リーダーになると昇進のタイミングや新年、期の始まりといったタイミングで社員やメンバーの前で決意表明をすることがあります。決意表明は自身のリーダーシップをメンバーに感じてもらうのに適したタイミングのため、ポイントを押さえて行いましょう。
本記事では決意表明文の作り方や例文、成功に導く4つのポイントについて解説します。
目次
決意表明とは?
ビジネスおける決意表明とは、業務に対する自分の考え方や方針、目標達成のために今後どのように行動するかなどを表明するものです。
一般的に新入社員は内定式や入社式で決意表明を求められます。しかし、決意表明を求められるのは新入社員だけではありません。
一般社員や管理職の方であっても昇格したタイミングや仕事始めの新年度や新しい部署に配属されたタイミングなどで社員の前で決意表明を求められることがあります。
【シチュエーション別】決意表明文の作り方
一般社員や管理職が決意表明をする機会として、次の場面が挙げられます。
- 昇進時
- 新年・期初め
決意表明は、周囲に自分のリーダーシップを伝えるのに適した機会です。横柄な態度、上から目線の態度、一人よがりの内容ではリーダーシップを伝えられません。シチュエーションごとにポイントを押さえて決意表明文を考えましょう。
また決意表明文は自分の言葉で述べていないと、テンプレートのように感じられてしまい不自然で心に響かない表明になってしまいます。メンバーが違和感を覚えてしまうとリーダーシップを発揮しにくいです。
昇進時
昇進時の決意表明では、次のポイントを意識しましょう。
- 感謝の気持ちは上司と部下どちらにも伝える
- 謙虚さを出しつつも、前向きな内容にする
昇進は喜ばしいことですが、昇進できたのは自分一人の成果ではありません。さまざまな経験を積ませてもらったことで昇進にたどり着いたのです。
そのため、感謝の気持ちを持って決意表明に臨む必要があります。また昇進したからといって、態度を変えてしまうことも今後の求心力に影響しかねないため、謙虚さを大切にしましょう。
上司と部下の両方に感謝の気持ちを伝える
昇進したことに対しての感謝は上司だけでなく同僚、部下にも伝えます。自身の昇進は上司を含む周囲のサポートがあってのものです。周囲の人への感謝をしっかりと伝えましょう。
謙虚さを出しつつ前向きな内容にする
昇進したことに慢心していると、部下はもちろん上司も不快に感じてしまうかもしれません。謙虚さを出しつつ、同時に今後仕事においてどのようになっていきたいかという前向きな内容を盛り込んでください。
昇進時の決意表明 例文
上司、部下それぞれへの感謝、謙虚かつ前向きな内容という点を踏まえ、昇進時の決意表明は以下のような例文が挙げられます。ただし例文はあくまで参考程度に、自分の気持ちや目標を具体的に伝えるようにしましょう。
このたび、〇〇〇部〇〇長に任命されました〇〇〇〇です。 私がこのような役職に就けましたのは、周りの方々のおかげです。これまでは与えられてばかりでしたが、今後は〇〇長として、ともに働くみなさまに、素晴らしいチャンスやきっかけを提供できるように努力してまいります。 まだまだ未熟ですが、精一杯努力してまいりますので、どうかお力添えを賜りますようお願い申し上げます。 |
このたび、〇〇〇部〇長を拝命いたしました〇〇〇〇〇です。 このたびの人事については、大変名誉なことであると考えています。このような大役を賜ったのは、入社時から絶え間ないご指導をいただきました諸先輩方と、〇〇課のみなさまのサポートの賜物です。 これまで培ってきた経験を活かして、これからは〇〇長としてみなさまに満足いただける環境や機会を提供できる存在になっていかなければと決意しております。 まだ力不足なところはございますが、精一杯精進してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。 |
新年・期初め
新年や期初めにおける決意表明では、次のポイントを意識しましょう。
- 組織や環境の変化に触れる
- 目標達成への意欲を伝える
新年や期初めは新たなスタートを切るタイミングです。そのため、目標達成の意欲をしっかりと伝えることが大切です。
組織や環境の変化に触れる
新年や期初めの決意表明では、組織や環境の変化に触れます。特に環境の変化に触れることで決意表明に客観性が生まれます。環境の変化によって自社や自分の所属しているチームがどう変化したかという点も触れましょう。
組織や環境の変化について触れる際は、自分の思い込みで決意表明を述べないことが大切です。思い込みではなく冷静な視点で検討するためにも、気になる点や書いた内容を周囲に確認してもらうのがおすすめです。
目標達成への意欲を伝える
新年、新しい期を迎えるにあたって、目標を達成する意欲を伝えるようにしましょう。前年、前期が好調であったのであれば、より業績を発展させることを伝えます。
一方で前年、前期が芳しくなかった場合は反省点とリカバリーするという姿勢を見せましょう。
目標達成への意欲を伝える際は精神論のように努力を強調する、数値目標を高らかに宣言するといったことは避けるのが無難です。具体的な戦略を簡単に盛り込む程度に留めておきます。
新年・期始めの決意表明 例文
新年・期始めの決意表明は前年もしくは前期の業績が良かった場合、芳しくなかった場合で異なります。それぞれの例文を紹介します。
<前年(前期)の業績が良かった場合 昨年(前期)は業界全体が不況の影響を受けましたが、当社は目標を達成することができました。目標を達成できたのも、ひとえに〇〇部のみなさまの努力の賜物です。 本年(今期)は当社をより発展させて、みなさまによりご満足いただくために、市場をさらに拡大させる業務を推進したいと思います。みなさま、どうかさらなるご協力をお願いします。 |
<前年(前期)の業績が芳しくなかった場合> 業界全体が不況の影響を受け、私の力不足により昨年(前期)は当社にとっては厳しい一年(期)でした。 本年(今期)はその教訓を十分に生かして、〇〇の新規開拓にまい進し、〇〇〇〇部さらには当社の発展に最善を尽くしてまいりますので、ぜひともみなさま今後もお力添えをお願いします。 |
決意表明を成功させる4つのポイント
決意表明を成功させるためには次の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 明るくゆっくりとしたペースで話す
- 丁寧な言葉遣いで話す
- 簡潔にまとめる
- 事前に練習をする
決意表明はリーダーシップを周囲に伝える重要な機会です。組織やチームのメンバーに「この人についていきたい」と感じてもらえるように、話すペースや言葉遣い、決意表明の長さなどを意識しましょう。
また、事前に練習して本番に臨むことも大切です。ここからは4つのポイントについて詳しく紹介します。
1. 明るくゆっくりとしたペースで話す
決意表明は明るくゆっくりとしたペースで話しましょう。明るくゆっくりと話すことで、周囲に好印象を与えられます。反対に暗いトーンや早口だと、何を話しているのか周囲が理解できないかもしれません。
周囲に好印象を与えるには、姿勢や身なりにも注意が必要です。清潔感のある身なりで背筋を伸ばし、前を向いて話すことを心掛けましょう。うつむいて話してしまうと、リーダーとしては頼りなく映ってしまう可能性があります。
2. 丁寧な言葉遣いで話す
決意表明は、上司や経営陣が耳にする可能性があります。そのため、誰が聞いても問題のない丁寧な言葉遣いで話すようにしましょう。フランクな言葉遣いで決意表明をしてしまうと、リーダーとしての資質を疑われかねません。
丁寧な言葉遣いで話すためにも、事前に謙譲語や尊敬語、丁寧語について把握しておくのがおすすめです。また熟語を使用する場合も、誤った使い方をしないように注意しましょう。
なお丁寧な言葉遣いに加えて、卑屈な言葉は使わないこともポイントです。ポジティブな言葉を使うこともリーダーシップを感じられる決意表明のポイントです。
3. 簡潔にまとめる
決意表明は全社会や部署での朝礼で行われることが一般的です。参加している社員の時間を割いていることを理解しておきましょう。決意表明が冗長にならないためにも、言いたいことをただ述べるのではなく、簡潔にまとめた上で伝えるのがポイントです。
特に昇進は喜ばしい出来事のため、伝えたいことが増えてしまうかもしれませんが、社内には業務が忙しい人もいます。言いたいことを全て詰め込むのは避けましょう。
4. 事前に練習をする
決意表明文が完成したら事前に練習をしておきましょう。背筋を伸ばして明るくゆっくりと話せているか、文章は簡潔にまとまっているかなどを事前の練習で確認します。
企業の規模や役職によっては、大勢の前で決意表明をしなければならないかもしれません。大勢の前で話すのは緊張しますが、間違わないようにと意識してしまうと余計にミスしてしまう可能性があります。
事前に練習をして緊張感を和らげておきましょう。可能であれば家族や同僚など、人前で練習をするのがおすすめです。文章に変な言い回しや表現がないかも確認してもらいましょう。
ポイントを意識して場面に合わせた決意表明を
ビジネスにおける決意表明とは、業務に対する自分の考え方や方針、目標などを伝えることです。一般社員や管理職が決意表明をする機会は昇進のタイミングや新年・期初めであることが多いです。
決意表明をする際は声のトーンやスピード、話しの長さ、言葉遣いなどに注意しましょう。しっかりと決意表明を行えば、周囲にリーダーシップを伝える良い機会になります。
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