- 「ケーススタディとは?」
- 「どんなシーンでケーススタディは役に立つの?」
このような疑問を感じていませんか?
この記事ではケーススタディの日本語訳から意味、定義、メリットをわかりやすく解説します。
ケーススタディはビジネスや医療、教育などいろいろな場所で使用される言葉で、実際に起こった事例を研究して、問題解決方法を導き出します。ケーススタディには、問題の再発防止や新しいアイディアの創出、問題解決の時間短縮など様々なメリットがあります。
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目次
ケーススタディの意味や定義とは?
ケーススタディとは、過去の成功例や失敗例・実例を詳しく分析し、問題解決のために必要な一般法則や原理を導き出す研究法を指します。
ケーススタディを行えば、理論だけでは得られない現実問題を解決するためのスキルや問題解決能力、分析力、洞察力、ロジカルシンキング、戦略構築力が養えます。
ケーススタディの語源や日本語訳
ケーススタディの語源は英語の「case study」です。「case」は事例や事実、状態、問題のことを指し、「study」は研究や学問、調査、検討を意味します。ケーススタディを日本語に直訳するなら「事例研究」が適当ですがこの表現が使われることはほとんどありません。
ケーススタディの目的
具体的なケーススタディの内容や目的は、事業分野によって異なります。代表的な分野はビジネスや医療、教育です。どの分野でも過去の事例をもとに疑似体験し、対応力を高めることがケーススタディの目的となり、座学や理論だけでは習得できない能力を高めることができます。
ビジネスにおけるケーススタディ
ビジネスでのケーススタディは経営大学院で学ぶことができ、ビジネスの研修でケーススタディを実施することもあります。研修では新入社員向けのケーススタディやリーダー、管理職向けのケーススタディに分かれており、管理職や経営者、社員が直面した具体的な事例を疑似体験することが可能です。
ケーススタディで身につくスキルには下記のようなものがあります。
- リスク回避
- アイディア創出
- 結果を出すまでの時間短縮
- 困難な事態に直面しても対応できる能力
また、経営大学院では、新規事業への投資やアライアンスの判断など、ビジネス現場における意思決定をケーススタディで問うケースが多いです。
医療におけるケーススタディ
医療現場におけるケーススタディは、医師や看護師が集まって症例検討会を行うことです。1つの職種だけで集まることもあれば、多くの職種でディスカッションすることもあります。他には、介護の現場でも介護福祉士やケアマネージャーが同じようにケーススタディを実施することがあります。
医療や介護の現場ではそれぞれの患者に向き合った対応や、瞬時に的確な判断をしなければなりません。そのようなときに、ケーススタディを実施しているかどうかで対応力に差が出ます。
教育におけるケーススタディ
教員や学校の管理職向けにケーススタディを行うこともあります。教員向けのケーススタディでは授業の事例、学生への指導事例、指導方法の改善などを教えることが多いです。一方、学校の管理職向けのケーススタディでは、学校で起こった事件やトラブルを教え、どのように対応して解決したのかを学ぶことで防止策を検討したり、解決方法を探ったりします。
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ケーススタディの使用例
ケーススタディという言葉の使用例をいくつか挙げます。正しい使用例を参照することでケーススタディの実像がつかめるでしょう。
- 「ケーススタディを利用して経験値を高めよう」
- 「先日いただいたお客様からのクレームを早速ケーススタディにしておこう」
- 「新人研修にケーススタディを組み込むことは必須だと言える」
- 「ケーススタディで希少な事例ばかり取り上げるのは感心できない」
- 「ケーススタディをすることでスキルを高め、対応を誤らないようにしよう」
ケーススタディの日本語となる「事例研究」と言い換えて、違和感がなければ使用法として問題ありません。
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ケーススタディのメリット
ケーススタディのメリットは下記の4つです。
- リスクの回避
- 時間の短縮
- 新しいアイディアの創出
- メンタルの強化
それでは1つずつ解説していきます。
リスク回避
ケーススタディでは、過去の事例を疑似体験し、その事例の結果や原因について分析することでリスク回避につながります。
なぜその事例が起こり、なぜその結果になったのかを明らかにし、そこから反省や教訓を学ぶことが重要です。
その結果、同じような事例を引き起こさず、防止することが可能になります。さらに、自分が当事者ならどのように対処したかを考えることで対応力を向上させることも可能です。
時間の短縮
一見すると、ケーススタディは時間がかかるように見えます。しかし、ケーススタディで定石を見つけることができれば、余計な試行錯誤をすることなく最短で結果が出せるため、ビジネスにおいて大きな時間短縮になります。
ビジネスにおいてスピードは大きな武器となるので、ケーススタディで時間を短縮して成果を上げ、ビジネスをスムーズに進めましょう。
新しいアイディアの創出
多くの人は新しいアイディアを求められた際、ゼロからアイデアを生み出そうとしますが、ゼロからアイディアを生み出すことは原理的に不可能です。
「イノベーション」を定義した経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターによればイノベーションとは「新結合」を意味し、既存の技術や知識、考え方が新しく結合することでイノベーションや新しいアイディアが生まれるとしています。だとすると、過去を知ることこそ新しいアイディアを生み出す源泉です。したがって、ケーススタディでさまざまな事例を研究することで新しい組み合わせが考えられるでしょう。
メンタルの強化
ケーススタディにはメンタルを強化する働きがあります。
はじめて経験することは一般的に緊張を伴い、経験の少なさは精神的なプレッシャーにつながります。一方で、ある程度経験があったり、起こりえることを把握していたりすれば緊張やプレッシャーの軽減が可能です。
ケーススタディでは、過去の事例を分析・研究することで疑似体験できるため、疑似体験を重ねておけばシーンに合わせた対応が取れます。この精神的なアドバンテージは非常に大きなもので、右も左もわからないまま現場に放り込まれるより、ケーススタディで状況を理解した上で臨む方が実力をしっかり発揮できるはずです。
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ケーススタディのやり方
ここでは、実際のケーススタディのやり方、方法について解説します。ケーススタディを行う際の参考にしてください。
ケーススタディのポイントは「適切な事例の問題を明確化し、解決方法や結論をアウトプットして共有すること」です。特に、問題を明確化する段階がもっとも重要です。ホワイツリーやイシューツリーなどのロジックツリーを活用して明確化しましょう。
取り上げる事例を決定
ケーススタディを行うにはまず、参考になりそうな事例を集めることが必要です。事例は、書籍やインターネット、学術論文で探しましょう。さらには、セミナーへの出席や、ビジネススクールに通う方法も考えられます。
また、日経クロストレンドの「事例データベース」は、ビジネスの事例を探すのにとても有効です。日経クロストレンド上部メニューの「データベース」を選択すると事例データベースが表示され、重要テーマや効果・効用、業種などの項目で絞って事例を検索できます。
事例を把握
取り上げる事例を決めたら、事例を読み込み、事実関係や背景、文脈を把握します。もし事例に情報が不足しているなら、合理的な推論で補いましょう。
問題の明確化
事例の把握が完了したら、問題を明確化します。
多くの場合、1つの事例に対して複数の問題があるため、その問題の相互関係を把握し、優先順位をつけましょう。そして、解決するべき問題が何かを決定します。問題を明確化するには、ホワイツリーやイシューツリーを利用すると便利です。
ホワイツリーは「なぜ?」を繰り返すことで問題を明確にし、イシューツリーは「何をすればいいか」や「何があればいいか」というイシューを細分化することで、目標の実現に必要な手段を明確化する手法です。このようなロジックツリーには他にも「ホワットツリー」「ハウツリー」があるため、これらを活用して問題を明確化しましょう。
解決の方法を検討
問題を明確にした後は解決方法について検討しましょう。思いつく解決方法をリストアップし、より効果的な手段に絞り込んでいくとスムーズです。解決方法を検討するとき、他の似たようなケーススタディを参照することで、より短時間で効果的な解決方法をリストアップすることができます。
結論や解答から学ぶ
解決方法を決めて結論を出せたら、グループや組織で結論を共有しましょう。1人でケーススタディを行っている場合でも、思考を整理するためにアウトプットすることがおすすめです。そして最後に、事例ではどのように対応したのか確認します。成功した事例であれば、その実際の対応方法が正解です。
しかし、正しい対応方法が1つとは限らず、複数個の正解が存在するケースも多々あります。自分の出した結論や他の人の結論から、様々な視点や発想を学び取るのがケーススタディのポイントです。
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自社向けのケーススタディの作り方
いきなりケーススタディを作ろうとしても、具体的にどのようにするべきかイメージが湧かないのではないでしょうか? ここではケーススタディのたたき台を作り上げ、そこから発展させる形で自社向けのケーススタディを作る方法を解説します。ここでのポイントは「事例を解決した人にケーススタディの作成を担当させること」です。
実際の事例を解決できれば、起こったことや解決方法をそのままなぞるだけでケーススタディになります。あとはそれらをカテゴリー分けして分類し、たたき台として新たなケーススタディを発掘するだけです。
それでは段階ごとに詳しく説明していきます。
作成担当者を選定
自社内でケーススタディを作るなら事例や題材、テーマより先に作成担当者を選定しましょう。担当者に選ぶべき人は、これまで発生した問題の解決や成果の創出をした実績がある人です。専任した担当者が解決した問題や、創出した成果の詳細を事例にまとめることでケーススタディになります。
ケーススタディを作る際は、専任した担当者が作成しやすい事例を優先しましょう。自社内で実際にあったことだからこそ、有益なケーススタディとなります。
ケーススタディの作成計画を立案
作成計画では、担当者に作成してもらうケーススタディの本数や納期を決めます。自社のケーススタディを作成する場合、目標は低めに設定しましょう。適切な目標は10本程度で、その10本をたたき台として、今後の自社のケーススタディ作成計画を練ります。
また、文章の作成が苦手な人が作成担当者の場合は、文章が得意な人に代筆させるといった対処が必要です。。負担にならない適当な本数は、作成担当者1人あたり数本程度となるため、適宜調整をしていきましょう。
ケーススタディをカテゴリー分け
目標とした10本のケーススタディが完成したらカテゴリーに分けます。カテゴリーは業界によって異なりますので便宜、適切なカテゴリーを設定しましょう。たとえば、製造業界の場合であれば下記のように分けられます。
- 品質管理
- 業務改善
- 業務標準化
- 見える化
また、サービス業界の場合は下記のように分けられます。
- 顧客満足
- 顧客クレーム
- イレギュラー対応
- メール対応
- 電話対応
たたき台として作成した10本のケーススタディをもとに、自社の業界や独自性も検討材料に加えましょう。
カテゴリーごとにテーマを設定
自社オリジナルのカテゴリー分類ができたら、そのカテゴリーごとの題材をピックアップします。1カテゴリーにつき、3つのケーススタディ作成を目指しましょう。
カテゴリーが7つに分類されたとすれば、合計で21種類のケーススタディの作成を目指します。これだけあれば、自社オリジナルのケーススタディとしては十分な量となります。
たたき台として作成した10本を含めれば、11本を作成するだけで済むため、たたき台の作成担当者とは異なる担当者に任せるなどして、作成の負担を分散しましょう。たたき台となるケーススタディやカテゴリーができているので、ケーススタディに適した事例が容易に発掘できるはずです。
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ケーススタディの活用シーン
ケーススタディは仕事上のどのようなシーンで活用するのでしょうか。活用例をいくつか紹介します。
再発防止策
ある問題が発生したときに、その問題をケーススタディにすることで、同じような問題の再発を防げます。そのためには、発生した問題をケーススタディとして会議の場で議論したり、社内メールで問題を発信したりするなどして共有することが重要です。。したがって、スムーズに共有できる仕組み作りも必要になります。
会議のアイスブレイク
「アイスブレイク」の直訳は「氷を溶かす」です。初対面同士の人が出会うときに、その緊張を解きほぐすための手法をアイスブレイクと呼びます。
ケーススタディは会議で集まった人を和ませ、コミュニケーションしやすい雰囲気を作り、会議の目的達成のため積極的に関わってもらえるように働きかけます。
階層別教育
新人向け、チームリーダー向け、管理者向けなど、階層別のケーススタディは教育に効果的です。地位や階層に合わせたケーススタディに取り組ませることで過去の事例や問題を疑似体験させ、自身が担う役割と責任の自覚を促します。
ケーススタディの関連語
ケーススタディの主な関連語には下記の3つがあります。
- ケースメソッド
- ケースブックメソッド
- ケーススタディ試験
ケースメソッドとケースブックメソッドは、ケーススタディとほとんど意味が変わりません。ケーススタディのことを指して「ケースメソッド」と表現する場合もあります。
それでは1つずつ解説していきます。
ケースメソッドとは?
ケースメソッドとは、具体的な事例研究を重視する教育方法を指します。
ケースメソッドの目的は、現実社会で起こりえる課題について事例の分析を行い、最善の解決策を導き出せる能力を養うことです。経営大学院や法学、医学の学習では高頻度でケースメソッドの授業が登場します。
ケーススタディとケースメソッドはほとんど同様の意味で、区別するのが難しいとされますが、ケースメソッドが能動的な視点、ケーススタディが受動的な視点の表現だと考えられています。
ケースブックメソッド
ケースブックメソッドもケースメソッドと同様、事例研究を重視した教育方法です。
「ケース」は判例、事案、事象のことを指し、これらを集めたものを「ケースブック」と呼びます。たとえば、法学におけるケースブックとは判例集のことです。
ケースメソッドでは提示された事例に取り組みますが、ケースブックメソッドではケースブックを用いて学習を進めます。経営大学院のケースブックは、企業の歴史や成功事例、失敗事例が書かれた教材です。このケースブックをクラスでディスカッションし、多様な意見を取り入れながらより良い課題解決方法を探ります。
ケーススタディ試験
入社試験や管理職の試験としてケーススタディを実施するものがケーススタディ試験です。グループディスカッションや発言内容から評価されたり、筆記テストでケーススタディに取り組んだりします。
ケーススタディにおいては正しい答えが1つというわけではありません。そのため、正しい結論を導き出そうとするのではなく、自分なりに結論し、結論までの論理を筋道立てて説明できる能力が求められます。さらに、問題把握力や対策立案力、役割理解力も欠かせません。
ケーススタディを上手に活用してメリットを享受しよう
ケーススタディとは日本語では「事例研究」と呼ばれ、実際に起こった出来事を詳しく分析・検討することで、問題解決方法を探ることです。
ケーススタディは過去の事例を通して疑似体験するため、問題の再発防止や解決の糸口の発見に役立ち、理論だけでは得られない現実の問題解決能力を養うことができます。さらに、疑似体験をくり返すことで、はじめての状況でも緊張せずに対応できます。
ケーススタディを上手に活用して、「リスク回避」「時間短縮」「新しいアイディアの創出」「メンタルの強化」というメリットを享受しましょう。