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「みんながヒーローになれる会社を作る」|株式会社樋口総合研究所 代表取締役 兼 CEO 樋口 陽平 氏

「みんながヒーローになれる会社を作る」を理念に掲げている株式会社樋口総合研究所。企業へのシステム支援を中心に、インフラ事業やオープンシステム事業、さらにはコンサルティング事業を手掛けている。同社を率いる代表取締役兼CEOの樋口陽平氏に、識学導入に至るまでのきっかけや導入後の社内の変化について、話を伺った。

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SEも人間。使い捨てられる状況を何とかしたいと思った。

御社の事業内容についてお聞かせください。

樋口総合研究所 代表取締役兼CEO 樋口陽平様(以下樋口):当社はシステム開発を中心にIT全般について、企業様へのシステム支援を行っております。システム開発のPMO、立て直しなど、そういったところへ主に業務委託契約と派遣契約を含めて人材を取引先や派遣先に出している、というビジネスです。一般的なSESですね。

起業に至るまでの背景をお聞かせください。

起業したいという漠然とした思いはあったのですが、何がしたいのか分からないまま証券会社で働いたり、派遣社員やライン工、コールセンターなど、様々な職場を経験したりました。

 ある時、SESの会社に働いたことがきっかけで、SEの働く環境に疑問を感じ、SEも人として大切に扱われる世の中になればいいと思って起業しました。

 使命感で起業したというと聞こえはいいですが、会社として安定するまでは僕自身もエンジニアとして働いていて、まさに自転車操業です。2年くらいが経ち、社員が増えてきたので僕は経営と営業に専念するようになりました。

増えていく離職率。規模拡大へ向けて社内整備を決意。

識学を導入いただいた経緯についてお聞かせください。

樋口:会社設立後は社員を増やしていきました。自分以外の営業も増やし、2年ほど前には従業員の数もトータルで130人くらいまで増えました。売上も順調だったので、みんな幸せだと思いこんでいました。

 それに、なるべく一人ひとりの社員の都合に合わせて待遇と言いますか、たとえば会社を休みやすくしたり、給与の相談も個別に受けていたりしましたので、自分としてはホワイト企業だと思っていました。確かに規模が小さかったときはこれでうまくいっていたのですが、人数が増えていくに連れて、個別対応はそのまま不満に変わっていきました。

 「何であの人だけ優遇されるのか」という種類の不満です。その結果、何故かやめていく人が多く、離職率は30%を超えていました。エンジニアが使い捨てられない社会を目指しているのに、これでは本末転倒だと思って、考え方を変えました。

放任と自由の区別がついていなかったのですね。

はい。

 みんなが好きなように働けたらいいと思って個別対応していたのですが、それは言い方を変えれば無責任な放任スタイルなんですよね。本来、自由には責任がついて回るものなので、やるべきは責任を明らかにした自由スタイルでした。

 もう一つあるのが、SESという職種です。弊社のSESは自由に考えるというよりも、ゴールに向かって直向きに歩みを進めていくタイプの仕事ですので、自由は性に合わないというのもあったのではないかと思います。

 また、それぞれの職務を丁寧に説明してなかったというのもありました。

 「はい、あなたは取締役」
 「君は来期からリーダーでお願いします」
 と、単純に役割を提供していただけでした。

 要は組織的には問題だらけだったのです。

 その時に、ここから先同じように人を増やしていっても、また同じ問題が起きてしまう。今後規模拡大をしていく中で、社内の整備をする必要があると感じました。

 社内整備は売上とは直結しない部分、内部の問題なので、どうしてもコストが気になっていました。なのでなるべく自力でやろうと、片手間ではありましたがいろいろとチャレンジをしました。けれど、結局きちんとした制度化は出来なかった。

 外部の方を、コンサルタントを入れることに抵抗のある企業は当社も含め多いと思いますが、自分でやることに限界も感じていました。すでにコンサルタントを導入している企業の社長に話を聞くと、会社の成長のためなら手段を択ばずにどんどん外部の人を入れて費用もかけた方がいい、と聞いて、自分のこだわりを捨てて導入をすることに決めたんです。

当時の御社の問題点としては、離職率が挙げられるのでしょうか。

樋口:離職率はひとつの結果でしかありません。

 なので、要は組織運営、つまり経営の本質部分だと思います。組織には役員がいて、部署にはリーダーをつけるということを、あまり考えないでやっていた部分もあると思います。本当にやらなくてはいけなかったのは、樋口総研らしい組織とは何かを考えることでした。

 そんなとき、識学さんと出会ったんです。

識学導入後、最初に現れたのは「社員の意識の変化」だった

識学を導入して、その問題は解決されたのでしょうか。

樋口:初めは識学のルール、規則や評価制度、組織のルールを導入したいというのが目的だったのですが、副産物的に社員の意識、考え方に変化がありました。

 社長は積極的に外に出て、評価をされることが役割だということを、社員が少しずつ理解をしていってくれました。全員がそうだとは言えないのですが、だんだん多くの人が理解を示してくれるようになったことが大きいですね。

 僕が何かの対応をしている時に、これは自分がやるべきことだ、という風に思って行動してくれる人が増えてきました。結果的に、それぞれの役職や役割が果たすべきことが違うということが伝わりました。これからはさらに役割について話していくつもりです。

社員の意識が変わったのですね。

樋口:今までは、社長がやらなくても良いようなことをしたときも、「ありがとうございます」だけで終わっていたんです。でも今は「そういう風にしてもらったことが申し訳ない」と思ってくれるようになりました。ありがたいことですね。

その辺りも、部下側の組織内での立場の理解というものが進み、汲み取ってもらえるようになってきた、ということでしょうか。

樋口:今は目標設定した上で任せて、進捗管理をすれば、基本的にその役割の人がきちんとやってくれるようになりました。ある程度責任が明確になったということもあると思います。

 指示もしやすくなりましたね。

 この仕事は社長の仕事、その仕事は誰々の仕事、ということがはっきりわかるようになったので。今まではそこが曖昧だったんです。

 識学を導入すればするほど、学べば学ぶほど、それぞれの役割が明確になり、結果的にいい意味で仕事が減っていきました。

思い切った人材への投資を可能にしたのは、識学の導入

識学のデメリットというものはありましたか?

樋口:ほぼないと思います。

識学導入の効果として、残業時間の減少や利益率が向上するなど、その点はいかがでしたか?

樋口:残業時間についてはもともとIPOを目指そうというところがあったので、識学導入以前から残業時間は厳しく見ていたのでそこまでの減少はないのですね。

IPOをしたいというのも、識学導入のきっかけになったのでしょうか。

樋口:IPOをしたいから導入した、ということではないですね。IPOも結果なので。

これからもこの程度の事業規模でいい、という計画だったら識学を導入していませんでした。これから200人300人、いずれは1000人と社員を増やして会社をさらに成長させていきたいと思っています。

そこに対応するには規模に耐えられる内部や組織作り、評価制度にしないといけないので、そのために導入したという部分も大きいです。これからも成長させていきたいので。

これからの御社の展望についてお聞かせください。

樋口:会社を大きくしていきたい、という思いは強いですね。識学さんに負けないように(笑)
むしろ識学さんよりも成長して、いずれは貢献出来るような会社にしていきたいと考えています。

 識学導入以降、採用で迷わなくなったという点も利点の一つです。以前は人間性重視とは言いつつも、その人のスキルに惹かれて見てしまう部分もありました。けれど現在は研修制度も作ったので、本当に人間性だけで見て、よければすぐに内定を出せるんです。教育は社内で出来ますから。

 今までは5,6人を急に採用すると誰がフォローするのか、という問題もあり、結局僕も関わらなければいけなかった。それが大変で採用人数も調整していたのですが、この部分の役割分担が明確になったことで思い切って採用出来るようになりました。

 入社後の彼らのフォローがうまく出来なければ辞めてしまうのではないか、という恐れのようなものもあまりなくなりましたね。

 

 2021年11月には6人が入社し、12月は2人、2022年1月は9人、さらに2月から4月までに12人入社予定で、5月まで合計40人の入社計画も立てています。


思い切った投資が出来るのも識学導入の成果と言えると思います。

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