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ファーストペンギンになるためには

昨年大ヒットしたドラマ『ファーストペンギン』。

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ファーストペンギンとは

まず「ファーストペンギン」の意味から整理していきましょう。「ファーストペンギン」とは、ペンギンの集団のなかから最初に餌を求めて海に飛び込む一羽を指します。

ペンギンの群れには、サルやオオカミなどの群れに存在するリーダーがいません。

ペンギンは「他のペンギンに追従する」という習性に基づき集団を形成しています。

よって、全てのペンギンが受け身となります。誰も自ら積極的に行動しようとするペンギンはいないのです。隣のペンギンの顔色を窺い、皆と同じ行動をしようと心がけます。

しかし、ファーストペンギンは、リスクを冒して餌を取りにいく勇気のある一羽なのです。この姿に、ベンチャー企業で挑戦を続けていく経営者の姿を重ね、起業家精神を持った人をファーストペンギンと例えるようになりました。

ファーストペンギンは、皆と同じである方が安全だという前提がありながらも、誰かの指示を受けたわけではなく、自らの意思でリスクを負いながらチャレンジした人、いわば本能的な習性を打ち破ることができた人(ペンギン)なのです。

ファーストペンギンのメリットとデメリット

この勇気を持ったファーストペンギンは誰よりも早く海に飛び込むことができるので、より多くの餌、つまり先行者利益を獲得することができます。

ライバルもいないので、注目度も高まります。

スティーブ・ジョブズ、ビルゲイツ、イーロンマスク、孫正義、三木谷浩史などは、自ら市場を開拓することによって莫大な資産を築き上げたファーストペンギンの象徴とも言える人々でしょう。

一方、メリットもあればデメリットも存在します。参考事例はないため失敗のリスクも高く、それにより甚大な損失を被る可能性も高くなります。一概にファーストペンギンになればよいとは言えません。

ただ、少なからずファーストペンギンマインドを持つことは必要です。なぜなら、誰かと同じでは永遠に勝つことはできないからです。

スポーツに例えると分かりやすいですが、勝つことができるのは一人もしくは1チームだけ。勝つ人(チーム)は唯一無二の存在であり、他の全ての人(チーム)とは異なっています。勝利とは、誰かとは違う何かにチャレンジした者だけが手に入れられるものなのです。

もちろん社会においては自分だけ勝利することだけが全てではないでしょう。他者と協力し、全ての人が利益を得られるようなWin-Winの関係を築くことももちろん重要です。

しかし、時には組織を置いてでも行動することが、逆説的にですが組織を救うことになります。

なぜならファーストペンギンになるためには「恐怖」が必要だからです。

ファーストペンギンになれる人

ファーストペンギンになれる人、ファーストペンギンマインドを持てる人はどのような人なのでしょうか。

ペンギンだけではなく、人を含めあらゆる生物が集団となり社会を形成しています。

それにより、個では到底得られない成果を獲得することができますし、周りと同じ行動をすることで、自分のみが失敗するリスクを低下させることができます。

ただ、これでは誰もファーストペンギンになり得ません。ファーストペンギンはどのような思考回路で最初の一羽になるのでしょうか。

それは、このまま集団と同じ行動をし続けることが、むしろ自分の身を危険にさらす。

言い換えると、集団で行動するより自分一人で行動したほうが安全だと考えるからです。

氷の上で皆と同じように歩いていては餌が枯渇し、確実に死んでしまう。だから、リスクはあったとしても生きられる可能性がある海に一羽でも果敢に飛び込むのです。

つまり、ファーストペンギンになれる人は正しく恐怖を整理することができている人だと言えるでしょう。

人を含めて動物には恐怖という感情が備わっています。道を歩いているときに、もし自分に対して車が突っ込んできたら、「危ない」という恐怖が発生し、死を回避するための「逃げる」という正しい行動につながります。このように、恐怖は生きていくために必要な感情です。

しかし、人間社会は複雑に進化したため、動物の社会とは異なり、実にさまざまな恐怖が存在するようになりました。それによって、死に直結する恐怖が何かが分からなくなっているのです。

皆と一緒に行動して確実に失敗することと、一人だけ違う行動をして皆から白い目で見られること。どちらを避けるべきか正しく整理することが必要です。

例えば、多数派に対して異を唱えることはもちろん勇気が要ります。新規プロジェクトの立ち上げのために、反対色の強い組織を説得し続けることは心が折れるかもしれません。しかし、そうした行動が自分、ひいては組織を救うことになります。

組織に居続けることが難しいと考えたのなら、退職や起業を検討するのもありかもしれません。

退職し起業することも誰にでもできることではないですし、起業をしても成功する保証はないからです。

しかし、状況を整理し、今、何から逃げるべきなのかを冷静に整理していけば、ファーストペンギンマインドを持てるかもしれない

ファーストペンギン思考は、以外にも恐怖から生まれるのです。

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