【無料】マンガで学ぶマネジメント公開中!

人事評価制度の作り方!失敗してしまう人事評価が生まれてしまう背景を解説

jinjihyoukaseido-tukurikata

社員のために評価制度を導入しようとする企業は少なくありませんが、この「社員のために」という考え方のせいで機能しなくなった評価制度を、私は組織コンサルタントの立場で数多く見てきました。

今回は、識学講師としての視点から、「人事評価制度の作り方」について詳しく解説していきます。

ビジネス書としては異例の30万部突破!
書籍『リーダーの仮面』の図説資料
をプレゼント!
リーダーの仮面図解

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍「リーダーの仮面」は、結果の出せるリーダーになるために必要なテクニックをまとめたリーダーシップ本の決定版!

優れたマネージャーに、才能・人間力・経歴は一切必要ありません!

誰でも実践できるマネジメントの原理原則PDF17ページにググっと凝縮!

ぜひ、DL頂き、皆さまの日々のマネジメントに生かしてください!

人事評価制度における目標設定のあり方

「私の給料はどうやったら上がるのでしょうか。あれだけ頑張ったのに」

「なんで(能力の低い)あの人の方が、私より給料が高いのでしょうか」

このような社員の発言を耳にした社長が、「うちの会社にもそろそろ評価制度が必要かもしれないな」と考え、評価制度の導入を検討し始めることはよくある話です。

社長は、「社員が納得できる公平な評価を作りたい」と考えるようになります。

この「納得」と「公平」という評価制度構築の方向性が、機能しない評価制度にしてしまうとはあまり知られていません。

「社員が納得する評価制度を作るためには、社員自身に目標を立てさせることが望ましいだろう」

上記のような考えから、社員一人ひとりに立てさせた目標の達成度合いで評価を行う仕組みを構築している会社もあります。

こういう会社の社長からは、以下のような悩みを聞くことがあります。

「社員が低い目標を設定するので、社員の目標の総和が会社の求める水準に達していない。だから会社の目標は未達成が続いている」

「低い目標を許容している部門の評価が高くなり、会社への貢献度に応じた評価ができているとは思えない」

「そもそも自分で目標を立てられない社員がいて、社長が求めている目標とはずれた目標設定が行われている」

社員自らに設定させた目標で評価する制度を運用した結果、会社の目標と社員の目標が合致しない状態をつくってしまうことがあります。

このようなケースの場合、社員は自らが立てた目標を達成しても、会社全体としては目標が達成できないため処遇がよくならず、「おかしいのではないか」という不満を抱いてしまうのです。

全社員に対して公平な評価制度を作ろうとして……

「社員を公平に評価できる制度を作るためには、全社員が共通の評価項目で評価されることが望ましい」

このような考えの下、「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「責任感」「規律性」「積極性」といった抽象的な項目を用いて、全部門共通の評価を行う企業があります。

これらは、曖昧であるがゆえに評価する人によって評価にばらつきが生じます。

このばらつきを解消するため、「自己評価→上司の一次評価→社長や幹部の最終評価」と段階をへて評価が行われ、評価基準が曖昧なまま最後は社長のさじ加減で評価が決まる。

「結局、社長が評価するのであれば何ための評価制度なのだろう」と、これもまた、社員の不満につながることになります。

このように納得と公平を求め、従業員のためを思って整備した評価制度が、社長が行きたい方向と社員が行きたい方向をばらばらにしてしまい、従業員の不満の源泉となることが多々あるのです。

関連記事:パフォーマンスを向上させる人事評価項目とは?設定のコツまで紹介

評価制度を作る目的とは何か

そもそも評価制度を作る目的とは何でしょうか。

社員の処遇を決める、社員の育成を促進する、社員を適切に配置するなどなど、人によってさまざまな捉え方がありますが、大切なことは組織のために評価制度があるのであって、評価制度は組織運営における道具の一つだということです。

では、会社組織は何のためにあるのかというと、それは、一人では達成できない目標を達成するためにあります。

一人では達成できない目標を複数の人間で分業し、分業して出した成果を調整・統合し、組織としての成果とすることが、組織が存在する理由です。

組織を「分業と調整」という観点から見たとき、評価制度とは、調整の一手段であることが分かります。

会社を創業した当初、社員が少ないときは、社長が全ての社員の動きを把握できるので、調整としての評価制度の必要性は高くありません。

実際には、明確な評価制度がなく、社長の独断と偏見で社員の処遇を決めている会社の方が世の中には多いように感じます。

しかし、会社が成長し、社員の数が増えてくると、社長が全ての社員の動きを把握することが困難になり、社員が別々の方向を向き出します。

このような事態を解消するため、評価制度を使って、社長が社員に向かって欲しい方向と、社員が向かいたい方向を合わせていくことが求められるのです。

にもかかわらず、社員から見た制度の納得度や公平性を担保しようとするあまり、逆に社員の動きをばらばらにしてしまうような制度は、本来の目的から大きく外れたものと言わざるを得ません。

関連記事:人事評価と自己評価のズレとは?なぜズレが生じるのか、その理由を解説

 評価制度の作り方のポイント

分業後の調整を行うこと、社長が社員に向かってほしい方向と、社員が向かいたい方向を合わせていくことが評価制度の目的であるとするならば、作り方のポイントとして以下三点があげられます。

  • 社長直下の社員から役割を固める
  • 明確な評価基準で評価する
  • 評価基準を定期的に見直す

それぞれの内容を見ていきましょう。

社長直下の社員から役割を固める

社員の数が増えてくると社長一人で見ることができる人数を超えてきますので、組織図を描き、中間にリーダーを配置し、組織の階層をつくっていくこととなります。

会社は、分業と調整により、社長が目指す目標に向かうものだとすれば、まずは、社長直下の社員から求める評価基準を明らかにすべきです。

社長直下の社員に求める評価基準が決まったら、その後に直下の社員が管轄するチームメンバーに求める評価基準を決めていきます。

社長を起点に分業が始まる以上、社長を起点に評価基準を決めなければ、分業後の調整はなし得ません。

明確な評価基準で評価する

評価制度は分業後の調整を目的とするため、社長が見ても社員が見ても、同じ評価になる明確な基準が求められます。

そのためには、評価基準をできる限り明確に、理想としては定量的にすべきです。

評価基準を定期的に見直す

評価基準は、目標に向かうための分業後の調整機能の一つであると考えた場合、目標の変更や、目標を追いかける上での環境の変化に合わせて定期的に見直すことが求められます。

環境が変化するなかで、調整のための評価基準が変化しないというのはあり得ない状態です。

以上3つのポイントを押さえた上で、公平性や納得性が必要であれば、ポイントを外さない前提でアレンジしていくことが、評価制度を作る上での原則となります。

書籍『数値化の鬼』の要約解説図をプレゼント!
書籍『数値化の鬼』図解要約資料

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍『数値化の鬼』が、なんと発売後 約1か月で12万部を突破しました!

この感謝を皆様にも還元すべく、株式会社識学では、『数値化の鬼』の図解解説資料を作成いたしました!

一度書籍をお読みになった方も、まだお手元にない方もどなたでも満足いただける完成度となっています!

眺めるもヨシ、印刷して目の付くところに飾るもヨシ、使い方は自由自在!

是非、こちらからDLしてくださいね!