採用活動を行っているものの、いい人材を確保できない、募集が集まらないなど、「採用がうまくいかない」と嘆いている人事担当者も多いでしょう。
しかし、採用戦略を立て直せば成功確率を高めることは可能です。
この記事では、採用戦略の成功事例や成功のポイントを解説します。
また、失敗する場合の注意点も紹介しているので、自社の現在の取り組みと併せて読み進めれば、改善点が明確になるでしょう。
目次
採用戦略の成功事例4選
採用戦略の成功事例を4社分紹介します。
- ディップ株式会社
- 株式会社TBM
- キャディ株式会社
- 株式会社アンドパッド
成功の基準は企業によりますが、他社の事例は自社の戦略を見直すきっかけになるでしょう。
ひとつずつ内容を紹介していくので、自社に取り入れられる取り組みがないか、ご覧ください。
関連記事:採用広告の成功事例を解説|特徴や種類から見える傾向とは?
ディップ株式会社
人材サービスとDXサービスを軸として、企業の成長をサポートしているのがディップ株式会社です。
コロナ禍でも2,000名以上の応募を獲得し、内定や卒新採用につなげました。
具体的な取り組みは以下の通りです。
- オウンドメディアの運営
- 求人サイトへのストーリー投稿
- 発信力を高めて求職者に直接アプローチ
- 活発なスカウトや選考過程でリモートインターンを長期間実施
- 求職者に対するアクションとお互いの希望のすり合わせを重点的に実施
上記の対策により、採用戦略を成功させました。
株式会社TBM
紙とプラスチックの代替素材として石灰石を原料とした「LIMEX」に代表される新素材メーカーで、世界で活躍するためのサステナビリティ(持続可能性)を体現しています。
具体的な取り組みとしては、社内向けの採用マニュアルを以下の通り整備しました。
- 評価基準や質問項目を統一
- 属人的な部分を排除
- 面接官のスキルやオペレーション精度の向上
結果として、3ヶ月で新卒採用数11名(内定承諾率9割以上)の新卒採用につなげました。
キャディ株式会社
キャディ株式会社は、板金をはじめとした加工品の製作で注目されているスタートアップ企業です。
独自に開発したシステムを活用して、企業規模を拡大しています。
リファラル採用を文化として根付かせた結果、社内に共通認識が形成され、外部に頼らない活発な採用活動ができる環境を作ることに成功しました。
その上で、求職者が欲しい情報に簡単にアクセスできるようWebサイトを最適化して、興味を持った人に的確な訴求を実現しています。
単に良い内容ばかりを書くのではなく「課題はたくさんあるからあなたの力が必要だ」と、余白を残してコンテンツを作っているのが特徴です。
株式会社アンドパッド
建築・建設に特化し、現場や経営の効率化・改善が一元管理できるサービスを提供した、株式会社アンドパッドも採用戦略を成功させた1社です。
外部に頼るのではなく、求職者へのアクションを社内で賄う選択をしました。
結果として、希望に沿った人材採用の確率を上げ、量より質のリファラル採用を進めています。
また、リファラル採用の候補者だけに採用候補対象を絞らず、常に母数を確保するために、広く認知されるような広報戦略も並行して進めたことが成功の鍵となりました。
事例から学ぶ採用戦略の成功と失敗の理由
採用戦略成功事例を参考に、なぜ成功したのかを失敗の理由とともに深掘りします。
なぜ成功したのか
成功の鍵として挙げられるのは、以下2点です。
- 人事戦略との一貫性があった
- PDCAによる効果検証をした
いずれの取り組みも、人事担当者だけではなし得ない取り組みです。
人事戦略との一貫性があった
採用戦略と人事戦略は、人材の採用や活躍できる場などを作るために双璧をなす取り組みです。
この2つの連携が取れず、バラバラでは方向が定まりません。
まず人事戦略は、人材の育成・配置など人事にまつわる広い業務を通して、生産性を向上させるのが目的です。
一方の採用戦略は、自社が求めている人材を獲得することを目的としています。
重なるところがあるからこそ、まずは同じ方向で採用を進められるように2つの戦略をすり合わせることが必要です。
PDCAによる効果検証をした
戦略を立てて運用していく中で、振り返りや改善は重要です。
以下の内容を半期、遅くとも年度ごとに振り返り、効果を検証しましょう。
- 何がよかったのか(よくなかったのか)
- どういう効果があったのか(なかったのか)
- 応募者や内定者の数の推移はどうか
- 入社後どのような活躍をしたか
- 早い段階で離職していないか
採用において募集から入社後の活躍までを細かく分類し、次年度に生かせるようにPDCAを回すと採用戦略の精度は向上します。
関連記事:効果的なPDCAとは?失敗要因やデメリット、対策方法を解説
なぜ失敗したのか
きっちり戦略を練っていたにもかかわらず、失敗してしまった場合は、改善すべき点があると言えるでしょう。
どのような可能性が考えられるのか、2つのポイントに絞って紹介します。
面接回数が多く連絡も遅かった
求人に応募した以上、早く結果が知りたいと思うのは求職者の自然な反応です。
採用の過程ごとに考えると、初回の面接は、モチベーションが高い状態で臨んでいるのが一般的でしょう。
しかし、二次面接、役員面接と複数回面接が必要な場合、回を重ねるごとにモチベーションが下がり、入社意欲がなくなってしまう可能性もあります。
しっかりと見極めたい企業側の意図は理解できますが、応募者の気持ちになって立つことも重要です。
また、面接後の結果連絡もスムーズにしましょう。
連絡が遅くなればなるほど応募者の不安が募り、ほかの企業に流れてしまうかもしれません。
細かな気遣いではありますが、求職者の気持ちに立って考える視点を持ちましょう。
採用条件が曖昧だった
たとえ大量の応募者にアプローチできても、採用条件を厳しく設定しすぎたり、採用のための条件が曖昧だったりすると、応募者は増えず人材確保は難しいままです。
入社した後のメリットがわからない、採用条件が何かわからないといった印象を与えてしまうと、自分とマッチしているか判断できずに、応募を見送る人が増えてしまいます。
自分のスキルや希望と一致すると思ってもらえるように、明確な書き方、伝え方を心がけましょう。
採用戦略を成功事例とするために必要な4つのこと
採用戦略を成功事例とするために、どのようなアクションを起こしていくのか、以下の重要ポイントを具体的に紹介します。
- 採用手法の確定
- 募集活動
- 選考
- 内定・入社フォロー
採用手法の確定
適切な採用手法が設定できるかどうかは、自社が希望する人材獲得の成功に大きく影響します。
採用戦略で設計した具体的な人物像のイメージを踏まえ、求めている人材が見ているであろう媒体を使ってアプローチをかけましょう。
求人広告やエージェントはもちろん、リファラル採用の活用もおすすめです。
関連記事:リファラル採用の目的と重要なポイントとは?費用や実施方法も解説
募集活動
多くの企業の募集を目にする求職者に、的確に伝わるような募集要項を策定しましょう。
具体的には、求めるスキルや経験を「必須」と「あれば嬉しい」に分けて記載し、読み手に入社後のイメージを持ってもらうことが重要です。
同様に、どのような会社であるかを明示するのも大切です。
例えば、組織や会社が目指しているビジョンや掲げているミッションが、初めて見た求職者にもわかりやすい表現や伝え方にできているか確認しましょう。
すると会社のストーリーや雰囲気がイメージしやすくなり、良い採用に結びつきます。
選考
応募者の緊張を解く意味でも、カジュアル面談の形式をとって、柔軟な対応を取りましょう。
ざっくばらんに情報交換ができれば、人柄や本質を見出しやすくなります。
さらに、自社のアピールや入社後のミスマッチ防止にも有効です。
また、評価基準が明確になっていれば、面接官が誰であっても同じように対応ができます。
属人的な業務にならないための配慮としても重要なポイントです。
内定・入社フォロー
面接が終わった後は、スムーズな連絡を心がけましょう。
選考中や内定後の的確なフォローは、応募者の辞退を防ぐ意味でも効果的です。
面接で感じた疑問や不安を吸い上げて適宜解消するためにも、求められた情報を開示できると印象がよくなります。
誠意を持って対応すれば会社の信頼度が上がり、入社に向けてモチベーションも向上します。
採用戦略の注意点
採用戦略を進める上で、次の2点には注意しましょう。
- 採用戦略を社内全体で共有する
- 人事のリソースを確認する
採用戦略を社内全体で共有する
採用活動を効果的に実行するためにも、人材を欲している各部署での必要要件をすり合わせて、会社として連携しておくことが大切です。
策定した採用戦略は社内全体で共有しましょう。
採用活動前に共通認識が持てれば、部署に適した人材採用が行えるようになります。
人事のリソースを確認する
採用戦略を実行するためには、採用を担当する人事担当者のリソース確保が必要です。
応募者の選定から面接、アフターフォローなど、多くの作業が発生するため、業務が整理できなければ全てが後手に回ってしまいかねません。
社内だけで対応が難しい場合は、現行業務の一部をアウトソーシングし、採用業務に集中できる環境を作る取り組みも重要です。
まとめ
「採用戦略」といっても、さまざまな背景・課題があります。
成功事例から見る成功のポイントと、予測される失敗の可能性を踏まえ、現実的な戦略を策定してスムーズに進めるようにしましょう。
採用によって獲得した人材は、会社の未来を切り拓く原動力になる可能性を秘めています。
会社として共通認識を持ち、一丸となった取り組みが重要です。