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識学は本当に怪しい会社なのか?宗教だといわれる会社の実態をストーリー形式で解説

jirei-shikigaku

本記事は、識学をご利用いただいたお客様からの寄稿記事です。

皆さんは「識学」という会社を知っているだろうか。

その会社は創業4年に満たない組織コンサルティング企業であったにもかかわらず、マザーズに上場を果たした。

そして、この「識学」に組織コンサルティングマネジメントを依頼して上場した会社も出始めている。

彼らの組織コンサルティングは、人間の意識構造という普遍的なものに基づくアプローチのため、汎用性が高く、どんな業種、業態、企業規模であっても成果を得やすいのが特徴だ。

まさに、マネジメントの「正解」である。

しかし、その識学をGoogle上で検索してみると、以下のようなキーワードが続いて出てくるのだ。

  • 「やばい」
  • 「洗脳」
  • 「宗教」
  • 「軍隊」
  • 「うさんくさい」

など。

トップに出るキーワードだけでもこのような有様だ。

「2ch」というキーワードもある事から、恐らく「識学」のコンサルティングマネジメントを受け入れる事が出来ない人達が、他者の意見を聞きたいという裏の検索者の意図もあるのだろう。

ここまでご覧いただき、さっそくこの「識学」にブラック企業の匂いを感じた読者の方も多いのではないだろうか。

どういった組織マネジメントかは現時点で不明だろうが、「軍隊」というキーワードを見ただけで、「軍隊」というキーワードを見ただけで貴方の頭の中はパワハラの権化と言っても過言ではない上司を想像しているのではないだろうか。

検索窓に並ぶキーワードだけではもちろん無理もない。

しかし、断言しよう。

識学は「強制的なマネジメント理論」ではない。

これは、そんな「ブラック企業の全てを体系化していそうな「識学」を導入している企業へ転職した」私の物語だ。

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識学と出会うまで後5年

早速、入社後のエピソードを・・・と言いたい所だが、まずは私がどういった経緯で「識学」と出会ったのかを少しではあるが紹介させていただければと思う。

私は大学卒業後、代理販売店のモバイル部門に就職する事となった。

皆様が一度は訪れたであろう「携帯ショップ」の店員と考えていただくのが一番良い。

はっきり言うと、そこは紛れもない「ブラック企業」であった。

私は多少なりとも努力し私はある程度店舗の管理を行う事となった。

とはいえ、大したノウハウもなく、就任して間もなく降格。数字を伸ばす事が出来ずに、新たにマネジメント担当が異動して来る事となった。

今振り返ると、このマネジメント担当者も、私も良くなかったのだと思う。

ノルマ達成までの進捗が悪い時、上司からは詰められる事となるが、ここにロジックは存在しなかった。

全てが精神論による詰めだったのだ。

ある時、私はマネジメント担当から質問された。

マネジメント担当「〇〇君は、なんで成果が出ないんだと思う?」

私「わかりません…。」

マネジメント担当「なんでわかんないんだよ。「頑張り」が足りなかっただけだろ。」

頑張りが足りなかったのか?少なくとも私は朝から晩までの時間を会社で過ごし、頑張っていたはずだ。「頑張る」とはどういうことなのだろうか?

そして、もっと「頑張れば」成果は出ていたのだろうか?

この答えに明確な「回答」を出せないまま、私は働き続けた。

この後も精神論による詰めは再開された。私が勤めていたこの会社は営業成績を上げれば上げるほど、役職も上がって行く。

逆に言えば役職者は「プレイヤー」として優秀だった人。

マネジメント経験はないので、全社に共通したマネジメントノウハウはなく、強いて挙げるならば「頑張る」という精神論だけだった。

所謂、エリアマネージャー達も精神論を語る事しかなかった。

一切営業のノウハウはなく、「部下はとにかくモチベーションを上げて、働かせるしかない」としか教えられない。

そんな時、「最低入社から3年は頑張って欲しい。」と言っていた統括マネージャーが辞職した。

研修で良くしてくれたエリアマネージャーも成績不振で店長に落ちた瞬間に退職した。私の担当するエリアマネージャーが「裏切り者だね。」と言った。

心の糸がプツンと切れる音がした。

「退職します。」気づいたら私はその瞬間に告げていた。

私もその日から退職するまで「裏切り者」と言われ続けた。

後日談であるが、私を非難したエリアマネージャーはその後失踪したらしい。

彼もまた、「頑張れ」なかったのだろうか。

自分が何故ダメだったのか、どうすれば良かったのか、そんな事を一切考える事が出来ずに私はこの職場を退職してしまったのである。

識学と出会うまで後4年

営業とモバイルの事ばかり考えていた1年を過ごしていたから、世間が今どういう流れで動いているのかを全く理解できていなかった私は、出来るだけ企業と関われる会社に転職した。

最初にプロジェクトを3つ振られた私は焦ったが、とにかく先輩に仕事のやり方を聞き続けた。

そのおかげで、何とか2年目、3年目と自分一人で仕事を行う事が出来るようになった。

しかし、やっぱりマネジメントのスキルは身につかなかった。

マンパワーに依存するような会社であったため、人が辞めれば代わりがいた。

上司もマネジメント職でありながら、なにが正しいマネジメントなのか分からずにいたようだ。

自身のやり方が正しいのか、いつも悩んでいたように思える。

その後私もチームを任されて、なんとかチームをまとめ上げた。しかしそれでも何が正しいマネジメントなのかわからなかった。部下を成長させられているという実感もなかった。

部下は次々と転職していった。

このまま年齢を重ねていった時に、自分が「代替が効く無能」になってしまうのではないかと恐れた私は、自分の所属する企業で自分も成長できる環境を追い求める事として、転職する事を決意した。

識学と出会うまで後2週間

ある企業の選考面接中、面接官は私に質問した。

面接官「弊社で勤務する際、どのような雰囲気を求めていますか?」

私「アットホームな職場・・・ではなく各々が全力で一つのゴールに向かっていくようなそんな雰囲気を求めています。」

私が面接を受けた企業は必ずこの質問をした。

1社は「アットホームな雰囲気を大切にしている」と断られ、残りの2社は「君の好きなようにやらせる。」と言って貰えた。

正直に言おう。

アットホームな雰囲気かどうかは入社する側が感じる事であって企業がPRする事では無い。逆に嫌われたらおしまいだし、人間関係に配慮しながら働かなければならないのでリソースを割くのが勿体ないと考えてしまう。

最後にもう一社面接を受けに行った。

面接官「弊社で勤務する際、どのような雰囲気を求めていますか?」

私は以前と全く同じ回答をした。

面接官「なるほど。でしたら弊社はあうかもしれません。弊社ではアットホームな雰囲気から方針を変えました。今は社員の責任と権限を明確にしたうえで、無駄なコミュニケーションが必要ない、社員が迷わない組織へと変革しています。」

「社員が迷わない組織」

この時の面接官の言葉に私は強く共感した。

思えば、私はいつも悩んでいたのだ。

何をすれば上司に評価されるのか、私が求められるマネジメント層のありかたとは何か、私はいつも自問自答していた。

しかし、会社が明確に提示してくれるならば、もう私は迷わずに働けるに違いない。

私はすぐに最終面談を実施してもらった。

そして私はこの企業に就職する事となった。

識学と出会う日

いよいよ入社当日である。

最終面談で少しだけ聞いていたが、この企業には「ルール」というものが明確に存在するようだ。

周りを見ると、どうやら所定の位置で挨拶を行う必要があるらしい。そして朝は最初に掃除を行うとの事。

基本的には形骸化するのがルールだと思っていたが、この会社では徹底されている。そう感じた。

掃除も終わって、渡されたルールブックを覚えている内に「会釈は15度」の角度なんてルールが出てくるものだから、私はすっかりこの企業は体育会系なのだと思った。

体育会系出身の私としては、別に苦ではない。それ相応に大きな声を出して退勤時に挨拶をすると意外と小さな声で挨拶が返ってきた。

意外だった。声が小さくてもいいんだ。そう感じた。

上司の方に聞いてみると、ルール通りやっているから問題ないとのこと。

ルールには「退勤時には指定の位置で、全員に聞こえるように「お先に失礼します」と挨拶する。挨拶は「お疲れさまでした」と発話者に聞こえるように返す」と書いてある。

なるほど、確かに私に聞こえる声ではあるから、問題はないようだ。

これは「姿勢のルール」と呼ばれているらしい。

話を聞いてみると、この企業には「識学」という組織コンサルティングが介入しているようだ。

識学は2つのルールを提唱している。

それが「行動のルール」、そしてもう一つが先ほど告げられた「姿勢のルール」だ。

まず、行動のルールとは「1ヶ月に契約を30件取る」といったような会社が設定した目標と連動したルールとの事だ。

つまり、守れる時と守れない時があるらしい。恐らく、我々の評価はこのルールをベースに行われるのだろうと感じた。

そして、「姿勢のルール」とは「出来る・出来ない」が存在しないルールらしい。

「やろうと思えば誰でも守る事が出来る」という特徴がある為、守らない人は意図的にルールを破っているという事になる。

これは非常に分かりやすい。

「役職には深々と挨拶をする」「役職は掃除を部下に任せても良い」など変な空気の読み合いが発生しないのである。

誰でも平等に接する事が出来るし、ルールを守っていないというロジックで上申する事も可能である。

そして、この「姿勢のルール」を仕事に取り入れると感情労働をする必要が無くなるのだ。

「どうせだったら私が一緒にやっておきますよ!」といった会話が無くなり、自分のノルマをこなす事に集中できるだろう。

ここが恐らく軍隊的と言われているのかも知れないが、自分のタスク処理に全てのリソースを注げるのであれば、ガチガチのルールはストレスどころか、むしろ快適になるのではないだろうか。

そして、私はもう一つ気になる事があった。社長と関わる機会が一切無いのである。

前職では、係長や課長を飛ばして部長から直接指示を受ける事もあったので不思議に思った私は直属の上司である係長に、社長と関わる機会が無いのかを聞いてみた。

係長「殆ど無いですね。〇〇さんの評価も直属の上司である私だけがします。

なるほど、つまり理屈はこういう事だ。自分が糧を得るにあたって、今自分が評価を得なければいけない存在は誰なのかという事を「識学」は明確化させてくれているらしい。

つまり、私が会社でどんな立ち位置なのかである事を自覚させるシステムだ。

これも非常に合理的だ。

直属の上司に気に入られてはいないが、部長や社長など幹部に好まれている職員の評価が高いなどは宜しくない。

「直属の上司だけが評価するって、人間関係が希薄になりそうだね。」という意見もあるとは思うが、私は会社に友人を作りに来ているわけではない。

あくまで所属する企業のビジョンやミッションを作り上げたり、達成したりする事を優先する必要がある。

私が係長に評価されているという事は、係長も直属の上司に評価されているのだろう。

だが、本当に正しく評価はされているのだろうか?最後には「情」を大事にしてしまって、「君は頑張ったからOK!」だとか「いつも定時で帰るからダメ!」などと言われては困る。

しかし、この考え方は一瞬で「識学」に壊された。

「識学」では「プロセス管理」をせず、「結果だけ」を求めていく考え方だそうだ。

(もちろん、コンプライアンス違反だとか私の権限を遥かに越えた行動はNGだ。なんでもアリという訳ではなく、場合によっては権限を求め相談や提案をしていく必要があるのだが、本記事では割愛する。)

ある程度の考え方を知る事が出来た私は、いよいよミッション達成の為に動く事になるが、ここでも「識学」が提唱する考えを聞く事になった。

まず、伝えられた事が、前提として「数字で考える」という事だ。

実際、「数字で考える」とは難しい事ではない。

「林檎を沢山食べました」と聞くと、人は5個食べたのか、10個食べたのか分からないが、「林檎を4個食べました」と発言すれば、認識の違いが生まれる事がないというそれだけの話だ。

ちなみに、この思考法は「識学」云々というより、ビジネスマンとして当然の話だと思うし、様々な場所で優先すべき考え方である。

いきなり感情論から入るビジネスマンがいたら、その信用は一瞬で失われてしまうだろう。

数字以外の話は、数字の話を全て出してからようやく始められるのだ。

この考えを前提として、重要なポイントが4つあるというのだ。

  1. 行動量
  2. 確率のワナ
  3. 変数
  4. 真の変数

1つ目は、「行動量」についてである。

聞いてみると、PDCAサイクルの話が始まった。

P(Plan:計画)、D(Do:行動)、C(Check:評価)、A(Action:改善)

これは有名なフレームワークだ。そして、「識学」はこのフレームワークに独自のエッセンスを加えているらしい。

まず、「識学」では「P」に時間をかけない事を重要としている。

人は、計画する時に一番テンションが上がって行動しないというケースが多いらしく、実際の行動を伴わないと計画した意味が無いからだそうだ。これは様々な時期の私が経験してきたことだ。

そして、「D」の回数こそが行動量そのものであるという事だった。

※もちろん、Dの内容もしっかりと数値化する必要がある。

2つ目だが、「数字で考える事」を意識していると、ある「ワナ」に嵌まって、伸び悩む可能性があるという。それが「確率のワナ」と呼ばれるものだそうだ。

ここでも係長から具体例を出してもらったので、こちらで紹介したい。

まずは、この後記載するAとBの社員で、どちらが優秀か判断してもらいたい。

  • 社員A:成約率80%
  • 社員B:成約率50%

これだけ見ると、社員Aが優秀だと判断する方もいるだろう。

しかし、それが「確率のワナ」なのである。次の文を付け加えてみる事にしよう。

  • 社員A:成約率80%(10件中8件)
  • 社員B:成約率50%(50件中25件)

優秀かどうかという抽象的表現をしてしまったが、企業としては社員Bが評価されるべきだろう。

いくら成約率80%だったとは言え、成約件数の差は3倍以上なのだから。

係長「今伝えた具体例のように、質に拘り始めると、量がどんどん少なくなってくる。成約率80%を守ろうとするあまり、今度は5件中4件の成約を目指したりするようになってしまう。」

パーセンテージを使用する際は、その分母と分子がいくつかを認識して伝えなければならない。しかも、行動量にフォーカスしていかないと伸び悩む可能性がある。

これらも非常に大事な考え方だ。

3つ目は「変数」である。

これは、考えるべき事、考えなくて良い事を見極める必要があるという事らしい。              

簡単に言うと「天気」だとか「景気」だとかは「変数」ではなく「定数」である。

自力で何かを変える事は出来ないからだ。

つまり、本当に変えられる数字はどこなのかという話だ。

目標を変えること無く行動し、それぞれ変えられる数字を確認しながら結果を見てまた次の数字に乗り換えていくという行動が必要なのである。

4つ目は「真の変数」を見つける事、つまりどの変数が一番重要なのかを見極める事だった。

そのためには、「変数を減らす」というアプローチが必要らしい。

常々、「これは変数だろうか?」と自問自答する事がコツだと係長は言った。

大まかに重要な点を教えてもらった私は、一旦ポイントを纏める事にした。

その中で、私は新卒で入社した会社の事を思い出した。

あの時、私は精神論で詰められ続ける日々を送っていた。

所属する人間として、大した成績を残す事が出来なかったので当時のマネジメント担当や上司を恨むといった事は私にはない。

ただ、仕事はもっとシンプルかつロジカルに考える事だったのだと考えた。

あの時、私は何をすべきだったかは「識学」が提唱している通りだった。

そして、失敗しても「次はどうするか」を明確に私から上司へ伝えるべきだったのだ。

私が特に何も言わないのなら、そりゃ上司も精神論の話しかする事は無い。

恐らく、彼らは私が出来なかった考え方を自然にやって課題をクリアした。言語化されていないだけで、彼らなりのロジックがあったのだろう。

それを感情論、すなわち「頑張れ」というアウトプットにしてしまったのがいけなかったに違いない。

さて、ここまで読んで頂いた皆様に質問したい。

  • 「識学」はヤバいだろうか?
  • 「識学」はうさんくさいだろうか?
  • 「識学」は洗脳する理論だっただろうか?
  • 「識学」に宗教的要素はあるだろうか?
  • 「識学」は軍隊のような厳しさがあっただろうか?

答えはNOである。

ごく普通の汎用的な組織マネジメントを伝えてくれる企業だ。

だがしかし、合わないという方はいると思う。

もっとフラットに色々な部署、様々な上司とコミュニケーションを取りながら時には飲みに行ったり、旅行に行ったりしたいという方が圧倒的に多いと私も考えている。

私自身も上記のような過ごし方を前職ではしてきた。

しかし、このように生きていけない方もいるのだ。

ある意味で「識学」は救済でもある。ただ、所属する企業のミッションをクリアしたい、ビジョンを達成したい、あまり親密に同僚とは関わりたくない。このような考え方があっても良いのだ。

「識学」がヤバいかどうかで判断するのではなく、「識学」が自分にとって生きやすいかどうかを読んで頂いた皆様が考えていただければと思う。

皆様にとって「識学」はヤバくても良いのだ。うさんくさくても良いのだ。洗脳してきそうと考えても、軍隊的だと考えても、宗教だと考えても良いのだ。

だが、皆様にとって普通な企業がヤバいし、うさんくさい、軍隊洗脳宗教だと思っている方も間違いなくいるのである。

寄稿元:新潟県の自動車登録(車庫証明)手続き代行の専門家「井口事務所」さま

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