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【上司のひいきに関する調査】「上司が特に可愛がる部下・後輩がいる」10名以上の組織で半数超え

「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2022年4月1日(金)「上司のひいきに関する調査」を行いました。
その結果、上司のひいきによって不公平を感じたことがある部下が約4割いること、不公平を感じる場面として「実際の成果に対して上司の評価(査定)が高すぎる」と半数の方が感じていることがわかりました。また、部下の約8割が上司のひいきが「組織に悪影響を及ぼす」と回答し、上司がチーム内で特定の人物を可愛がるなど、個人的な感情を含んで部下と接することにより、組織マネジメントに悪影響が出る恐れが明らかになりました。

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■調査背景

新入社員や中途採用者が入社する4月、組織改編があった会社も多いと思います。社員が気持ちよく、業務に集中して成果を出せる職場にするために、組織マネジメントの力でストレスの少ない環境をつくっていきたいものです。新しいメンバーとなり、改めてチームマネジメントプランを考えている管理職の方もいるのではないでしょうか。その際に注意したいのは、みなまで言わずとも指示を理解してくれる付き合いの長い部下や、特に可愛がっている部下にだけ特別な対応をしてしまうこと。気づかぬうちに部下から反感を買い、組織マネジメントがうまくいかなくなることも少なくありません。そこで上司のひいきで不公平を感じる場面や組織にどのような影響が出るのかなど、ひいきをする上司に対し部下・後輩が感じていることを調査しました。
報道の一資料として、是非ご活用ください。

■調査概要

調査対象:全国の従業員数10名以上の企業に勤める20歳~59歳の男女で、上司がいる一般社員・部下がいる管理職
有効回答数:300サンプル(男性237人・女性63人、管理職150人、一般社員150人)
調査期間:2022年4月1日(金)
調査方法:インターネット調査

■調査結果トピックス

・「上司が特に可愛がっている部下・後輩がいる」10名以上の組織で半数超え
・上司のひいきで不公平を感じたことがある人 38.7%
・不公平を感じる時「実際の成果に対して上司の評価(査定)が高すぎる」が最多
・ひいきによって81.5%の方が「人間関係が悪化する」と回答
・ひいきによる不公平エピソード…仕事ができないのに、社長に対してNoと言わない人をわざと部長に..

Q1. あなたはお勤めの会社で特に可愛がっている部下や後輩がいますか(単数回答、n=150 ※管理職)

管理職の方に会社に特に可愛がっている部下・後輩がいるか聞いたところ、約半数の48.0%が「いる」と回答しました。所属するチームの人数別に見ると、特に可愛がっている部下・後輩が「いる」の割合が「10名未満」で38.3%、「10名以上」で半数以上の59.4%でした。
チームが10名以上だと「特に可愛がっている部下・後輩がいる」割合が高くなることがわかります。

Q2. あなたが部下や後輩を可愛がっている理由をお答えください。(複数回答、n=72 ※管理職)

Q1で「特に可愛がっている部下や後輩がいる」と回答した方へ理由を聞いたところ、最も多い回答が「素直な性格だから」59.7%でした。次いで「向上心があるから」41.7%、「積極性があるから」37.5%でした。その他「伸びしろに期待できるから」36.1%、「優秀だから」34.7%の回答が3割台となっています。

Q3. あなたが可愛がっている部下や後輩の成績についてお答えください。(単数回答、n=72 ※管理職)

Q1で「特に可愛がっている部下や後輩がいる」と回答した方へ、可愛がっている部下・後輩の成績について聞いたところ、「成績が良い」33.3%、「どちらかと言えば成績が良い」54.2%で合わせると87.5%の方が部下・後輩の成績が良いと回答しました。
Q4. あなたが所属するチームで上司から特に可愛がられていると思うメンバーはいますか。(単数回答、n=150 ※一般社員)また、上司から可愛がられる社員の特徴は何だと思いますか。(複数回答、n=150 ※一般社員)

一般社員に所属するチームで上司から特に可愛がられていると思うメンバーがいるか聞いたところ、「いる」と回答した方が全体の36.7%でした。チーム人数別で見ると、Q1の管理職の「特に可愛がっている部下・後輩がいる」の結果と同様に、チームの人数が10名以上になると可愛がられているメンバーが「いる」の割合が高く、半数近くになることがわかりました。また、上司から可愛がられる社員の特徴について聞いたところ、1位「上司に逆らわない」38.0%、2位「要領が良い」37.3%、3位「口がうまい」31.3%でした。同僚からすると上司に可愛がられる社員は「上司に逆らわない」ことで、うまくやっていると感じるのかもしれません。

Q5. あなたはチームメンバーに対する上司のひいきで不公平を感じたことがありますか。(単数回答、n=150 ※一般社員)また、どのような時に上司のひいきで不公平を感じますか。(複数回答、n=58 ※一般社員)

チームメンバーに対する上司のひいきで不公平を感じたことがあるか聞いたところ、「ある」が38. 7%と、4割近くの方がひいきによって不公平を感じていることがわかりました。また、不公平を感じたことがあると回答した方へ、どのような時に不公平を感じるか聞いたところ、「実際の成果に対して上司の評価(査定)が高すぎる」が56.9%で最も回答が多くなりました。次いで「上司の態度が明らかに違う」41.4%、「任される業務内容が明らかに違う」29.3%でした。

Q6. あなたの上司がチームメンバーに対してひいきをしたことで不公平を感じたエピソードをお答えください。(自由回答、n=58 ※一般社員

●同じ業務内容、同じような成果で賞与査定に納得できない差があったこと。(38歳 男性/一般社員)
●口調が違う。(25歳 女性/一般社員)
●同じことをしているのに怒られる人とそうでない人がいる。(40歳 女性/一般社員)
●仕事の割り振りに差がある。 (43歳 男性/一般社員)
●同じ相談をしても私に対する態度と、チームメンバーに対する態度が明らかに違い不快な思いをした。(36歳 女性/一般社員)
●仕事はできないが社長に対してNoと言わない人をわざと部長にしている。役職者は給与が高いため、部長より仕事ができても、どんなに売上を上げても、他の社員は社長に服従する部長より給与が低くなる。 下の人間は、仕事を頑張れば頑張るほど損をし、会社には利益が残るようになっていると感じる。(43歳 女性/一般社員)
●1度決まったことを、可愛がられている社員がごねたらチャラになった。そのせいで周りが振り回されて迷惑を被った。(32歳 男性/一般社員)

上司のチームメンバーに対するひいきで不公平を感じたエピソードを聞いたところ、人によって態度を変える、待遇が明らかに違うといった回答が挙げられました。上司のひいきによって、部下の気持ちや生活に関わる給与査定にまで影響を及ぼしていることがうかがえます。

Q7. あなたは上司のひいきによって組織に悪影響を及ぼすと思いますか。(単数回答、n=150 ※一般社員)また、上司のひいきによって具体的にどんな悪影響があると思うかお答えください。(複数回答、n=119)

上司のひいきによって組織に悪影響を及ぼすと思うかお聞きしたところ、「そう思う」35.3%、「ややそう思う」44.0%をあわせると約8割の方が悪影響を及ぼすと回答しました。また、「悪影響を及ぼすと思う」と回答した方へひいきによってどんな悪影響があると思うか聞いたところ、「人間関係が悪化する」が81.5%、「仕事への集中力が下がる」が33.6%、「離職が増える」が31.1%でした。上司が特定の部下や後輩を特に可愛がるなど、ひいきをすることで、職場の人間関係の悪化を招き、部下の業務にも悪影響を与え、チームのマネジメントがしにくくなることが懸念されます。

【調査結果まとめ】

―チームメンバーが多いほどひいきは起きやすい
本調査において、特にかわいがっている部下がいると回答した管理職は48.0%、可愛がられているメンバーがいると回答した部下は36.7%でした。興味深いのは、チームのメンバー数が10人を超えると「可愛がられているメンバーがいる」の回答者の割合が、上司部下ともに半数近くいます。メンバーが多いほど、上司としては全員を公平に管理するのが難しくなり、ひいきが起きやすくなってしまうと考えられます。

不公平を感じたことがある社員は約4割
チームメンバーに対する「上司のひいきで不公平を感じたことがある」と回答したのは38.7%に及び、「どのような時に上司のひいきによる不公平を感じるか」の設問に対して、「実際の成果に対して上司の評価(査定)が高すぎる」が56.9%で最も回答が多くなりました。次いで「上司の態度が明らかに違う」41.4%、「任される業務内容が明らかに違う」29.3%等が続き、業務に関する不公平と、コミュニケーションにおいて不公平を感じているようです。

上司の”ひいき”が組織運営に与える影響
「上司の評価(査定)が高すぎる」の影響としては、公平な評価が行われないことによって成果を出そうという部下の意欲が削がれることになります。
上司に気に入られる社員の評価が高くなると、メンバーは成果を出すのではなく、上司に気に入られることに注力するようになります。
また、コミュニケーションに関する不公平でもメンバーの行動やメンタルに悪影響を与えます。「態度・口調が違う」場合、ぞんざいな態度で部下に接していれば、必要な報連相をメンバーが怠るようになります。「同じことをしているのに怒られる人とそうでない人がいる」場合、何がOKで何がNGなのか判断がつかず、確認のタイムロスや精神への負担が生じます。
上司が“ひいき”をすることでメンバーが成果を上げようとしなくなったりささいな業務でも部下にタイムロスが生まれるようになったりし、悪影響がうまれやがて会社の業績をも傾けていくのは想像に難くないでしょう。

不公平を感じる原因
そもそも会社は、成果及び利益を上げることを目的とした組織です。成果を上げるために上司の指示に従うわけですが、その上司が、成果ではなく個人的な好き嫌いでメンバーを評価しているので、組織の目的と評価対象がマッチせず、不公平感が生まれます。また、割り切って上司に気に入られようとしても、上司の好みが公開されているわけではないので、どのように振る舞えばいいかもわかりません。つまり目指すべき目標が不明瞭なことも、不公平感を生む要因の一つです。

不公平感を取り除くには?
ひいきをやめ、不公平感を取り除くにはどのようにすればいいのでしょうか。それは「ルール」「結果」のみでメンバーをマネジメントすることです。上記の通り、不公平感が生まれる原因は二つ「会社の目的と評価がマッチしていない」「目標が明確ではない」になります。これらをクリアにするための「ルール」と「結果」を明確にします。
まず「ルール」ですが、正確に言うならば「成果を上げさせる為に必要だと上司が判断したルール」を明文化することになります。これを守ることによって、成果を上げることにつながりますし、明文化されているのでどう行動すればいいか迷うこともありません。
「結果」も同様です。結果は仕事の成果そのものですし、予め明確な目標を設定しておくことでメンバーは目標達成に向けて行動します。この際に重要なのは、プロセスは評価せず結果のみを評価することです。なぜなら、プロセス評価は数値のように明確ではなく、人によって認識・解釈にズレが起こりうるからです。その点、結果評価なら、達成したかどうかが明確で個人によって判断が分かれるといったことはありません。「プロセスも評価してあげたいんです」という意見は一見優しそうに聞こえますが、実はひいきを生み出してしまう危険性を孕んでいるのです。「ルール」と「結果」を明確にし、マネジメントをする。これだけでひいきや不公平を防ぐことができます。

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