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経営戦略とは?策定方法と役立つフレームワークもあわせて解説

経営者

経営戦略の立て方がわからない
本記事では経営戦略の手順までわかりやすく解説しています。

専門家

「経営には経営戦略が大事」ということはわかっていても、具体的にどうすればいいのかわからずお困りではありませんか?

経営戦略とは、企業が持続的に競争優位性を確保するための施策全般のことを指しますが、何をすればいいのかは企業によって異なります。

このため、自社の事業に合わせ、経営戦略のフレームワークを使いこなすことが大切です。

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経営戦略とは?

経営戦略とは?

経営者

経営戦略ってなんのこと?

経営戦略とは、企業が持続的に競争優位性を確保するための施策全般のことです。

もともと軍隊で使われていた戦略(Strategy)という言葉が、A.D.チャンドラーらによってビジネス分野でも使われ始め、現在ではビジネス用語として用いられるようになりました。

経営者

とはいっても、抽象度が高すぎて何をすればいいのかわかりません。
そのため、多くの場合はフレームワークに則って経営戦略を決定します。

専門家

後述しますが、経営戦略に役立つフレームワークには以下のようなものがあります。

  • アンゾフのマトリックス
  • BCG-PPM
  • SWOT分析
  • 3C分析
  • PEST分析
  • 5Fs分析
  • シナリオ分析
それぞれのフレームワークの違いを理解するのが大切ということだね。

専門家

経営戦略の目的

経営戦略の目的は、自社の最終的な目標達成を実現するために、自社リソースを最適化することにあります。

会社の三大リソースとして、人、モノ、金が挙げられますが、当然全てのリソースを無制限に事業に投下できるわけではありません。

このため、自社がやるべきことを明確化、順位づけし、組織内部の改革、外部に対する施策を決定する必要があります。

関連記事:「ヒトモノカネ」+「情報」がマネジメントに大切!組織が成長するために必要なこととは?

戦略と戦術の違い

経営戦略と似た言葉に「経営戦術」という言葉があります。

しかし、戦略と戦術は「規模と具体性」の観点から大きく異なります。

戦略は、物事を大局的に捉えてマクロ的視点から組織行動を計画します。その一方で、戦術はミクロの視点から具体的な施策を検討します。

「戦略」が抽象度が高くてわかりづらいというのは仕方がないことなんです。

専門家

関連記事:「組織は戦略に従う」をわかりやすく解説!チャンドラーの意味する経営戦略とは?

経営戦略と経営計画の違い

経営戦略と経営計画の違い

経営計画とは、企業が決定した目指すべきビジョンに到達するために、具体的なマイルストーンを設定し、その達成のための計画を立てることをいいます。

具体的には以下の3つが挙げられます。

  • 長期経営計画
  • 中期経営計画
  • 短期経営計画

それぞれ経営戦略を決定した後に立てられるものであるため、経営戦術と同様、経営戦略の下位概念になります。

ただし、経営計画は投資家が企業に対し投資を検討する重要な指標にもなるため、上場を目指す企業は念入りに経営計画を立案することが多いです。

経営戦略とマーケティング戦略・営業戦略の違い

経営戦略とマーケティング戦略・営業戦略の違い

マーケティング戦略、営業戦略とは、経営戦略の元に展開される戦略です。

例えば、自社の顧客のLTV(顧客生涯価値)を向上させるための施策を検討し、実施していくのがマーケティング戦略。

見込み顧客に対し自社の営業のリソースを適切に配分するのが営業戦略に該当します。

ただし、マーケティング戦略も営業戦略も機能的な戦略であり、経営戦略で決定したことを達成するための手段でしかありません。

したがって、経営戦略が決定しない限り、マーケティング戦略も営業戦略も立てることはできません。

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経営戦略の必要性

経営戦略の必要性

それでは、なぜ経営戦略は重視されているのでしょうか?

ここには以下3つの現在の社会情勢があります。

  • VUCAの時代
  • 少子高齢化問題
  • 破壊的イノベーションの登場

VUCAとは、以下4つの頭文字を取ったものです。

  • Volatility:変動性
  • Uncertainty:不確実性
  • Complexity:複雑性
  • Ambiguity:曖昧性

つまり、いまは何が起こるか予想もつかない時代だということです。とくに2020年以降企業を取り巻く環境は、新型コロナウイルスにより大きく変化しました。

今まで当たり前だったオフィスワークはリモートワークへと姿を変え、気づけばオンラインでのやりとりが普通になりました。

経営戦略が時代に適合して変わることを意味するならば、今こそ経営戦略の立て直しが必要な時期だということを示します。

また、VUCAは後の2点、少子高齢化と破壊的イノベーションとも関わりがあります。少子高齢化が問題になる中、企業は生産性の向上に努めなければなりません。

一方で、日本の生産性は世界と比較すると低く、今後ますます経営へのテコ入れが必要になります。

かかる状況下で、破壊的イノベーションを生み出すUberなどの振興企業により、既存の業界が破壊されるということも起きています。

経営者

時代背景から、経営戦略は企業の存続のために必要不可欠なものとなっているんだね。

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経営戦略における3つの戦略

経営戦略における3つの戦略

実際に策定をしていきましょう。

専門家

経営戦略は以下の3つに大別されます。

  • 全社戦略(企業戦略)
  • 事業戦略
  • 機能戦略

それぞれ、全社戦略→事業戦略→機能戦略の順で戦略を策定するのが一般的です。

全社戦略(企業戦略)

全社戦略とは、「自社の中心の核となる事業」や「成長目標」などの会社全体としてどのように成長して行くかを描くものです。

  • リソースの配分を決定する
  • 事業領域を決定する
  • 成長戦略を決定する
  • 企業の長期的なドメインの決定
  • 企業哲学の浸透

上記が全社戦略に該当します。

自社の利益をどの事業で出すのかを明確に定め、自社のドメインを明確に定義、そして成長戦略を描くことが会社戦略の目的とします。

事業戦略

事業戦略とは、各事業レベルで戦略を策定することを意味します。

近年はコングロマリット型の企業も多く存在しているため、全体戦略のみでは各事業を統率することはできません。

このため、会社戦略を決定し、自社のリソースの配分が決まった後で事業戦略の策定をします。

会社によっては会社戦略が明確に定まっていないのにも関わらず、先に事業戦略を策定するケースもありますが、会社戦略を決定してはじめて注力分野が決定するため、先に会社戦略を立てておくことをおすすめします。

事業戦略には具体的に以下のようなものが挙げられます。

  • ビジョンと事業目標の決定
  • SWOT分析
  • 市場の選定
  • 事業モデルの設定

事業戦略では、各事業の現状分析を実施します。なお、事業戦略を策定する際は、以下の経営戦略論を元にする場合が多いです。

  • ポーターの基本戦略
  • コトラーの戦略

その後、戦略をいつまでに実行するか、その目標値をどうするかを定量的に判断するために、中期経営計画などの計画策定が為されます。

ポーターの基本戦略とは、企業の取りうる戦略は「コストリーダーシップ戦略」「差別化」「集中」の3種類に分けられるという考え方です。

まず、「コストリーダーシップ戦略」は業界内で最もコストを安くできる企業のみ選択できる戦略です。具体的には、業界1位の企業がコストリーダーシップを選択すべきと言われることが多いです。

具体的には、サプライチェーンの効率化や自動化などの選択をすることで、コストの削減が見込めます。

業界1位の企業の場合、経験曲線効果やスケールメリットが働きやすいため、そもそものコストが削減しやすいメリットがありますが、それに加えてさらに最適化を図ることで他社に追随されないコストの実現ができます。

一方で、差別化戦略や集中戦略は弱者に与えられた選択肢です。これを別の用語でランチェスター戦略と呼ぶこともありますが、コストで勝てない分、特定のニッチな部分の顧客層のみを狙ったり、リソースを一分野に絞ることで大手に真似できない強みを発揮できます。

コトラーは『マーケティング・マネジメント』などを書いた戦略策定の有名人で、ポーターと双璧を為す学者です。コトラーが説く事業戦略では、企業を以下4つに分類します。

  • リーダー企業
  • チャレンジャー企業
  • ニッチャー企業
  • フォロワー企業

リーダー企業とは業界シェアNo.1の企業のことで、チャレンジャーはそんな業界シェアNo.1に挑戦する企業のことです。

ニッチャーとは大手が参入できないようなニッチな分野のシェアを獲得している企業のことで、フォロワー企業はその他の企業全てという意味です。

リーダーであれば全方向への戦略を取ることでシェアの死守が求められますし、チャレンジャーはリーダーとの差別化を上手くはかりながら、リーダーのシェアを獲得することが求められます。

また、ニッチャーは集中戦略を取ることでニッチ分野でのトップシェアを獲得すべきです。

このように、自社の立ち位置によって具体的な戦略が変わります。

関連記事:「ポーターの競争優位の戦略」とは?3つの戦略の基本とリスク、中小企業が活用するべき理由

関連記事:【考え方】事業戦略とは?策定方法や立案に必要なフレームワーク9選と事例紹介

機能戦略

機能戦略とは、事業内での企業活動を細分化し、効率的に事業を展開するために必要な施策の検討をすることです。

  • 研究開発
  • 購買
  • 営業
  • 物流
  • 販売

上記の最適化を図るのが機能戦略です。

機能戦略を策定する際は、ブルー・オーシャン戦略、ランチェスター戦略などを参考にすることができますが、個別の企業により最適な企業は異なるため注意が必要です。

関連記事:ランチェスター戦略とは?弱者が強者に勝つための方法を解説

経営戦略に役立つ7つのフレームワーク

経営戦略に役立つ7つのフレームワーク

経営戦略に役立つのは以下7つのフレームワークです。

  • アンゾフのマトリックス
  • BCG-PPM
  • SWOT分析
  • 3C分析
  • PEST分析
  • 5Fs分析
  • シナリオ分析

事業によっては役に立たないケースもありますので、自社にあうフレームワークを使用してください。

アンゾフのマトリックス(全社戦略)

アンゾフのマトリックス(全社戦略)

アンゾフのマトリックスは会社の成長戦略を決定するのに役立つフレームワークです。

以下のように項目を分けて、自社の成長戦略を検討します。

「市場浸透」は既にある商品と既にある市場を組み合わせた企業戦略であるため、これ以上の拡大が見込めず、また「多角化」は新たな市場を切り開いて新商品も開発を同時にしなければならないため、現実的ではありません。

まずは、「新市場開拓」「新商品開発」を検討するのが一般的です。

専門家

関連記事:【事例つき】問題解決に使える5つのフレームワーク

BCG-PPM(全社戦略)

BCG-PPM(全社戦略)

経営者

どこにどの程度リソースを使おうかな…

自社のリソースの配分を決定する際は、BCG-PPM分析を行うのが有用です。

複数の事業がある場合には、その事業のポジションをBCG-PPM分析することで、どの事業に力を入れるべきなのかがわかります。

自社のキャッシュフローに余力があるなら「問題児を育てるべき」「花形を成長させて金のなる木」にすべき、という結論になりますし、既にキャッシュフローが厳しい状態ならば不採算事業の撤退などの企業戦略を決定できます。

企業戦略があってこそ次の経営戦略や事業戦略が決定されるので、時間をかけてでも正確にリソース配分を検討することが重要です。

 SWOT分析(事業戦略)

SWOT分析(事業戦略)

事業戦略の策定をする際はSWOT分析を利用するのが有用です。

SWOT分析を実施することで、事業の改善ポイントやリスクヘッジを検討することができます。

SWOT分析を活用する際は、まずは外部要因から洗い出すために「OT」を分析し、その後に「SW」を検討するのが良いでしょう。

専門家

関連記事:自社の「強み弱み」を知るならSWOT分析で【分析後の行動も解説】

3C分析(事業戦略)

3C分析(事業戦略)

3C分析とは、以下3つの頭文字を取ったものです。

  • Company:自社
  • Competitor:競合
  • Customer:市場

3C分析を実施する際は「市場、競合、自社」の順番で分析をするのが良いと言われています。このような順序にするのは、市場と競合の情報を知らないケースが散見されるからです。

事業戦略において重要なのは、自社の改善のポイントやビジネスチャンスを掴むことですが、そのチャンスを掴むためには顧客の分析と他社分析が必要です。

競合の成功要因を分析し、自社に当てはめて考えることが事業戦略においては最も重要なため、他社をみて自社を律する視点を忘れないようにしましょう。

専門家

関連記事:3C分析とは?3Cの意味や分析手順、事例をわかりやすく解説

PEST分析(事業戦略)

PEST分析(事業戦略)

PEST分析は市場のマクロ環境を分析するのに最適なフレームワークです。

PEST分析とは以下4つの頭文字を取っています。

  • Political
  • Economical
  • Social
  • Technology

PEST分析の特徴は、業界環境をマクロの視点で見ることで、俯瞰して業界を把握できることです。例えば、どれほど素晴らしい商品を作ったとしても、社会の価値観に合わない製品を製造したところで需要は生まれません。

また、あるビジネスを規制する法律が可決されたのにもかかわらず、そうした分野に手を出してしまえば、その事業は失敗に終わるでしょう。

PEST分析では自社ではどうしようもできない外部要因を洗い出すのに適しています。

業界環境は、必ずマクロの視点から見ることを忘れないようにしましょう。

専門家

5Fs分析(事業戦略)

5Fs分析(事業戦略)

5Fs分析は「ファイブ・フォース分析」と呼ばれます。

ファイブ・フォース分析は後述するポーターによって考案されたフレームワークです。

ポーターによれば、自社には以下5つの動向を気にする必要があります。

  • 新規参入の脅威
  • 売り手の交渉力
  • 買い手の交渉力
  • 代替品の脅威
  • 既存事業者との競争

自社に関わるステークホルダーの立ち位置を勘案することで、自社のビジネスにステークホルダーがどういった影響を及ぼすのかを予測します。

例えば、アナログカメラは代替品のスマートフォンの脅威を軽視しており、顧客のスイッチングコストの低さを見極めていなかったせいで、その市場を大きく失いました。

このように、事業戦略の策定にあたって業界環境を分析する際はファイブ・フォース戦略が役立ちます。

シナリオ分析(事業戦略)

経営者

リスクへの対処はどうするの?

シナリオ分析とは、特に事業戦略のリスク要因に対処するための方法のことです。NPV(フリーキャッシュフローなどを利用して算出する)を算定することで、戦略実行時にダウンサイズ、アップサイズしたときの収益や投資がどの程度変化するかを求めます。

コーポレートガバナンス・コード改訂により、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への注目が集まってきていることから、シナリオ分析に現在注目が集まっています。

関連記事:リスクマネジメントの手法 企業活動の危機は、常にコントロールできる!

経営戦略で押さえておきたい重要キーワード一覧

経営の重要キーワード一覧

経営戦略を検討する上で、知っておきたいキーワードを以下のように一覧にしました。

  • 経営理念
  • コアコンピタンス
  • インテグリティ
  • サステナビリティ
  • アントレプレナーシップ
  • コーポレートガバナンス
  • アクティビティ・システム

どれも、経営戦略を考える上で欠かせないものです。

専門家

経営理念

「経営理念」とは企業を運営する上で重視する方針、精神のあり方を明文化したものです。

会社の存在意義、目的とも言い換えられる経営理念。経営理念は、会社で働く「やりがい」を社員に与えるものでもあります。

経営理念は以下の3つの要素で構成されています。

  • ミッション:会社の存在理由
  • ビジョン:会社の目指すべき理想の姿
  • バリュー:行動基準

経営理念はそのまま会社のブランドイメージにも直結することがあるため、「強い組織を作るために必要」だと一般的には言われています。

ただし、識学では経営理念を全ての部下に浸透させる理由はないと考えます。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

【識学式】会社の経営理念は浸透させなくていい | 部下が経営理念に基づいて行動できない理由とは?

コアコンピタンス

コアコンピタンスとは、競合他社に模倣される可能性が低い、自社がもつ核のことです。

グローバルニッチトップ企業と呼ばれる、比較的市場が小さい中で活躍する企業は、コアコンピタンス経営を行っていると考えられています。

自社のコアコンピタンスを突き止めるために必要なポイントは以下の5つです。

  • 模倣可能性
  • 移動可能性
  • 代替可能性
  • 希少性
  • 耐久性

コアコンピタンスは特に、中小企業が重視しておきたい項目です。

関連記事:【3分で理解】コアコンピタンスとは?コアコンピタンスの意味、成功事例を徹底解説!

インテグリティ

インテグリティは、「誠実」「真摯」「高潔」などを意味する言葉です。

会社経営には多くのステークホルダーが関わっているため、株主の期待に答えるためにも不正のないクリーンな経営を進める必要があります。

しかし、1990年代から加速した実力主義により、成果を急ぐあまりインテグリティに欠いた企業経営を行う経営者が目立つようになりました。

そこで再度インテグリティが見直されたのです。

今や、会社が社会に及ぼす影響は大きく、国として1つの目標を達成するためには企業の協力が欠かせません。

近年では「カーボンニュートラル」という社会目標に対し、企業の協力が世界規模で求めらています。

今後は、経営者、会社全体がインテグリティ・経営を進める必要があると考えられています。

関連記事:『真摯さ』とは?ドラッカーが伝えたかった真のインテグリティの意味を徹底解説

サステナビリティ

サステナビリティとは「人間活動や自然環境が多様性を失わず、長期的に継続できる能力」のことです。

元々は環境問題や資源開発問題を解決するための手段として活用されていたサステナビリティは、企業の社会的責任が増すにつれて日本でも注目されるようになりました。

環境問題が深刻化するにつれ、個人のみならず企業環境に留意した「サステナブル経営」を実施することが投資家に対するアピールになるとのことで、現在注目される考え方です。

関連記事:サスティナビリティとは?意味や定義、企業の取り組み事例をわかりやすく解説!

アントレプレナーシップ

企業家精神とは、新規事業を推進するために必要な「発想力」や「行動力」のことです。

元々はベンチャー企業の持つ精神として取り上げられることが多かったのですが、現在では企業内で新しい事業を立ち上げる、あるいは既存の枠組みを超えた新規ビジネスを考案する際にアントレプレナーシップが必要となります。

現在私たちを取り巻く環境は刻々と変わっていきます。

コロナウイルスによる環境の変化のみならず、新しいデジタルの形としてのメタバース、NFTを始めとするWEB3.0時代においてはより一層アントレプレナーシップが必要とされることでしょう。

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コーポレートガバナンス

日本の市場区分が2022年から大きく変化します。

東証一部、二部といった市場区分がなくなり、今後はプライム、スタンダード、グロース市場の3つの区分へと変化します。

この、市場区分の改定に伴い変更されるのがコーポレートガバナンスです。

コーポレートガバナンスとは、企業が組織ぐるみの不正を行うのを防ぐことを目的として、社外取締役、社外監査役を自社に配置する仕組みのことです。

今後上場を目指している企業にとって外すことのできない内容になるため、いまいちピンとこない方は以下の記事をご覧ください。

専門家

関連記事:コーポレートガバナンスとは?コーポレートガバナンス・コードから見る企業のあり方

アクティビティ・システム

アクティビティ・システムとは、企業のビジネス行動を図示したものです。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』でマイケルポーターが提唱しました。

企業の中には事業を多角化し続ける「コングロマリット型」の企業も増えていますが、それぞれのビジネス行動を連携させることで、他社からの模倣が困難になります。

例えば、「生産性を向上させる」という一つの目標を立てた際、アクティビティ・システムが機能することで、一つの事業の生産性を向上させる施策を打ち出すと、関連して他の事業の生産性も向上します。

組織が一体となって持続可能な成長を続けるためには、アクティビティ・システムが欠かせません。

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経営戦略の成功事例

成功事例

ここまでは経営戦略の大枠、概念について説明をしてきましたが、実際に事例を確認してみましょう。

  • マクドナルド
  • ユニクロ

上記2つの経営戦略の成功例を解説します。

マクドナルド

コロナ禍による巣篭もり需要を捉えたマクドナルドの業績は昇り調子です。

2021年に公開された日本マクドナルドホールディングスの「2021年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」によれば、コロナ禍でのテイクアウトやデリバリーが伸び、業績も伸び続けていることが示されています。

しかし、マクドナルドは2014年「チキン賞味期限切れ問題」に直面し、経営危機に陥った過去があります。

2014年に賞味期限切れのチキンを販売していたとして広く報道されたマクドナルドは、2015年にはおよそ350億円の赤字を発表したマクドナルドは、以下のような経営戦略を打ち出しました。

  • 不採算店舗の閉店
  • 従業員の給料の向上
  • 『Fun Place To Go』の理念

安く外食ができる場所を目指しコストリーダーシップ戦略に重きを置いていたマクドナルドは経営戦略を一新。

店舗は「ただ食事をする場所」ではなく「楽しむ場所」に転換。

SNSを活用したマクドナルドの経営戦略は見事話題を呼び、その後業績はV字回復にまで至りました。

経営戦略は時代によって再検討する必要があります。

専門家

ユニクロ

今や「ユニクロ」の言葉を知らないほどまで有名になった洋服メーカー「ユニクロ」は、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略をハイブリットした経営を行っています。

各アパレルメーカーが高品質な機能面のみに注力する中、ユニクロが顧客に対し提示したのは「これでいい」と思わせる割り切ったスタイルです。

選べるものが増えるからこそ、選びたくない顧客に対し「これでいい」と思わせる高機能な洋服を提供する。

ユニクロの試みは見事顧客のインサイトを掴み、ファストファッション界での高い知名度を誇っています。

関連記事:ユニクロ創業者柳井正の組織マネジメント

今後の経営戦略の課題

今後の経営戦略の課題

経済産業省も説明資料として経営戦略と人材戦略の資料を公開しています。

それによると、経営上の課題は以下3つだと説明しています。

  • グローバル化
  • デジタル化
  • 少子高齢化

そしてこの問題を解決するためには、人材戦略こそが重要であると説明しています。

従来型の日本の閉じられたコミュニティーではなく、変化に富んだイノベーティブな人材を自社に獲得することで、デジタル化やグローバル化に適応できます。

日本では人材戦略が経営戦略に紐づいていないという課題があります。

したがって、今後は日本でも経営戦略と人材戦略を紐付け、適切な人事施策をとっていくことが重要だと説明しています。

経営者

経営戦略は時代によって変わるということだね。よくわかったよ!

参考:事務局説明資料(経営戦略と人材戦略)| 経済産業省

経営戦略を学べる本ランキングトップ3

最後に、経営戦略についてより深く学べる本をご紹介します。本記事で紹介するのは以下の3冊です。

  • グロービスMBA経営戦略
  • 経営戦略とマーケティング
  • ロバート W. グラント『グラント 現代戦略分析』(中央経済社)

それぞれ詳しく解説します。

『グロービスMBA経営戦略』

『グロービスMBA経営戦略』では、経営戦略の構成や事例などが多く説明されており、経営者が知っておくべき理論やツールについて幅広く説明しています。

フレームワークも詳しく説明しているため、実践的な一冊といえるでしょう。

『経営戦略とマーケティング

「経営戦略とマーケティング』は、名古屋商科大学ビジネススクールのMBA講座の内容がわかりやすくまとまっている一冊です。

講義形式で中身が進んでいくので、難しい内容の経営戦略も頭に入りやすく、導入として読むには最適でしょう。

『グラント 現代戦略分析』

日本国内の指定教科書としてMBAで利用されているのが『グラント 現代戦略分析』です。日本語に不自然な訳があったり、回りくどい表現なので読みにくいといった声もありますが、経営戦略を学ぶのであれば必見の一冊です。

まとめ

本記事では、経営戦略をわかりやすく解説しました。

経営戦略を実施する際は以下3つの順で施策を実施するのが大切です。

  1. 全社戦略(企業戦略)
  2. 事業戦略
  3. 機能戦略

正しい順序で実施することで、自社の成長戦略に寄与する経営戦略が立案できることでしょう。

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