどが有効でしょう。もちろん、全ての質問に対して回答してくれるとは限りませんが、企業側として本当に欲しい人材なのであれば、聞かれた事柄に対しては、極力答えようとしてくれると考えられます。逆に、実は採用したい人物像が定まっていなかったり、人事評価制度が整っていなかったりする企業であれば、あまり数値や事実に基づく情報を開示したがらないかもしれません。

―適切な情報を取得し、後悔のない転職を
とはいっても、「面接で待遇面のことを詳しく聞きづらい…」などと思う方も多いと思います。そのような方のためにあるのが、企業の評判・口コミサイトや、第三者機関から出されている企業情報です。本調査でも、転職活動の際に参照した情報としてこれらが上位にランクインしていました。これらに掲載されている情報がすべて正しいとは限りませんが、情報収集の一環として適切に活用すれば、後悔の少ない転職ができる可能性が高まると考えられます。

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