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不安で現場を離れられない経営者がすべきことは

組織の規模が10名を超えてくると、今までのマネジメントスタイルが全く機能しなくなるといった経験をお持ちの経営者がいるでしょう。

自身が正しくプレイヤーを管理できる人員範囲を超えてしまったことが原因です。

そこで、自らとプレイヤーの間に管理職を据える組織形態へと変化させようとしても、「現場を離れることができない」経営者は少なくないはずです。今回はその理由、弊害、対策について考えていきましょう。

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なぜ現場を離れることが不安なのか

一口に「現場を離れる」と言っても、その定義はさまざまありそうです。

なかでも、指示命令を部下の管理職のみならず、現場のプレイヤーに実施してしまう「管理業務巻き取り型」と現場に顔を定期的に出し、声かけや飲み会を積極的に行う「存在意義重視型」の二つのタイプは代表的なものとして考えられます。

管理業務巻き取り型

部下である管理職のマネジメント能力に何らかの不安があり、仕事を任せることが以下のロスタイムになってしまうという意見を聞くことがあります。

・部下の管理職としての意識が低く、プレイヤーを正しくマネジメントができない

・マネジメントへの意識を持っていても、部下の成長につながる勘所を抑えていないという技術力な問題がある

確かに、このような問題はどこの会社でもよく発生しています。今この瞬間にプレイヤーの動きを最大化できないことでの機会損失を避けるには、経営者が管理職の管理業務を巻き取る形しか答えがないように思えるでしょう。

存在意義重視型

一方で、こちらの理由は経営者の感情的なものが原因となっていることが多いようです。

「新人のメンバーたちは、まだ経済面でも不安定なので晩御飯くらいはおごってあげることが経営者としての役割なんだよね」

「酒の席で、上司や仕事への悩みを聞くことで教育の場を兼ねることもできるから、ますます都合がいい」

このように、メンバー側を思いやってのアクションであることが多いようですが、実際は、部下からちやほやされて楽しく飲食する場は、自身の存在意義を充足させる機会となるので、やめようにもやめられない人が大半を占めています。

経営者自身の社内での存在意義を満たす上ではとても大切なイベントとなります。

経営者が現場を離れられないことの弊害

上記の「管理業務巻き取り型」と「存在意義重視型」の2パターンを理由として現場を離れられない現実があります。

では、それらがどのような弊害を引き起こすのか、見ていきましょう。

管理職の成長を阻害する

管理業務巻き取り型における最大の弊害は「管理職の成長の阻害要因」になることです。

「管理職が育っていないから自身が巻き取らざるを得ない」と嘆いている経営者を複数見てきましたが、私は必ず「皆さんが巻き取っているから管理職が育たないのです」とお伝えするようにしています。

自然界を見ても、子どもがいずれ自立することを前提に、獲物を狩ることを覚えさせる際には必ず子どもに狩りを経験させています。

管理職の育成も理屈は何ら変わりません。自立して、幹部として頼もしく育ってもらうにはマネジメントを経験させるしか手段はないのです。

そのことを頭では分かっていても、いざ自社のこととなると今この瞬間の利益をついつい追いかけてしまって、管理職の強化という未来のより大きな利益を見失ってしまうのです。

管理職に混乱や言い訳を与えてしまう

経営者が現場から離れられないと、管理職に混乱や言い訳を与えてしまうことにつながります。

例えば、部下自身でいろいろとルールなどを決めてマネジメントをしているのに、上司である経営者が直接マネジメント(管理業務の巻き取り)をするなかでルールを形骸化させてしまうことがよくあります。

これでは、いくら部下が自発的にマネジメントをしても機能するわけがありません。

この環境が続くと、責任を持ってマネジメントしようと頑張っている部下からすれば混乱の原因となりますし、うまくいかなかったとき、部下は「悪いのは自分ではなく社長だ」と言い訳をするようになっていきます。

部下の立場を弱める

存在意義重視型の弊害として、経営者とメンバーの距離が近づくことも挙げられます。

よかれと思って晩御飯を奢ってあげて、その場で部下の悩みを聞いてあげていれば、もちろん経営者とメンバーの距離はどんどんと近づきます。そうなると、メンバーは何かあれば上司ではなく経営者であるあなたに直接悩み相談や権限申請をするようになっていきます。

直接の上司である管理職はどんどんと軽視されていくことになっていくでしょう。この環境でしっかりと部下をマネジメントしなさいと言われる管理職はかわいそうと言わざるを得ません。

経営者が現場を離れるためには

こうした事態を生じさせないためにも、現場を部下の管理職に任せることが大事です。そのためには、どんな部下が管理職になっても必ず実施できる再現性の高いマネジメントスタイル、すなわち管理職のマネジメントスキルの仕組み化の必要性が出てきます。

それを端的に表現すると「部下と距離感を保ち、事実で管理をするマネジメント」となります。

これは、部下にルールを淡々と守らせ、部下との馴れ合いの飲み会には参加せずに部下との距離感を保ち、アドバイスや同行営業ではなく、部下の責任範囲の領域は部下に任せ、不足が出たときにその不足を埋めるために考えさせる環境をつくることです。

これこそが再現性の高い正しいマネジメントスタイルとなります。

このマネジメントスタイルのベースとなる環境こそが、まずは経営者が現場から離れることです。

そのうえで、経営者は部下の管理職が仕組み化されたマネジメント環境を通じてその部下のプレイヤー層に対して正しいマネジメントを行っているかのチェック(管理職への正しいマネジメント)を行っていくのみです。

私がご提示した「仕組み化された再現性の高い正しいマネジメントスタイル」を部下の管理職に実践させなくてはなりませんが、実際にどうすればいいのかイメージを持ちきれない方も多いかと思います。

我々識学ではこのノウハウを体系的にインプットし、実際にアウトプットに変えていくまでをしっかりサポートさせていただいておりますので、ご興味がありましたら是非ともご相談ください。

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