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【2021】派遣法改正とは?1月・4月の改正要点と企業の対応を解説

派遣法改正とは

労働者派遣法は、これまで何度も時代や社会に合わせて法改正が行われてきました。

2020年、2021年にも法改正が行われており、2021年1月と4月に施行されています。

従来は努力義務だったものが義務化され、さらに厳格化されました。

企業は曖昧な認識のままでいると、意図せずして法律違反となる可能性があるため、改正内容と対応するべきことを把握しておくべきでしょう。

そこで本記事では、2020年と2021年の派遣法改正のポイントと、企業が対応するべきことについて解説していきます。

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派遣法とは

1986年に施行された労働者派遣法(正式名称「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」)は、派遣労働者を守るための法律です。

もともとは人材派遣事業は職業安定法によって禁止されていましたが、実際には人材派遣事業に類似した「業務請負」が行われていました。

また、人材派遣に対する企業の需要も高まりつつあったため、労働者を守りつつ法律を遵守した健全な人材派遣事業を促進するために、この法律が施行されました。

関連記事:【2021】労働者派遣法とは?基本や改正の要点や罰則を解説

2020年の派遣法改正を復習

まず、2020年4月の法改正の要点を簡単に復習しましょう。

同一労働同一賃金

2020年4月の法改正の主な目的は、同一労働同一賃金でした。

同一労働同一賃金とは、「雇用形態を問わず同様の業務を行っている労働者は同じ賃金にするべき」という考え方です。

しかし同様の業務でも規模が大きい企業ほど賃金が高くなる傾向があり、派遣労働者として同じ業務をしている場合でも、派遣先企業によって賃金が左右してしまうという問題があります。

そこで、派遣会社は派遣労働者の待遇について、下記の2つの方法を選んで賃金を決めることが義務化されました。

方式 内容
均等・均衡方式 派遣先企業の正規労働者と比べ、派遣労働者の待遇が平等で差が生じないように賃金を決める。

また、派遣先企業は派遣会社に、自社の待遇について情報提供することが義務付けられた。

労使協定方式 派遣会社が自社の労働者の過半数代表者(※1)、または労働者の過半数で組織する労働組合との労使協定で賃金を決める。

このとき、派遣労働者の賃金は、同様の業務を行う派遣先企業の正規労働者と同じ水準かそれ以上となるように決めなければならない。

※1過半数代表者…労使協定を締結する場合などの労働者側の代表のこと(引用:過半数代表者とは???丨日本労働組合総連合会(連合))。

関連記事:同一労働同一賃金とは?メリットやデメリット、企業が取るべき対策を徹底解説!

労働者への説明義務

派遣企業は派遣労働者の雇用・派遣時に、待遇などの情報を提供することが義務化されました。

派遣労働者へしっかり説明できるよう、内容、制度を整えて、不合理な待遇格差を是正していくことが目的です。

【2021年1月】派遣法改正のポイントとは

それでは、2021年1月の改正内容について見ていきましょう。

雇用時の説明義務化

派遣会社は、教育訓練や希望者に対して実施するキャリアコンサルティングについて、派遣労働者を雇用する際に説明することが義務化となりました。

もともと教育訓練やキャリアコンサルティングの実施は、従来から義務でしたが、本改正によって派遣労働者の雇用時に説明義務が追加されました。

派遣契約書の電磁的記録が認められる

派遣会社と派遣労働者との間で結ばれる労働者派遣契約は、従来は書面による作成が義務付けられていましたが、本改正によってデジタル記録による作成が認められました。

派遣従業員からの苦情は派遣先企業も対応

従来、派遣従業員からの苦情は派遣会社が対応していましたが、本改正によって派遣先企業の対応も求められるようになりました。

労働者の苦情は、下記の法律に関するものが該当します。

  • 労働安全衛生法
  • 労働基準法
  • 育児休業
  • 介護休業

また、派遣先企業は派遣労働者の苦情には「誠実かつ主体的に対応すること」となっています。

日雇派遣について

日雇い派遣は責任の所在が曖昧であるため原則として禁止されていましたが、一部は例外とされています。

日雇い派遣の労働者が契約を解除された際、派遣会社は次の派遣先が見つからない場合、労働者に対して雇用維持や休業手当の支払いなどを行う必要があります。

関連記事:【企業向け】人材派遣会社を活用するメリットとは?人材派遣の3つの種類やデメリットを解説

【2021年4月】派遣法改正のポイントとは

続いて、2021年4月の法改正の要点を見ていきましょう。

派遣労働者から雇用安定措置の希望のヒヤリング

本改正によって、派遣会社は派遣労働者からの雇用安定措置に関する希望をヒヤリングすることが義務付けられました。

また、聞き取った内容は「派遣元管理台帳」に記録しなければなりません。

インターネットによる情報開示

派遣会社は、マージン率などの情報を常時インターネットで開示することが義務化となりました。

開示が義務化された情報は下記のとおりです。

  • マージン率
  • 派遣労働者の数
  • 派遣先事業所の数
  • 派遣料金の平均額
  • 派遣労働者の平均賃金額

関連記事:働き方改革関連法とは?改正の要点をまとめて解説

まとめ:今後は派遣社員を法だけでなく、社内でも平等に評価する試みが必要になるかもしれない

派遣法の改正により、派遣社員を取り巻く状況は刻々と変化しています。

少子高齢化が進む中で社員を獲得するためには、自社が他社と比べてどれほど有益かを示す必要性がでてくるでしょう。

また、派遣社員の力を借りる必要がある際は、自社の社員同様に平等な評価制度を用意するといった試みが必要になるかもしれません。

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