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労働基準法とは?基本的な要点・ポイントをわかりやすく解説

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労働基準法とは、労働条件の最低基準を定めた法律のことです。

労働者を雇用する企業側は健全な企業経営を行うためにも、労働基準法や関連する法律について正しく把握し、遵守する必要があります。

そこで本記事では労働基準法について、

  • 概要や関係する法律
  • 対象者
  • 企業が把握しておくべきポイント
  • 改正ポイント
  • 違反しないための注意点
  • 誤解されやすいポイント

などを解説していきます。

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労働基準法とは?

労働基準法とは、労働者を使用する使用者(企業)が、最低限守らなければならないルールを定めた法律です。

背景

本来であれば、企業と労働者は対等な立場であるため、賃金や労働時間などの労働条件は合意によって自由に決められるものです。

しかし、労働者は働くことによって生活に必要なお金の大半を得るのが一般的なため、実質的には労働者よりも企業の方が立場が上になります。

このような場合、優位に立つ企業側が労働者に対して、自社に有利な条件で雇用するという問題が生じてしまいます。

そこで、労働者が安心して働けるようにするために、一定のルールが定められるに至ったのです。

違反すると罰則が科される

労働基準法に違反すると、懲役刑や罰金刑などの罰則が科されます。

労働基準法違反による罰則で最も重いものは「強制労働を行わせること(労働基準法第5条違反)」に対するもので、「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」です。

また、労使問題によく見られる、解雇予告手当を未払いのまま即時解雇した場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法20条違反)」となります。

関連記事:働き方改革の罰則とは?改正内容を正しく理解して違反を防ごう

労働関連の法律とは

ここからは労働関連の法律を見ていきましょう。

個別的労働関係法とは

個別的労働関係法とは、下記のようなそれぞれの労働関係や労働契約関係に関する法律で、労働基準法もここに含まれます。

法律 内容
労働契約法 労働契約が労働者と企業との合意によって締結・変更されることで、お互いに良好な関係を目指す法律。

契約の締結や変更に関するルールなどが定められている。

労働安全衛生法 下記を目的とする法律。

  • 職場における労働者の安全と健康の確保
  • 快適な職場環境の形成促進
男女雇用機会均等法 職場における性差別を禁じ、男性・女性を平等に扱うことを定めた法律
パートタイム・有期雇用労働法 同じ仕事をしている正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇の不合理な格差を禁止する法律。

「パートタイム労働法」から改正され、2020年4月1日から施行された法律。

育児・介護休業法 雇用形態を問わず従業員に子どもが生まれたり、従業員の家族に介護が必要になった場合は、要件を満たしていれば育児・介護と仕事を両立できるように支援する法律。
最低賃金法 労働者の生活の安定と労働力の向上を目的とした法律。

企業が労働者に支払う給与の最低額を定めている。

集団的労働関係法とは

集団的労働関係法とは、労働者と使用者の2者間に関する規定を定めた法律です。

下記のような法律が挙げられます。

法律 内容
労働組合法 職場の課題を解消するために労働者と使用者が協力し、労働環境の改善を目的とする法律
労働関係調整法 労働関係の調整を図り、労働に関するトラブルの防止・解決を目的とする法律

関連記事:会社が労働組合との団体交渉に臨む際の留意点 それぞれの義務や権利を弁護士が解説

労働基準法の対象者とは

労働基準法の対象となるのは、日本国内で労働者として働く全ての人です。

しかし、近年増加傾向にあるフリーランスは、労働基準法の対象外となります。

なぜなら、「請負」や「業務委託」の場合は、「労働者」としてみなされないので、フリーランサーは労働基準法における保護を受けられません。

関連記事:【弁護士が解説】業務委託は法律違反?偽装請負を防ぐための判断基準とペナルティ

労働基準法の内容のポイントとは

企業が知っておくべき労働基準法のポイントは下記のとおりです。

項目 内容
労働条件の明示

(労基法15条)

企業は労働者と労働契約を結ぶ際、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならない
賠償予定の禁止

(労基法16条)

企業は、労働契約の不履行について違約金を定めるか、損害賠償額を予定する契約をしてはならない
解雇の予告

(労基法20条)

企業は労働者を解雇する場合、

  • 最低でも30日前の予告をする
  • 30日前の予告がなければ、解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払う

必要がある

賃金支払の4原則

(労基法24条)

原則として賃金は、

  • 通貨で
  • 直接労働者に
  • 全額を
  • 毎月1回以上

を一定の期日を定めて支払う

労働時間

休憩

休日

(労基法32・34・35条)

企業は原則として1日8時間、週40時間以上の労働をさせてはならない。

企業は労働時間が

  • 6時間以上なら45分
  • 8時間以上なら1時間

の休憩時間を与えなければならない。

企業は、

  • 週に1日
  • 4週間に4日以上

の休日を与えなければならない。

時間外及び休日の労働、割増賃金

(労基法36・37条)

企業は従業員に時間外労働や休日労働をさせる場合、36協定を結び、労働基準監督署に届出を出さなければならない
時間計算

(労基法38条)

時間外労働・休日出勤をした労働者には割増賃金を支払わなければならない
年次有給休暇

(労基法39条)

企業は、下記の要件を満たしていれば有給休暇を与えなければならない

  • 雇入れの日から起算して6ヶ月継続勤務している
  • 全労働日の8割以上を出勤している
就業規則

(労基法89条)

常時10人以上の従業員を使用する企業は就業規則を作り、労働基準監督署に届け出なければならない
制裁規定の制限

(労基法91条)

労働者に減給処分を行う場合、下記の制限を受ける

  • 減給額が平均賃金の1日分の半分以下であること
  • 減給の総額が1賃金支払期における賃金総額の10分の1以下であること
周知義務

(労基法106条)

企業は労働者に対して労働基準法や就業規則を周知しなければならない

関連記事:労働基準法における労働時間とは?把握・管理する方法や残業時間、労働時間制度を解説

まとめ

労働基準法に違反しないためには、法律を正しく理解する必要があります。

とはいえ、経営者の方が気になるのは、下記のような点ではないでしょうか?

  • 社員が優遇される制度ばかりが増え、売上は伸びない
  • テレワークなどで生産性が下がってしまっている

上記のようなお悩みをお抱えの場合は、社員の生産性を上げ、売上に寄与するような仕組み作りをする必要があります。

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