「仕事のやる気が出ない…」そんな風に悩むことは多いのではないでしょうか?
PRESIDENT Onlineによると、日本の会社員のやる気は世界最低。やる気が出ないことが理由で退職をする方もいらっしゃいます。
実際に仕事の現場において、自分自身のモチベーションが下がってしまうことがあると思います。そんなとき私たちはどうすればよいのでしょうか。
ひとつのヒントとして、「ファイナル・クロージング」を思い出すと、自分の心の駆動力を高めてくれます。そんな話を書きたいと思います。
そこで本記事では、仕事のやる気が出ない理由、その対処方法についてわかりやすく解説します。
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「仕事のやる気」が出ないと悩む人は世界最低
世論調査、人材コンサルを実施する米ギャラップ社によると、日本のやる気のない社員は全体のうち70%。139カ国中132位と世界最低レベルです。
仕事のやる気の低迷を生み出すのは実は「やる気のない社員」。つまり、日本ではやる気のない社員たちが、新しいやる気のない社員を生み出す「負のスパイラル」が続いているのが現状です。
それでは、なぜこうした事態へと発展してしまうのでしょうか?
仕事のやる気が出ない原因
仕事のやる気が出ない原因は以下の5つに分かれます。
- ストレスを感じる
- 人間関係に疲れた
- やりがいを感じない
- プライベートでの悩みがある
- 給与が安い
それぞれの原因について以下解説します。
ストレスを感じる
「ノルマ」「業務過多」「連続勤務」が重なり心身が疲労すると、ストレスを感じるようになります。こうした小さなストレスが積み重なると、仕事へのモチベーションが低下する恐れがあります。
人間関係に疲れた
「同僚との関係性が悪化している」「上司との情報伝達が円滑に行えない」。
上記のような事態が続くと、人間関係に疲弊し仕事へのモチベーションが悪化することがあります。
仕事へのやりがいが強くとも、上記が原因で仕事に熱が入らなくなってしまったという方はよくいます。
やりがいを感じない
仕事自体にやりがいを感じないと、仕事へのやる気がなくなってしまうことがあります。特に多いのが、理想と現実の仕事が違ったというパターンです。
その他、思った以上に仕事が激務だった場合や、その逆に簡単すぎた場合などにも仕事へのやる気が落ちてしまう恐れがあります。
プライベートでの悩みがある
プライベートへの悩みがある場合、仕事まで気が回らなくなることがあります。
一過性のものであれば良いのですが、そのプライベートの悩みが企業と間接的に関係がある場合、本人の問題を取り除かない限りはしばらく仕事へのやる気が戻らなくなる恐れがあります。
給与が安い
給与が安く、実際の業務量との採算が合わない場合には、仕事へのやる気がなくなる場合があります。
上記の事態が長期化すると、優秀な社員が流出する恐れがあるので、正当な評価を出す必要があります。
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「モチベーション神話」はあてにならない 人材マネジメント”そのもの”に目を向けよう仕事のやる気が出ないときの解決策:「ファイナル・クロージング」とは?
ファイナル・クロージングとは、営業やセールスの言葉です。一般に、営業は認知を拡大して商談をし、お客様に決断を促して成約します。
この成約をうながす言葉がクロージングで、そのクロージングは「テスト・クロージング」と「ファイナル・クロージング」に分類できます。
営業の名著『お金と心を動かす会話術』(浅川 智仁 著)によると、ゴール、つまり成約が建物の10階に登ることだとすると、テスト・クロージングはお客様がいま何階にいるか確認することです。
「○○さま、いま何階におられますか!?」と確認するということ。
そして、お客様がまだ3階にいるのに、ファイナル・クロージングをかけてはいけないのであり、同時にファイナル・クロージングは、9階にいることがわかったら、あと1フロアをサポートすることでもあります。そんなふうに、浅川さんは定義しています。
ファイナル・クロージングのあとのWhyとは?
お客様に決断を促す。それが営業の極意であり、そのサポートをするのにさまざまな会話を用いるというのが、この『お金と心を動かす会話術』の内容です。
お客様と接する最前線の仕事において、いかにコミュニケーションが大切で、配慮の行き届いた言葉が重要であるか、事例を用いて紹介されています。
そこで、ファイナル・クロージングのあとに「Why?」を問いかけることが推奨されています。
ファイナル・クロージングのあとのWhyとは、お客様が「わかりました、あなたに決めます」とか「契約します」といったあとに、「Why?」つまり「なぜ、私を選んでくれたのですか?」と聞くことです。
ファイナル・クロージングは営業の終わりを意味しますから、そこがゴール、つまり建物の10階なはずです。営業にあたって、ゴールに到達したら達成のはずですが、なぜその後にまで、「Why?」が必要なのでしょうか。
実は、浅川さんの本にはありませんが、そこに大きなヒントが隠されていると筆者は考えています。それが、心の駆動です。
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コミュニケーション能力とは?高い人が意識していることや能力向上法仕事のやる気:心を駆動するとは?
モチベーションは内面から、仕事力は内側から生まれると冒頭に書きました。
しかし、つねに100%全力で、そしてモチベーションを高く維持し続けられる人はごくわずかしかいません。誰しも、すこし悩んだり落ち込んだり意味を見いだせなくなったりして、仕事の意欲が下がってしまったり、また再びやる気がでたりということがあるのではないでしょうか。
そこで、ファイナル・クロージングのあとの「Why?」を思い出します。
ファイナル・クロージングのあとは、もっともお互いのモチベーションが高まっている瞬間です。
契約が成立し、これからお客様の夢に向かって一緒に歩みだそうと考える、そのタイミングにモチベーションを高めるヒントがつまっています。
お客様に聞いてみましょう!
数ある競合のなかから、なぜ自分を選んでくれたのか?どうして自分だったのか?何が決め手となったのか?ファイナル・クロージングの後ならば、お客様も気分が高揚していますので、いろいろな心の内側を打ち明けてくれることでしょう。
それを、困ったときの心の駆動力に使います。
お客様との結びつきを思い出して、モチベーションにするのです。10代20代に流行った言葉で「エモい」という形容詞があります。そのエモさとは、結びつきのことだと『人を操る禁断の文章術』(メンタリスト DaiGo 著)では定義しています。
そのエモさ、つまり結びつきは、ファイナル・クロージングの後に隠されているのです。よって、成約したと喜んでいてはいけません。お客様に聞いてみるのです。
仕事のやる気を高めるお客様の言葉の例
では、心の内的動機、モチベーションを高めてくれるお客様の言葉の例をみていきましょう。
「誰よりも熱心だったから」
「仕事への情熱に共感したから」
「素朴な話しぶりに惹かれたから」
など、さまざまな言葉をかけてくれることでしょう。
そこに嘘は混じらないと考えられます。なぜなら、お客様自身も、これからまっさらな気持ちで、プロジェクトを進めていこうという気持ちになっているからです。
そこにヒントが隠されています。その後のさまざまなタイミングにおいてモチベーションが下がったとき、
「あのお客様は、私を素朴だと評価してくれた」
と、思い出して気持ちを駆動できます。
なぜ、これが有効なのか。
それは、モチベーションややる気というものは、物語で動くところがあるからです。
その物語を、小さく自分の中に作るのです。自分の中にだけでは不安定ですから、お客様を巻き込んで、自分とお客様の結びつきを思い出し、モチベーションを再起動していきます。
営業パーソンだけでなくあらゆるビジネスパーソンのやる気を高める
これは営業パーソンだけでなく、あらゆるビジネスパーソンのメンタルハックとして応用できます。お客様に接しない部署であれば、自分を採用してくれた人との面接の終わりがファイナル・クロージングに相当します。
仮に社内の部署であれば、昇給時の面談の最後など、なぜ評価してくれたのか、採用してくれたのか、ファイナル・クロージングと同様に、自分の心の機動力になってくれるのです。
まとめ
お客様と自分。周りの人と自分。そんな小さな関係性、小さな物語は、ファイナル・クロージングの後に眠っています。
それを発掘して宝物として埋めておりば、つらいときに掘り出して宝物の輝きをみることができるのではないでしょうか。
心の動きも、モチベーションも、科学的思考を持ち込んで解明することができます。ビジネスに科学を持ち込むことこそが、いま、日本のビジネスシーンに必要なことではないでしょうか。
今回のモチベーションを高める方法は、科学的なアプローチで誰しも再現可能です。日頃から、後々を考えて行動することが大事であり、お客様との商談の最後にこそ、その後の自分を助けてくれる最高の宝物が埋まっているという話でした。
最後になりますが、これを「クリスタライジング(結晶化)」と心理学者のハワード・ガードナーは定義しています。クリスタル化ですから、文字通り、仕事人生の宝物なのです。
筆者:名もなきライター
Webライター歴5年。ライター業をビジネスととらえ、我流ながらマーケティング戦略で売上を伸ばし、ランサーズのトップライターになった実績あり。
ツイッター: https://twitter.com/writer_noname
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参照
「電話だけで3億円売った伝説のセールスマンが教える お金と心を動かす会話術」浅川智仁 (著)
「人を操る禁断の文章術」メンタリストDaiGo 著
「FUTURE INTELLIGENCE これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣」(スコット・バリー・カウフマン 著
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