集団心理による空気感はどのようにできるのか。
組織の空気感を理論でひも解き、今後の社会で必要な組織風土のつくり方を説明していきます。
組織の印象はどのようにつくられるのかを考えてみましょう。例えば、日本人は、政府は、関西人は、芸能人は、あの学校は、と言うとき、そこに属する一人ひとりが違っていたとしても、当てはまる人を同一視しようとする癖が人にはあります。
その癖は、その人が今までの人生でつくってきた考え方です。生活習慣などの環境や、その環境のなかで選択してきた経験からできています。
従業員に、「自分たちの組織に対してどのような印象をもっていますか」と質問をすると、どのような回答が得られるでしょうか。その回答から組織の性質が見えてきます。
その性質が本来、外側の市場や顧客の満足度につながるものであれば、その性質を磨き上げることで自社の強みを伸ばすことができます。一方、そうでない場合は動きが鈍い、よくない方に向いている、停滞感があると考えられます。
また、従業員の回答と世間の回答が異なる場合も注意が必要です。外に発信できていないということです。
集団心理的に組織内においては、多数派の意見に従うことが是であり、その性質に合わせることで心理的に安全だと認識します。一方、よいと思っていることでも少数派であれば、声を出して意見を言いにくいものです。
その不安を取り除くためには、行動するための環境(ルール)とマネジメント(リーダーの言動)が重要となります。環境としてルールをつくることから始めます。
組織風土は、組織のなかでの常識、当たり前ができ上がったものです。ですから、どのような行動が正解かを明確にしましょう。同じ行動をする人を増やせば増やすほど、それが組織の当たり前になり、組織風土ができます。
ルールの設定はリーダーの大事な役目です。成果をあげている会社は、リーダーがしっかりとルールを定め、組織風土ができ上がっています。
しかし決めないリーダーもいます。そうすると組織はバラバラになり、いつまでも個人の能力に頼ることになってしまうのです。