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顧客折衝力とは?役立つ場面や交渉力との違い、高める方法を解説!

 

折衝力は、ビジネスシーンにおいて欠かせない能力の一つです。しかし具体的にどのような意味を持ち、ビジネスシーンにおいてどう活用したらいいのかまで把握している方は少ないかもしれません。

そこで今回は、折衝力の基本情報や同じ意味に捉えられやすい交渉力との違いなどをご紹介します。折衝力について理解したうえで実際に活用していきたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

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折衝力とは?

そもそも折衝力の「折衝」とは、利害が一致しない相手と問題解決を目指して話し合ったり、駆け引きしたりすることです。折衝力とは、話し合いや駆け引きの場面で円滑に妥協点を見つけていく力のことを指します。

折衝力はビジネスシーンではもちろんのこと、プライベートでも役立つスキルです。そのため、営業職をはじめ他者とのコミュニケーションが必要な方だけでなく、どのような業界、職種、人であっても折衝力を身に着けることで大いに役立つでしょう。

 

折衝力と交渉力の共通点と違い

折衝力とよく似た言葉に「交渉力」があります。2つの共通点は、どちらも問題解決を目指していることです。どちらも相手との話し合いを行うものであり、問題解決を目指してお互いに取り組む意味では双方とも同じと捉えられます。

しかし、目指している最終的なゴールが異なります。折衝力は利害が一致していない相手と納得できる部分で折り合いをつけたり、妥協点を見つけたりすることがゴールです。一方で交渉力は、お互いの利害が一致している場合としていない場合を含み、双方が納得できる答えを見つけることをゴールとしています。

そのため、折衝力は交渉力よりも駆け引きが重要です。なぜなら相手が妥協できるポイントを話し合いの中で探る必要があるためです。もし相手が絶対に妥協したくないポイントで折り合いをつけようとすれば、話し合いがさらに難航する恐れがあります。

 

折衝力と交渉力で欠かせない3つのポイント

 

折衝力と交渉力において欠かせないものとして、以下の3つがあります。

  • ラポール(信頼)形成
  • ヒアリング
  • 自分の意見の伝え方

折衝、交渉のどちらとも、まずは相手との信頼を形成することから始めましょう。いきなり議論から始めるのではなく、何気ない話をすることで信頼を形成しやすくなり、またアイスブレイクにもなります。

ヒアリングでは、相手の話にしっかり耳を傾け、何を求めているのか把握します。重要なのは、まず相手に話してもらうことです。相手の意見を聞いた上で自分の意見を述べるのが理想的な流れです。

最後に自分の意見を述べる際、簡潔かつ明瞭に話しましょう。冗長でとりとめもない内容だと、相手に「結局何が言いたいの?」という疑問を抱かせてしまいます。意見の伝え方は、プレゼンテーションを成功させる上でも重要な要素です。プレゼンテーションが上手い人ほど簡潔かつ明瞭に意見を述べています。

 

折衝力を持つことで得られる7つのメリット

折衝力を持つことで得られる主なメリットとして7つご紹介します。それぞれどのようなものなのか、1つずつ見ていきましょう。

 

1.コミュニケーション能力を高められる

コミュニケーション能力は、ビジネスシーンだけでなくプライベートにおいても欠かせないスキルの一つです。折衝力はコミュニケーション能力と大きく関係しているため、折衝力が高まることでコミュニケーション能力も高まります。

具体的には自分の要求をわかりやすく伝えられたり、金額や条件を具体的に提示できたりなどが挙げられます。抽象的なコミュニケーションから具体的コミュニケーションへ切り替わるため、相手側から見てもあなたの意見や考えに納得しやすいでしょう。

 

2.相手の考えや視点を汲み取って理解できる

相手と話し合う上では、相手の考えや視点を汲み取ることが必要になります。もし相手の気持ちやバックグラウンドを無視して自分の考えにばかり依存してしまうと、スムーズに折り合いがつかないかもしれません。

折衝力を持つということは、相手の考えや視点を汲み取って理解できるということです。相手のことを考えて動ける、話せることで、互いに異なる意見を解決へと導いたり、スムーズに妥協案が見つかったりといった結果が得られやすくなります。

 

3.柔軟な思考ができる

スムーズに相手と折り合いをつけようとしても、一気に解決できるのは珍しいケースです。特に相手との意見に乖離があるほど、妥協してもらえない可能性があります。そうなると最終的に、相手の意見に合わせざるを得ない場合も出てくるでしょう。

そこで必要なのが柔軟な思考です。折衝力を備えていれば、相手の意見とは異なる切り口で代替案を提案できるようになります。折衝力が高い人ほど具体的かつ明確な代替案が提示でき、相手からの納得も得られやすいでしょう。

 

4.物事をさらに深く分析できるようになる

異なる意見を持つ相手と話し合うには、多種多様な情報が必要です。それと同時に物事に対して深く分析する力が必要であり、折衝力と大きく関係してきます。

また上司や同僚と協力し合い、ビジネスにおける目標を達成する上でも分析力は重要です。現状やコミュニケーションで得られた情報をもとに意思決定する際、分析力が必要になります。

 

5.批判的思考ができるようになる

批判的思考とは、ある考えについて、事実を明らかにしながら多角的、論理的に考える思考のことで、クリティカルシンキングともいいます。「批判的」というとネガティブに聞こえるかもしれません。実際には、矛盾した事実はないか、事実をもとに考えていく手法です。

折衝力を持つことできちんと相手の意見に耳を傾けて正しい意思決定ができるようになり、またそれらは同時に批判的思考にもつながります。批判的思考ができることで、あらゆる物事に対して、なぜそうなるのか客観的かつ冷静に考えることができます。

 

6.顧客に適切なサポートができるようになる

折衝力は顧客への対応にも大きく影響を及ぼします。相手の立場や考えを踏まえたコミュニケーションにより、顧客に対して適切なサポートができるようになります。顧客ありきの考えができると、自身だけでなく会社全体の評価にもつながるでしょう。

こうした背景から、営業担当者は折衝力を持つべきといえます。営業担当者は直接顧客と接する場面が多く、ささいなミスで物事が円滑に進められない可能性もあります。そのため、顧客視点で考えられる、折衝力を持つ営業担当者は会社にも顧客にも有益な存在となり得るでしょう。

 

7.就職や転職でアピールできる

折衝力はビジネスシーンで大いに役立つため、就活や転職でのアピールポイントとしても有効です。履歴書に記載する場合には、実際のエピソードを盛り込みましょう。具体的な経験を伝えれば企業側にもその真意が伝わりますし、折衝力を持っている証明にもなります。面接においても同様で、エピソードを含めて簡潔にまとめましょう。

また、具体的に数値としてアピールできる成果があれば、より効果的です。折衝力を持っていることを明確に伝えやすくなります。

 

顧客折衝能力の構成要素

折衝力の中には顧客をメインとする「顧客折衝能力」があります。顧客と話し合いながら、互いに妥協点や折り合いをつけ合意点を見つける能力のことです。顧客折衝は営業シーンなどでよく使われる言葉であり、双方が目的・目標を達成できる関係性を構築するには欠かせない要素です。

顧客折衝能力がないと顧客の不満も蓄積され、友好かつ継続的な関係につながらないでしょう。顧客と接する仕事の場合、顧客折衝能力が大きなカギを握ります。

顧客折衝能力の構成要素としては、以下の4つです。

  • 傾聴力
  • 思いやり
  • 論理的な会話
  • 提案力

これら4つの要素はすべて持っておくべきスキルでしょう。顧客折衝能力は、営業職はもちろんのこと、接客業やシステムエンジニアなどでも重宝します。どの職種も顧客と深く接して相手の話を聞く必要があります。

中でもシステムエンジニアの場合は相手が専門知識を持っていないケースも考えられるため、難解な専門用語などをわかりやすくかみ砕いて伝えるスキルも必要です。

 

折衝力を高める方法

折衝力を高める方法は多種多様にあります。ここで主な方法をピックアップしてご紹介します。

 

ソフトスキルを磨く

ソフトスキルとは、共感力やコミュニケーション能力などのことを指します。ソフトスキルはどのような職種、職場でも求められる力です。むしろ持っていなければ職場で良好な関係を築けないかもしれません。

そのため、日頃からソフトスキルを磨きましょう。例えば常に前向きでいる、素直に同僚を褒めるなどが挙げられます。ソフトスキルの向上は、日常的な積み重ねが効果的です。

 

提案する場合は複数用意する

何かしら相手に提案する際は、一つではなく複数用意しておきましょう。案が複数あることで、自分が妥協できるラインと相手が妥協できるラインが見えやすくなり、スムーズに話が進みやすくなります。

また、いくつか提案できることで、相手の意見を汲み取った上でどの案が一番良いか選択できるメリットもあります。ただし、無理に自分の案を通そうとするのはNGです。こちらの意見を一方的に通そうとしても、相手からの反感を買う恐れがあります。あくまで話し合う前提で、優先すべきは自分の意見よりも相手の意見と考えておきましょう。

 

同僚や上司からフィードバックをもらう

折衝力を持っているかどうかは、実際に試してみないことにはわかりません。そのため、まず同僚や上司にフィードバックを求めてみましょう。フィードバックの内容によって、相手の気持ちを理解でき、実際に折衝力を持っているかどうかが確認できます。

また、同僚や上司のフィードバックによって、折衝力を高めるためのコツや今の自分に不足している能力なども把握できます。他の方法としては、すでに折衝力を持っている同僚や上司に、折衝力を高める方法について聞いてみるのも良いでしょう。

 

相手を深く知ろうと興味を持つ

折衝するには相手のことを考える必要があるため、相手に興味を持つことも大切です。相手に興味を持てば、相手が何を求めているのか把握しやすくなり、提案もしやすくなります。

また、常に他者の視点になって考えることも重要です。相手の視点を意識することで、相手の立場を踏まえたコミュニケーションができます。他者の立場に立って、寄り添うことができれば、自然と折衝力も高くなるはずです。

もし相手に興味を持ちにくい場合、相手の意見に自分が共感できるものがないか、共通点はないか探してみましょう。積極的にコミュニケーションを取ることで、次第に相手に対して興味を持つ糸口が見つかるかもしれません。

 

適切なあいづちを打つ

あいづちは折衝力を高めるためにも役立ちます。意識的に適切なタイミングであいづちを打つことで、自然と相手の話に寄り添えるでしょう。相手の話の流れに乗り、相手が何を求めているのかわかるようになります。

ここで重要なのが適切なタイミングです。タイミングが悪いと、相手は「きちんと話を聞いてもらえていない」と判断してしまい、最悪の場合、相手をイライラさせる原因にもなります。相手の話を途切れさせず、タイミングを見計らってあいづちを打ちましょう。

 

わかりやすい伝え方を学ぶ

日本語は英語と違い、結論が最後になりやすいものです。しかし、スピード感を求めるビジネスシーンでは「結論ファースト」といわれます。普段通りの話し方であれば、相手は「結局、結論は何なの?」と困惑してしまうでしょう。

そのためにも、わかりやすい伝え方を学ぶ必要があります。例として結論ファーストで考えるならば、PREP法がおすすめです。PREP法はライティングやプレゼンテーションなどで用いられているものであり、結論→理由→事例→結論という流れで簡潔にまとめていく方法です。

最初と最後に結論を伝えるため、聞き手としては何の話だったのか理解しやすくなります。また理由も事例も含まれているため、過不足なく必要な情報を把握しやすくなります。

 

まとめ

今回は、折衝力の基本情報や交渉力との違いなどについて解説しました。折衝力はビジネスシ―ン、特に営業職やシステムエンジニアなどの業種で役立ちます。折衝力を持つことで得られるメリットも多くあるため、ぜひ積極的に折衝力を磨きましょう。

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