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【鬼滅の刃】伊黒小芭内とは?柱になれた理由をマネジメントの視点から解説!

昨年大ヒットを記録し、2022年にもアニメの続編が放送されている「鬼滅の刃」。週刊少年ジャンプにて連載された、吾峠呼世晴先生による作品です。

主人公陣営の中には、鬼を滅ぼすことを目的として組織された「鬼殺隊」に属し、圧倒的な戦力を誇る「柱」が登場しますが、今回取り上げる伊黒小芭内もそのひとり。

鬼滅の刃に登場する人物の中でも「性格に難あり」といわれている伊黒がなぜ柱になれたのか、マネジメントの観点から見ていきましょう。

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鬼滅の刃とは?

※本記事はネタバレを含みます。

漫画作品だけでなく、アニメや映画など、連載終了後もまだまだ人気が衰えない「鬼滅の刃」。

本作品の主人公「炭治郎」は田舎の一軒家に住む6人兄弟の長男。慎ましくも幸せな生活を送っていました。

物語は一家が鬼に襲撃されるところから幕を開けます。炭を売りに街へ出ていた炭治郎は「今日は鬼が出るから泊まっていきなさい」と知り合いに声をかけられ、その晩は自宅に帰ることを取りやめました。

翌朝、戻ってみると家族は鬼に殺されていて、かろうじて生き残った妹の禰豆子も鬼に変えられてしまっていました。そんな妹を人間に戻すための手がかりを探しに、炭治郎は鬼の頭領「鬼舞辻無惨」を探す旅に出るのです。

伊黒小芭内の初登場は、炭治郎が、隊律に基づけば本来殺すべきはずの、鬼である禰豆子を連れていたことがバレた後の柱会議のシーン。木の上からネチネチと悪態をつくオッドアイの男性、それが伊黒小芭内でした。

鬼滅の刃はなぜ日本でヒットしたのか?

「鬼滅の刃」は個性溢れるキャラクターたちが魅力のひとつです。主人公の炭治郎とともに行動する善逸、伊之助や、鬼殺隊の最高戦力である「柱」たちなど、魅力的なキャラクターが登場します。

誰が読んでも「好きなキャラクター」を見つけやすく、感情移入をしやすいことが鬼滅の刃の特徴と言えるでしょう。

また、鬼殺隊のストーリーは、何者でもなかったひとりの主人公が成長して諸悪の根源を滅する物語。

ジャンプの王道的な「正義」VS「悪」の構図をわかりやすく継承しながらも、実は「悪」にも壮絶な過去があったという大人を泣かすストーリーでもあります。

上記のように、わかりやすくも深く楽しめることが、「鬼滅の刃」のヒットの理由です。

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鬼滅の刃が日本社会に伝えたもの

「鬼滅の刃」は、私たちに作品を通して「有限の美しさ」を教えてくれます。

主人公たちと敵対する鬼たちは、圧倒的な力とほぼ不老不死に近い能力を得ることができます。しかし、力を手に入れる一方で、人間的な生き方はできなくなり、人を襲って喰らうようになるのです。

人は限られた命と力を使って鬼たちを食い止め、未来のためにより良い社会を作ろうとします。圧倒的な戦力を前に、制限された命の中で信念を通す登場人物たちの姿に、感銘を受けた人は多いでしょう。

特に、無限列車編で「煉獄杏寿郎」が発した「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」というセリフは、読者に対して伝えたいことが秘められているように感じます。

厳しさの裏に優しさを兼ね備えた人物「伊黒小芭内」

「鬼滅の刃」では、「鬼殺隊」と呼ばれる鬼を殺すための隊が編成されています。その中で最も強い剣士を集めたリーダー格が「柱」と呼ばれる存在です。「柱」に求められるのは、プレイヤーとしての能力と、マネジメント能力です。

その中でもネチネチと悪態をつく伊黒小芭内を見て、嫌な上司だなと思った方も多かったのではないでしょうか。

ところが物語が進むと一転、伊黒小芭内からは厳しさと優しさが垣間見え、人の上に立つ人物のあり方を学ぶことができます。

ここからは、伊黒小芭内の情報について具体的に紐解いていきましょう。

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伊黒小芭内とは?

誕生日 9月15日
年齢 21歳
身長 162cm
体重 53kg
出身地 東京府八丈島八丈富士
声優 鈴村 健一

伊黒小芭内は、鬼滅の刃の味方陣営の中でも高い戦闘能力を秘める「柱」のひとりです。常に白蛇の鏑丸(かぶらまる)を連れており、目はオッドアイであるため、個性的な柱の中でも特に目立つ風貌をしています。

伊黒小芭内は「蛇柱」と呼ばれていますが、性格も蛇のようにネチネチとしており、人を見下すような発言が多く見受けられることが特徴です。

一方で、実力を認めた仲間に対しては相応の信頼を置いており、煉獄杏寿郎の訃報に対しては「信じない」との発言も。一見、蛇のような冷たさを感じますが、裏では人を思いやっているところが伊黒小芭内の魅力です。

鬼殺隊における伊黒小芭内の役割

鬼殺隊と聞くと、伊黒小芭内以外にも「煉󠄁獄杏寿郎」「胡蝶しのぶ」などの柱を想像する方もいらっしゃるでしょう。

例えば、煉󠄁獄杏寿郎であれば自身の掲げる「正義・ビジョン」を信じて突き進み続ける性質、胡蝶しのぶはその卓越した部下育成能力などが、役割として挙げられます。

その中で、伊黒小芭内は以下のような役割を負っていました。

  • 厳しい目標設定で部下を成長させる
  • 広い視野で周囲を把握する

戦場においては胡蝶しのぶも聡明な判断が出来ていましたが、実戦中に周囲を冷静に確認し、戦えていたのは伊黒小芭内も同様です。

鬼殺隊において伊黒小芭内は、冷静だからこそ俯瞰的に物事を見る役割を全うできたのかもしれません。

伊黒小芭内の過去と口を隠す理由

伊黒小芭内は「八丈島」という場所が出身地ですが、そこには悲しい過去があります。

赤ん坊を「蛇鬼」と呼ばれる鬼に食わせる代わりに、他の人間から金品を奪ってもらう。

そんな契約をしていたのが伊黒小芭内の家系です。

本来生まれたらすぐに食べられるはずだった伊黒小芭内が暫く生き存えたのは、伊黒小芭内が約360年ぶりに生まれた男で、オッドアイという珍しい目をしていたからです。

生まれてすぐに殺されずに済んだ伊黒小芭内でしたが、蛇鬼の「口の形を揃えたい」という要望により伊黒の口は切り裂かれることになります。そしてこの切り裂かれた口が、伊黒が顔を隠す理由です。

最終的には、当時の「炎柱(煉獄槇寿郎だと推定される)※」に助けられ、伊黒は蛇鬼の元から脱出することになるのです。

※煉獄槇寿郎は煉獄杏寿郎の父、元炎柱

甘露寺蜜璃とは両思い

伊黒小芭内は、柱のひとりである「甘露寺蜜璃」に一目惚れしており、恋心を抱いています。

普段はネチネチした性格の伊黒ですが、甘露寺と共に食事に行く際には優しい顔を見せるほど、甘露寺に惚れていました。

甘露寺も同様に伊黒を好いていましたが、物語の最後までお互いに想いを打ち明けることはありません。

伊黒が甘露寺に想いを伝えられなかったのは、伊黒の壮絶な過去が起因しています。

「忌まわしい一族に生まれ、顔に傷がある自分は、天真爛漫な甘露寺に相応しくない」と考えていた伊黒。

死に際にやっと告白ができた二人ですが、その後の未来(子孫や生まれ変わりたち)を描いた最終巻では一緒に定食屋を営んでいます。このため、転生後の世界では幸せに過ごせたのかもしれません。

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伊黒小芭内の武器と戦い方

伊黒小芭内は他の柱たちが使う刀身とは異なり、蛇のような太刀を使います。

ここからは、伊黒小芭内のプレイヤーとしての力量を把握するために、武器と戦い方を確認しましょう。

日輪刀と呼吸が特殊

伊黒の日輪刀は、一般的な刀と違って蛇のようにウネウネした形状をしており、伊黒だけが使える刀になっています。

刀の形状から、普通の鞘では対応できないため、開く鞘を使っているようです。作者の吾峠呼世晴さんいわく「普通に抜くのはマジムリ」とのこと。

また、伊黒は「蛇柱」と呼ばれるだけあって、伊黒しか扱えない「蛇の呼吸」を使用します。蛇の呼吸は「水の呼吸」から派生したもので、刀の軌道が読みづらいことが特徴です。

伊黒小芭内の技は作中でも最強クラス

他の隊員と比較しても戦闘描写が少ない伊黒ですが、彼が放った技は下弦レベルの鬼を一掃し、敵のボスである「無惨」にダメージを与えて足止めしています。

プロフィールを見ると、どちらかと言えば華奢な体格で、特異体質のような戦闘に有利な特徴などもありません。

むしろオッドアイで先天的に片目がほとんど見えないハンディキャップを負っています。

しかしそれでも無惨の足止めに貢献できたのは、伊黒小芭内が卓越した技術を持っていたからに他なりません。

異様な曲がり方をするその刀身から繰り出される「蛇の呼吸弐ノ型:狭頭の毒牙」「蛇の呼吸五ノ型:婉婉長蛇」は他の柱に見劣りすることはなく、むしろ柱の中でも最強クラスと言っても過言ではない程の多彩な技で、敵を翻弄しました。

伊黒小芭内に学ぶマネジメント術

柱として鬼の討伐を目指す伊黒小芭内の姿からは、マネジメント層が参考にするべきことがわかります。伊黒の行動やエピソードから、具体的に解説していきます。

【伊黒小芭内のマネジメント術①】視野を広くもつ

伊黒小芭内は、普段から人をなかなか信用しない人物です。しかし、人を簡単に信用しないことは、「冷静な判断力を持っている」ともいえます。

実際、甘露寺が上弦の肆である鳴女に対して猛進したときは「相手の能力がわからないうちはよく見てよく考えて冷静にいこう」と助言し、周囲を確認しながら戦っています。

マネジメントにおいては、視野を広く持ち部下に指示を出す姿勢が求められます。

伊黒小芭内は物事を俯瞰的に見る視点が身についていたため、適切な指示が出せていたと考えられます。

【伊黒小芭内のマネジメント術②】裏では仲間のことを考えている

伊黒は表立って人を褒めることが少ないですが、実は裏側では仲間のことを考えています。

伊黒は無惨との戦いでは、持ち前の広い視野で、主人公である「炭治郎」を守りながら戦っていました。

伊黒が大きな傷を受けてしまった際、炭治郎から「俺を庇ったせいで!」と言われますが、間髪入れずに「違う!もっと前にやられた」と反論します。

炭治郎が自分を責めることを見越して、即座に責任がないことを示すのは、仲間思いの証拠です。

伊黒のように、ときには不利益を被ってでも仲間を優先する「心強さ」を示せるマネージャーこそ、部下や上司から信頼されるのです。

【伊黒小芭内のマネジメント術③】目標のために厳しい課題を設定する

柱たちが部下に行う「柱稽古」では、それぞれが難しい課題を設定しますが、伊黒はその中でも特に厳しい課題設定を設けていました。

伊黒の柱稽古は「隊員を縛って障害物にし、当てないようにしながら自分自身と打ち合いをする」というものです。

炭治郎は、仲間に攻撃しないように打ち込んでいるうちに太刀筋が矯正され、最後には伊黒に刀を当てることができました。

伊黒の稽古は、ハードルが高いものでしたが、「鬼を滅ぼす」という目標をブラさずに、厳しい課題を設定したのは伊黒なりの優しさなのかもしれません。

部下がどこに行っても活躍できるように育てるのは、上司の役割です。

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伊黒小芭内の名言から学ぶ「マネジメント」

鬼滅の刃には、数多くの名言が存在しますが、伊黒も鬼殺隊のマネージャーとして名言を残しています。

人を導くために参考になるものもありますが、中には反面教師にするべき名言もあります。

それぞれどのようなセリフなのか詳しく確認していきましょう。

「二人なら出来る!!」

時には、部下の士気を高めやる気を引き出すのがマネジメントにおいては大切です。

伊黒は、炭治郎が甘露寺と仲が良いことを根に持っており、一方的に嫌っています。しかし、最後には炭治郎とペアになって無惨を追い詰めました。

無惨を逃亡させてしまえば、全ての努力が消えてしまうため、伊黒は炭治郎に「二人なら出来る!!」と呼びかけ炭治郎と足止めをしました。

炭治郎は伊黒の発言に呼応し、無惨への攻撃を続けますが、伊黒からの激励が精神的支柱になったのは間違いありません。

上司が部下を認めることで、部下が最大限力を発揮することがわかるシーンです。

「褒めてやってもいい」

素直になれないと、時に組織の信頼関係を壊すことがあります

左手と左目を失い、満身創痍になりながらも上弦の陸を倒した宇随天元に対して、伊黒は上から目線で「褒めてやってもいい」と発言します。

しかし実際は、もう少し伊黒が早く来れていたら天元はここまで追い込まれなかっただろう、というシーンでもあります。

既に互いに関係性がある宇随天元だったからよかったものの、仕事に遅れてきた伊黒が上から目線で接してしまえば、部下、同僚にかかわらず不満を覚えることは間違いありません。

伊黒の冷静な判断力は戦況において役に立ちますが「素直になれない不器用さ」は、組織においてマイナスなポイントです。

部下や同期が何かを成し遂げた場合、伊黒のように上から目線で発言するのではなく、ストレートに褒めることも大切です。

伊黒小芭内から学ぶ|中間管理職が部下にすべきこと

伊黒小芭内は、鬼殺隊の隊員としては優秀ですが、組織のマネージャーとしては能力が足りない部分も多く見受けられます。最後に、伊黒小芭内から学ぶことができる中間管理職のあり方を解説します。

  • 成果に対して素直に褒める
  • 部下への信頼を言葉で伝える
  • 時には目標達成のために試練を与える

それぞれの項目について、具体的に解説していきます。

成果に対して素直に褒める

人は批判されるよりも、褒められることで自分の役割を認識し能力を伸ばしていくため、マネージャーとして人を導くのであれば、部下の成果を素直に褒めることが大切です。

部下の成果を妬み良しとしない上司は、部下からの信頼を勝ち取ることはできません。

良い成果を残した部下に対しては、そのプロセスにおいてもポジティブなフィードバックを与え、部下自身の中で成長実感や達成感を味あわせてあげることが、部下のモチベーションに繋がるでしょう。

部下への信頼を言葉で伝える

部下からの信頼を獲得するには、まずこちらから信頼している旨を伝える必要があります。

疑心暗鬼のまま一緒に仕事をしていても、お互いに100%の力は発揮できないうえ、他のチームにまで支障が出る可能性は否めません。

他者からの期待を受けることで、学習、作業の効率が上がることをピグマリオン効果と呼びますが、時には部下に対し「君ならできる」という信頼の言葉を与え、仕事に奮起させる能力も上司には求められます。

時には目標達成のために試練を与える

部下の成長を考え、時には厳しい試練を与えることも上司の役割です。部下が成長できるように適切な目標を設定することで、部下は目の前の試練に全力で取り組むことができます。

部下をただ甘やかすことは、部下にとっても上司にとってもデメリットになるだけでなく、ひいては組織に損害をもたらすと認識しておきましょう。

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注意:伊黒小芭内の不器用さは現代社会では弊害になる可能性も

伊黒小芭内は鬼殺隊において優秀な人材である一方で、不器用さが仇になっているところがあります。

人は全員が完璧ではないので仕方のないことではありますが、あまりにも不器用すぎると、組織の中では生きづらくなってしまうことがあります。

上司として伊黒のような優秀な部下の扱いに困っている場合は、結果だけを求めて、プロセスは評価しないという姿勢を取ることも時には必要です。

協力して仕事をすることが苦手な部下は、個人で作業させることが結果的に良い成果を出すことがあるからです。

まとめ

伊黒小芭内は鬼殺隊の一員として、最愛の人「甘露寺」と共に無惨に立ち向かい最後を迎えることになります。

少しひねくれた性格ですが、人を想う優しさや、周囲をよく見て行動する姿からは、私たちビジネスパーソンも学べることがあるのではないでしょうか。

人間は完璧ではありません

しかし、その弱点を打ち消すほどの強みがあれば、人はその強みを活かして行動することができます。

伊黒小芭内の広い視野と厳しいながらに優しい部下育成。プレイヤーとしての能力だけでなく、こうしたマネジメント能力があったからこそ、伊黒は柱として選出されたのではないでしょうか。

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